乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【日本の解き方】:国の巨額資産 統合バランスシートで見れば400兆円を・・・

2017-01-19 00:01:00 | 金融・財政ニュース

【日本の解き方】:国の巨額資産 統合バランスシートで見れば400兆円を負債から除ける

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【日本の解き方】:国の巨額資産 統合バランスシートで見れば400兆円を負債から除ける

  本コラムの読者であれば、筆者が大蔵官僚の時、1995年に初めて国の連結バランスシート(貸借対照表)を作ったことをご存じかもしれない。

 財務省のウェブサイトで公開されている国の連結バランスシートをみれば、負債総額は1350兆円程度であるが、資産が900兆円程度もあり、差し引きしたネットの債務額は450兆円程度となる。

 ただ、この連結バランスシートには、本来連結対象になっているべき日銀が除かれている。経済学では、日銀(中央銀行)も連結対象で、それを含めた「統合政府」という概念もある。

 そこで、日銀を含めた統合政府でみると、直近の日銀のバランスシートは、大ざっぱにいえば、資産が国債400兆円程度、負債は日銀券(紙幣)100兆円、日銀当座預金300兆円だ。したがって、統合政府のバランスシートを作れば、資産と負債の国債は相殺され、資産が900兆円、負債側は国債等950兆円と日銀券100兆円、日銀当座預金300兆円となる。

 これに対して、財務官僚OBで、民主党政権当時にブレーンを務めていた人から、「統合政府ベースで、日銀が保有する国債を相殺することができても、日銀に預けた民間の預金は負債として残り、統合ベースで見た場合に負債が減ることはない」というコメントがあったことに驚いた。

 日銀当座預金は民間の預金であり、「負債」というのは、財政の立場から見れば無意味なコメントである。あたかも財政負担があるかのように主張しているが、過度なミスリーディングと言わざるを得ない。

 金融論では、日銀券と日銀当座預金を合わせてマネタリーベース(日銀が供給する資金)を構成している。日銀券と日銀当座預金は代替的であるからだ。

 日銀券は、ご承知のとおり、無償還、無利子の負債である。これは通常の意味で、実質的には債務でない。また、日銀当座預金も日銀券と代替的なので、無償還・無利子の負債とみていい。白川方明(まさあき)日銀総裁時代に日銀当座預金の一部は有利子になっているが、本来は無利子である。

 統合政府のバランスシートで考えるというのは、日銀が購入した有償還・有利子の国債が、無償還・無利子のマネタリーベースと置き換えられることを意味する。このため、統合政府のバランスシートの負債は、負債側は国債等950兆円、日銀券100兆円、日銀当座預金300兆円となるが、マネタリーベースの400兆円は実質的に負債から除いて考えてもいいのだ。

 これは、中央銀行という発券銀行たるゆえんである。実務的にみても、日銀が購入した国債の利払費は政府が払っても日銀納付金で返ってくるし、償還費も日銀乗り換え(日銀引き受け)で不要である。

 もちろん、有償還・有利子の国債を無償還・無利子のマネタリーベースと交換しているので、財政負担は減っても、インフレになるかもしれない。ただし、デフレ時には心配無用であるし、高インフレはインフレ目標で防げる。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 元稿:夕刊フジ 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2016年11月11日  15:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

 

『政治』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 【EU】:英離脱交渉へ本格... | トップ | 【高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金融・財政ニュース」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。