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【「日本」の解き方】:人工透析ブログ炎上の背景にデタラメな「財政破綻論」

2016-10-14 15:09:00 | 金融・財政ニュース

【「日本」の解き方】:人工透析ブログ炎上の背景にデタラメな「日本財政破綻論」 無駄削減には客観的線引きを

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【「日本」の解き方】:人工透析ブログ炎上の背景にデタラメな「日本財政破綻論」 無駄削減には客観的線引きを

 人工透析について、ネット上で話題になった。ある著名人が自分のブログで「人工透析患者の多くは自業自得なのに医療費を使っている」と問題提起したところ、多くの批判が寄せられ、テレビのレギュラー番組を降板せざるを得なくなった。ネット上だからか、本人の不注意だったのか、不適切な表現があったためだ。

 そのブログを読んで、大いに気になる点があった。日本の財政がもたないと思い込んでいることだ。だから医療費のカットが必要だとして、人工透析を例示していた。おそらく本人は日本の財政をおもんぱかっての発言であり、何が悪いのか、わかっていなかったのではないか。

 筆者は、医療関係者に日本の財政状況を説明する機会も少なくない。本コラムの読者であればわかっているだろうが、日本の財政はそれほど危険な状況ではない。

 日銀を含めた連結ベースのバランスシート(貸借対照表)を作れば、「負債」に見合う「資産」があり、資産から負債を差し引いた純債務額はほぼゼロである。それに、見えない資産である徴税権を加味すれば、明らかに資産超過である。

 つまり、標準的なファイナンス理論から見れば、日本政府が破綻するという話はホラー小説と同じレベルだ。実際、日本政府が破綻するといわれて20年くらいたっているが、金利は高騰せず、為替が円高になっている現実をみれば、破綻話がいかにデタラメであるかを示しているだろう。

 この破綻シナリオは、保有する国債や銀行預金を売らせて、他の金融商品を取得させるような悪徳商法にも使われる手法であるので、この種の話をする人には気をつけたほうがいい。

 もし、万が一日本の財政が危ないとしても、まず行うべきは名目経済成長率を高くすることである。1990年以降、日本経済の名目成長率はほぼゼロであり、このような国は世界広しといえども、日本しかない。

 日本の名目成長率が世界でビリであるのはデフレのためなので、まず行うべきはデフレ脱却である。

 財務省は、社会保障費が毎年1兆円増加するので大変だと言い、知識人を気取る人たちも同調する。しかし、名目GDPを1%(約5兆円)伸ばせば、その程度の税収増は容易に確保できるので、ちょっと煽りすぎといわざるを得ない。

 「日本は財政危機だから、医療費をカットすべきだ」というと、なんとなく知識人を気取ることができるが、実は単なる無知を表しているだけなのだ。名目経済成長を高めることができなければ、無駄カットくらいは仕方ないが、医療分野では無駄を客観的に見極めるのはかなりの難問である。

 問題視されることが多い医療だが、誰が見てもおかしい話というのは実はあまりない。ある人には無駄に見えても、そうでない見方もある場合、削減の合意ができないことも少なくない。

 客観的な線引きができない限り、歳出をカットすべきだとはいえないと筆者は思っている。特に人命に関わる医療分野では、細心の注意が必要である。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 元稿:夕刊フジ 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2016年10月07日  15:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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