乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

{社説②}:大阪万博の誘致 思惑ばかり先走っても

2016-10-17 02:26:40 | 産業・経済・企業・ビジネスニュース

{社説②}:大阪万博の誘致 思惑ばかり先走っても

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説②}:大阪万博の誘致 思惑ばかり先走っても

 2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致に向けて、政府が前向きに検討を始めた。

 安倍晋三首相は先月末の衆院本会議で「経済の起爆剤となる」と述べ、20年東京五輪後の景気浮揚策としての期待感を示した。しかし経済効果を狙った誘致は万博の理念にそぐわない。開催の意義を巡る議論から始めるべきだ。

 大阪府は「人類の健康・長寿への挑戦」をテーマに、大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」に会場を設ける考えだ。建設費は1200億〜1300億円、運営費は690億〜740億円を見積もり、会場へのアクセス路線としての地下鉄延伸など関連事業費に770億円を計上する。3000万人以上の入場者を見込み、経済波及効果は6兆円と試算している。

 関西の経済界は巨額の費用がかかることに難色を示している。資金集めは容易ではないだろう。20年東京五輪は当初見積もりから大幅に経費が膨れ上がっている。万博も同じようになるおそれはある。

 かつての万博は国威発揚型で、参加国が経済力や技術力を誇示した。しかし、169カ国が加盟する博覧会国際事務局(BIE)の決議で、地球規模の課題の解決策を提示する場とすることが求められた。05年愛知万博は「自然の叡智(えいち)」について考え、15年ミラノ万博は食料をテーマに飢餓問題の解消を訴えた。

 関西は医療・介護ビジネスの先進地域を目指し、研究拠点やネットワークの整備を進めている。団塊の世代の全てが75歳を超え、超高齢化社会の真っただ中で迎えるのが25年だ。節目の年に関西から「健康」を発信する意義はある。問題は、この現代的なテーマを万博という舞台でどうアピールできるかだ。

 夢洲は大阪市が誘致しようとした08年夏季五輪の選手村予定地だった。しかし、北京に敗れ開発は遅れている。

 夢洲にはカジノを含む統合型リゾート(IR)も計画されている。ギャンブル依存症が指摘されるカジノの解禁に慎重な意見は多い。万博と絡めた構想としては問題がある。

 万博の誘致は、松井一郎大阪府知事が代表の日本維新の会が中心になって求めてきた。安倍政権には憲法改正を見据えて維新と連携を強めておきたいという思惑もありそうだ。だが、万博を政治の取引材料に使うべきではない。

 高度成長期の1970年の大阪万博は記憶に強く残るが、「夢よもう一度」とばかりに思惑が先走っての議論は避けるべきだ。大阪府は近く、基本構想を政府に提出する。21世紀の万博にふさわしい基本理念や事業計画を示せるのか見極めたい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年10月17日  02:26:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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