乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【社説②】:TPP国会 国民に分かるように

2016-10-13 01:30:40 | 【環太平洋パートナーシップ協定(TPP)

【社説②】:TPP国会 国民に分かるように

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:TPP国会 国民に分かるように

 国会でTPPの本格審議が始まる。グローバル化、自由化の負の側面があらわになり、経済格差と保護主義的な動きが世界に広がりつつある。無理な自由化の推進は痛みを広げかねない。

 日米などアジア太平洋地域の十二カ国が貿易を自由化する環太平洋連携協定(TPP)が大筋合意してから一年。推進論は以下のように主張する。

 -何よりも自由貿易の推進は参加国の経済成長につながる。反自由化、反グローバル化の動きに歯止めをかけないと、各国は国内産業保護のため障壁を作り経済は停滞。国境を閉ざす内向きの動きは移民排斥などを主張する大衆迎合政党を利する懸念がある。また自由や民主主義、基本的人権という価値観を主導する米国の影響力を、中国が台頭するアジアで維持拡大することが地域の安定に不可欠だ。日本はけん引役として今国会でTPPを承認、関連法案を成立させるべきだ-と。

 しかし、TPPを取り巻く潮流の変化に目を閉ざすわけにはいかない。

 米大統領選挙の候補者二人によるTPP反対は何を意味するのか。所得の減少や失業で中間層以下の経済的な苦境、将来への不安、不満が耐えられないほどに広がっていることを示している。

 米国と並んで競争強化や自由化の先頭に立ってきた英国でも、負の側面に焦点を当てた議論が目立っている。有力経済紙フィナンシャル・タイムズは、保護主義の強まりの底流には格差の拡大があり、その解決が先進国の喫緊の課題と指摘。判断を誤ると民主主義の根幹が揺らぐという趣旨の論説記事をくり返し掲載している。

 これまで、グローバル化の恩恵は明らかに富裕層に偏ってきた。もし恩恵が広く行き渡り、日米英など先進国で多くの国民の暮らしが上向いているなら、さらなる自由化は歓迎されるはずだ。

 先進国はこれまで進めてきたヒト、モノ、カネの自由化、グローバル化の負の側面を検証し、格差や分断を修復する時にきている。怠れば各国は寛容さを失い「自国第一主義」の流れを強める深刻な事態になりかねない。

 国会で集中審議されるTPPの合意内容は交渉過程の不透明性、輸入米の調整金問題、食の安全など議論すべき課題を抱えている。国民の理解は進んでいない。

 自由貿易を取り巻く大きな変化も踏まえ、与野党には国民に分かる熟議を求めたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年10月13日  01:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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