乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【社説②】:ベネズエラの危機深める政治

2016-11-06 03:30:50 | 国際・欧州・中東・アフリカ・北米・南米

【社説②】:ベネズエラの危機深める政治

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:ベネズエラの危機深める政治

 南米ベネズエラの経済と社会が危機的な状況に陥っている。唯一の輸出品ともいえる原油の国際相場が低迷しているのが最大の原因だが、政治の混迷が危機を深めている面もある。

 危機の端的なあらわれは、生活必需品や医薬品の不足だ。主食やミルクなどを手に入れるには長い列に並ばなくてはならず、1日がかりになることもある。病院は開店休業のところが少なくない。

 国際通貨基金(IMF)の推計では今年の消費者物価上昇率は400%を超え、2017年には1600%に達する見込みだ。

 深刻なモノ不足の根っこにあるのはチャベス前大統領の時代につくった仕組みだ。当時は潤沢だったオイルマネーを利用して、輸入した必需品などを割安で国民に提供するシステムを整えた。

 この政策は貧困層を中心に歓迎されたが、原油安で外貨収入が細り財政も悪化すると、経済のみならず社会の危機も招く結果となった。前大統領の後を継いだマドゥロ大統領の与党が昨年の総選挙で大敗したのは、当然だろう。

 大統領の残る任期は2年余り。野党勢力は大統領を罷免するための国民投票をめざしてきたが、選挙管理委員会は先月、そのための手続きの中止を命じた。

 憲法の定めでは、罷免が17年1月上旬より後になった場合、大統領選は実施されず、与党出身の副大統領が昇格することになる。政権は決着を先送りし、一方で原油相場の反転を待つ構えにみえる。

 結果として政治は、危機を緩和したり打開したりするどころか、むしろ深刻にしている。

 前大統領の時代、中南米の代表的な反米左派政権としてベネズエラは存在感を発揮した。だが、昨年のアルゼンチンに続いて今年はブラジルでも左派政権が退場し、いまでは孤立感がただよう。

 巨額の融資をしてきた中国も最近は距離を置き始めたようにみえる。日本は直接のつながりはさほど深くないが、国際情勢を見通すためにも目配りが欠かせない。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年11月06日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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