乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

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【クローズアップ2016】:検証公表 都、ガバナンス不全 豊洲の核心、

2016-10-01 04:00:20 | 地方行政、自治・住民自治・議会

【クローズアップ2016】:検証公表 都、ガバナンス不全 豊洲の核心、謎のまま

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【クローズアップ2016】:検証公表 都、ガバナンス不全 豊洲の核心、謎のまま

 東京都の豊洲市場(江東区)の盛り土問題で、30日公表された都の検証では「いつ、誰が盛り土をしないと決定したのか」という核心部分の解明に至らなかった。「担当職員の連携不足や責任感の欠如」が問題の要因に挙げられ、開会中の都議会定例会でも厳しい追及が予想される。小池百合子知事も都庁の「ガバナンス(統治)強化」をさらに進めるとみられる。

 ■「盛り土せず」いつ、誰が決めた?

 盛り土は外部有識者の「専門家会議」が2008年7月、土壌汚染対策として提言した。検証報告書は、この3カ月後に開かれた外部有識者による工法検討の「技術会議」で委員から「(地下水の)長期モニタリングを考えておく必要がある」との発言があったことを計画変更の起点と位置づけた。その後、10年4月の改正土壌汚染対策法の施行により、技術部門の職員に地下水モニタリングの作業空間が必要との認識が定着していったことを指摘した。

 当時の石原慎太郎知事が08年5月ごろ、建物下に盛り土でなくコンクリートの箱を置く案を検討するよう中央卸売市場長に指示した点では、複数の職員の証言を基に計画変更との関係を否定した。

 報告書は、段階的に「盛り土なし」が決まっていったと結論付け、歴代市場長らの個人的な責任を問わなかった。それよりも、計画変更の説明責任が果たされなかった点を含め、組織内の意思決定のプロセス不備や連携不足に、問題の原因を求めた。

 盛り土をしないことが書類上で確定した13年2月の実施設計完了時点でも、明確な形で中央卸売市場という部局としての意思決定はされなかった。報告書は背景として、担当職員が市場長に情報を上げて意思統一を図らなかったことや、事務系と技術部門との連携不足などを挙げた。

 特に問題視したのは、中央卸売市場が11年9月に地下空間設置を機関決定した後も、都議会答弁で正確な説明をしなかったこと。土壌汚染対策を担う土木担当部長は計画変更を知らされず盛り土がある前提で答弁した。建物建設を進める建築担当部長は地下空間の存在を知りながら、盛り土は自分の所管ではないため修正の意見を述べなかった。

 環境影響評価の変更手続きも行われなかった。報告書は「(理由は)十分に解明できなかったが手続きをしなかった事実は重い」と批判した。

 11年9月当時に市場長だった中西充副知事は30日、「建物下にモニタリング空間が設置されることは認識していたが、盛り土の上に建設されると考えていた」と説明し、機関決定時に盛り土の有無を確認しなかったことを認めた。

 報告書の結論は小池知事が庁内ガバナンス強化を進めるための材料になる。30日の記者会見では「組織の問題として深掘りすることで(自身が訴える)東京大改革につながる」と強調した。報告書も末尾で「(職員の)自律改革に直結させなければ、失敗は再び繰り返される」と記した。

 小池知事は今後、内部通報システムで職員に告発を促し問題究明を続ける意向を示した。都職員には「報告書公表で幕引きにしたい」との声もあったが、更なる意識改革を迫られそうだ。【樋岡徹也】

 ■移転時期、読めず

 小池知事の延期発表に続き、盛り土問題の発覚で先行きが見えなくなった豊洲市場への移転。報告書は盛り土問題について、未解明な部分を多く残しながらも、背景にあった要因を提示した。しかし、都が実施した8回目の豊洲市場の地下水モニタリングで、初めて環境基準値を超える有害物質のベンゼンとヒ素が検出されたことが、さらに事態を混乱させている。

 都は14年以降、2年間の計画で豊洲市場内の201カ所の地下水モニタリングを実施してきた。これまで7回は有害物質が検出されなかったが、11月の9回目の最終モニタリング直前に、安全性に懸念を抱かせる結果が出た。都幹部は「盛り土問題発覚前は『来年のゴールデンウイーク開場』という軟着陸もうわさされていたが、次々と問題が発覚し、移転時期が全く読めなくなった」とつぶやく。

 小池知事は30日の会見で「(盛り土がなかったという)問題は安全性とは別だ」と述べ、「豊洲は危険」との世論の沈静化を図るかのような姿勢を見せた。しかし、小池知事が延期を決定した理由は「地下水モニタリングの結果が出ておらず、安全性の確認ができない」から。微量であれ、有害物質が出てきたことを容認してしまえば従来の主張と矛盾する。

 市場業者からは「延期したからには、安全性をしっかり確認してほしい」との要望も上がる。移転のハードルは高まっており、小池知事もその判断の是非が厳しく問われることになる。【柳澤一男】


 ◆豊洲市場を巡る今後のスケジュール

  2016年

 10月1日以降 石原慎太郎元知事を含む関係者のヒアリング

    4日   都議会代表質問

    5日   都議会一般質問

    6日   都議会経済・港湾委員会で集中審議を予定

    後半   都庁内の市場問題プロジェクトチームの第2回会合。年度内に結論を出す予定

 11月     地下水モニタリング最終9回目

    17年

  1月     地下水モニタリング最終結果公表

  1月以降   小池百合子知事が市場の移転可否含め判断


 ◆盛り土に関する歴代市場長の認識

  ■比留間英人氏 2006年7月〜09年7月(現・東京メトロ副会長)

   ・全面盛り土されていると認識し地下空間の存在は知らなかった

   ・土壌汚染対策法の改正が見込まれ、モニタリング空間を建物下に設ける必要性は認識していたが、具体的な検討は将来のことと考えていた

  ■岡田至氏 09年7月〜11年7月(現・都歴史文化財団副理事長)

   ・地下空間利用の議論が行われていたとの認識はなく、全面盛り土だと考えていた

  ■中西充氏 11年7月〜12年6月(現・都副知事)

   ・建物下にモニタリング空間が設置されることは認識していたが、盛り土の上に建設されるものと考えていた

  ■塚本直之氏 12年7月〜14年7月(現・東京動物園協会理事長)

   ・地下空間の存在と盛り土が行われていないことを認識していたが、矛盾を感じていなかった

  ■岸本良一氏 14年7月〜 (現職)

   ・地下ピットを視察したが、盛り土の上に建設されていると理解していた

  =都のヒアリングによる

  元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【クローズアップ2016】  2016年10月01日  02:43:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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