乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

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{社説②}:南スーダン 新任務の議論は十分か

2016-10-13 02:48:40 | 防衛省・自衛隊、核兵器・武器

{社説②}:南スーダン 新任務の議論は十分か

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説②}:南スーダン 新任務の議論は十分か

 稲田朋美防衛相が、南スーダンの首都ジュバを訪れ、国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の部隊などを視察した。これを踏まえて、政府は、11月中旬以降に派遣する交代部隊に、安全保障関連法にもとづき「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」という新たな任務を付与する方向で検討している。

 だが、現地の治安状況をどこまで把握できているのか疑問が残る。

 ロイター通信によると、視察が行われたのと同じ8日、ジュバ近郊の幹線道路で、市民を乗せたトラックが襲撃され、21人が死亡、約20人がけがをした事件があったという。

 7月には、キール大統領派とマシャール前副大統領派の間で戦闘が起き、約300人が死亡した。

 稲田氏も「各地で偶発的、散発的な衝突が発生している」ことは認めている。それでも「ジュバ市内は比較的落ち着いている印象をこの目で見て感じた」と語った。現地に約7時間滞在しただけで、果たしてそこまで言えるのだろうか。

 国会の議論は、日本のPKO参加の条件である「停戦合意の成立」「受け入れ国などの同意」といった「PKO参加5原則」が崩れていないかどうかに焦点があたっている。

 先日の審議では、7月のジュバでの戦闘について、政府側と民進党議員との間で「戦闘行為」か否かの議論があった。安倍晋三首相や稲田氏は、ジュバで起きたことは「法的な戦闘行為ではなく衝突だ」と語り、現在もPKO5原則は満たされているとの認識を強調した。

 南スーダンで道路補修などを行う自衛隊の活動への期待は高い。一方、日本には憲法9条の縛りがあり、停戦合意の成立などの原則が維持されていなければ、武器を使用した時に武力行使にあたりかねない。

 PKO5原則との関係を議論するのは大切だ。だが、PKOそのものが変質し、かつての停戦監視から、国づくりや住民の保護という、より複雑でリスクの高い活動へ中心が移ってきている。PKO5原則は、時代遅れで現実に合わなくなってきていると指摘する専門家もいる。

 国際的な期待と国内法の制約の間に開きがあるのなら、観念的な議論ではなく、それを埋めるための議論を政府も与野党もすべきだ。

 安保関連法によって、自衛隊の武器使用基準は緩和されたが、何でもできるようになったわけではない。相手に危害を加えていいのは正当防衛などに限られる。

 安保関連法を審議した昨年の国会では、PKOの議論は不十分なまま終わった。今の南スーダンで自衛隊が新任務を果たせるのか、禍根を残さないよう議論を深めてほしい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年10月13日  02:48:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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