乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【社説】:天下布武を学び直す 年のはじめに考える

2013-01-03 01:25:50 | 政治・政策・行政・政局ニュース
【社説】:天下布武を学び直す 年のはじめに考える

 ●乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:天下布武を学び直す 年のはじめに考える

 国と地方の関係を考えることの多い昨年でした。国を変えるには、地方に暮らす私たちが政治に声を上げ、もっと自治を強くしていかねばなりません。
 戦国時代の英雄、織田信長が唱えた「天下布武」という言葉をご存じでしょうか。
 信長は一五六七年に当時の美濃を平定し、この言葉を入れた印を使い始めました。武力による天下統一を意識した言葉と理解されますが、別の解釈もあります。
 ■地域政党の原点とは
 天下雄飛と言えば、既成政党による中央政治の閉塞(へいそく)を打ち破ろうと、地方から第三極と言われる政治勢力が声を上げた昨年末の衆院選を思い起こします。
 地方から国の形を変えようと、首長をリーダーとする政党が、天下ならぬ中央集権の打破を目ざしました。
 結果はご承知の通り、多くの党が一敗地にまみれました。
 中部地方では、嘉田由紀子滋賀県知事が代表を務め、河村たかし名古屋市長の減税日本も合流した日本未来の党です。東海三県の小選挙区では擁立した十六人全員が敗れました。
 準備不足で政策が浸透しなかったことは明らかです。
 しかし、それ以上に天下布武にばかり目が行きすぎて、足元の地方自治や地域政党の原点をおろそかにしなかったか、反省してほしいものです。
 河村市長は選挙前、「今の選挙制度だと、大きな勢力にならないかんもんで」と、しきりに口にしていました。
 その焦りから、政党合流による規模拡大ばかりに奔走することになりました。地元の有権者は、庶民減税を全国に広げるという原点や、身近な市政を忘れていないかと疑問に感じたことでしょう。
 「卒原発」が看板の嘉田知事も同じです。地元では環境や命にこだわる県政を貫いてきました。それだけに、野合勢力の代表のような形で国政を狙ったことで、選挙後には分裂し、県政軽視などと批判が相次いでいます。
 ■「七徳の武」の精神で
 天下布武に立ち返れば、岐阜市の広報ぎふは一昨年の元日号で「武力で天下を平定するといった単純なものではなかったように思われます」と指摘しています。
 例えば、「武」については、中国の古典「春秋左氏伝」の一節を引用し、周の武王が持っていた七徳の武だとの説もあります。
 七徳の武とは、民を安んじる、人心を和ませる、財物を豊かにする-などを言うそうです。
 天下布武の意味をそう考えた方が、地域に根を下ろす政党にふさわしいのではないでしょうか。
 衆院選の失敗を教訓に、地方自治の現場で七徳を実現すべく、地域政党の原点である政策をもっと磨いてほしいと思います。
 効率や収益だけを考えるのであれば、都市を重んじる政治でよいのでしょう。しかし、日本では伝統的に都市と地方が助け合って生きてきました。
 だからこそ、東日本大震災で浮き彫りになった、原発立地の地方集中などのひずみは、都市からもただしていくべきなのです。
 都市と地方が共存共栄していくためにも、中央集権の悪いところは直し、地方から国の形を変えていくという試みは大切です。地方に寄り添った政治を実現するために、変える努力は今年も、もちろん続けるべきです。
 中部地方では昨年、首長主導の地域政党が地方自治の舞台に次々と登場してきました。
 地方自治は政治の中核であり、さらには、最も住民に近いところにあります。それが活気づくのは歓迎すべきことなのです。
 首長主導の地域政党の登場で、首長と議会の深刻な対立や、地域政党の議員の未熟さなどの問題点も浮上しました。
 「自治は民主主義の学校」とも言われます。
 試行錯誤はあっても、いろいろな経験を通じて、地域の政治は確実に良くなっていくと信じたいものです。
 ■政治に責任ある参加を
 そして、忘れてはならないのは地方政治を動かす原動力は住民でしかないということです。
 ベルリンで一九八六年の春、地方自治体についての会議が開かれました。
 その席上、当時のワイツゼッカー西ドイツ大統領は「重要なことは、地方自治体政治においては、他のどのレベルの政治に比べても、市民が政治に責任ある立場で参加できるということであります」と演説しました。
 地域の政党には、何よりもそこに住む民を重んじる「天下布武」に一歩を踏み出してほしい。
 そして、私たち自身が地方の政治に責任ある参加をしていく一年としたいものです。
 元稿:中日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2013年01月03日  01:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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