乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【社説①】:企業の萎縮招かない情報開示ルールに

2016-11-06 03:30:55 | 産業・経済・企業・ビジネスニュース

【社説①】:企業の萎縮招かない情報開示ルールに

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:企業の萎縮招かない情報開示ルールに

 株式市場はさまざまな投資家の売買を通じて、企業の成長に必要な資本を効率的に配分する場だ。企業情報が適切に開示されなければ、市場の公正さを保つことはできない。金融庁が金融審議会の場で、企業の情報開示に関する新ルール策定に乗り出したのはそんな考えに基づく。

 金融庁の問題意識に違和感はない。しかし、情報開示の公正さを保つための諸制度はすでにある。新たにルールを作るのならば、屋上屋を架すことがないよう配慮し、企業の自由な情報発信を妨げない内容とすべきだ。

 金融審で議論が始まったのは「フェア・ディスクロージャー・ルール」と呼ばれる制度だ。企業が特定のアナリストや投資家などに未公表の重要情報を提供した場合、同じ内容を速やかに公表させるという中身だ。

 米欧にはすでに同様の制度がある。資本市場のグローバル化に対応するには、情報開示の取り決めも海外と歩調を合わせたほうがよいのは確かだ。

 ただ、未公表情報に基づく不正の防止についてはインサイダー取引規制がある。さらに、上場企業は業績修正などの重要情報が発生した場合、証券取引所の適時開示システムで速やかに公表するよう求められている。

 そのうえで、さらに企業にどのような情報開示を求めるべきかは慎重な議論が必要だ。あまりに広範で細かい情報の開示を求められたり、罰則が厳し過ぎたりすると、違反を恐れた企業が広く市場関係者との会合を避けるといった事態も考えられる。

 海外に目を転じると、2000年に米国で公正開示ルールが導入された直後は、企業がアナリストなどとの接触に消極的になる例が見受けられた。

 また、企業が選別的に情報を提供できる対象の例外が米国と欧州で異なるなど、国際的なすりあわせが必要と思われる部分もある。そうした海外の事例を丁寧にみていくことが欠かせない。

 日本は政府が成長戦略の一環として企業統治(コーポレートガバナンス)改革を進め、企業と投資家の積極的な対話を促してきた。公正開示ルールによって企業が萎縮すると投資家との対話も減る懸念がある。軌道に乗り始めたガバナンス改革が後退し、資本市場の機能がかえって低下するようなことがあってはならない。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年11月06日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

ジャンル:
経済
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 【社説②】:ベネズエラの危機... | トップ | お隣りは大丈夫? “アジト専... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。