乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【論説委員の目】:「空気」に染まりたくない

2016-10-10 10:45:20 | 地方行政、自治・住民自治・議会

【論説委員の目】:「空気」に染まりたくない

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【論説委員の目】:「空気」に染まりたくない

 この言葉も今年の流行語大賞の候補に挙がるのだろうか。東京都の豊洲市場(江東区)の建物下に土壌汚染対策で計画された盛り土がなかった問題で小池百合子知事が使った「空気」という言葉だ。

 敷地には、かつて東京ガスの工場があり、石炭を燃やした残りかすが置いてあった。残りかすには発がん性があるベンゼンなどが含まれ、土壌から高濃度のベンゼンが検出された。そこで都は地表から2メートルの土を入れ替え、その上に2・5メートルの盛り土をして建物を建てることにした。

 ところが主要建物の地下は空洞で盛り土はなかった。誰がなぜこんなことを決めたのか。都は解明できず、小池知事は「流れの中で、空気の中で進んでいった」と述べた。

 総額6千億円、土壌汚染対策だけでも858億円の事業が空気で進められてはたまらない。おかしな空気はほかにも流れている。

 国会の所信表明演説で安倍晋三首相が「海上保安庁、警察、自衛隊の諸君に今この場所から、心からの敬意を表そう」と呼び掛けると、自民党議員が次々に立ち上がり、首相とともに拍手を続けた。

 「自然じゃなかった」と自嘲気味の小泉進次郎議員も「びっくりして、僕もつい立っちゃった」と打ち明けた。

 敬意を示したい人はほかにもたくさんいるのに、なぜ海上保安庁、警察、自衛隊だけなのか。小泉氏の説明通りだとすると、300人近い自民党衆院議員が何らかの空気に付和雷同したことになる。

 各地で相次ぐ地方議員の政務活動費不正受給で富山市議の一人は「先輩議員もやっていた」と釈明した。地方議会には不正受給を勧める空気でも流れているのだろうか。

 人は同じ空気に染まらないことを恐れる。流れを斟酌(しんしゃく)することも重視する。同じ空気に染めようとする同調圧力も働く。ならば、妙な空気には染まりたくない。

 ところで「空気」が流行語大賞でベスト10に入ったら、授賞式には袋にでも入れた東京都庁の空気が登場するのだろうか。
 =2016/10/09付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【論説委員の目】  2016年10月09日  10:53:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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