乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【緊迫する世界】:★(3)損得で動く米新大統領 日米同盟に懸念 

2016-11-15 15:06:30 | 国際・欧州・中東・アフリカ・北米・南米

【緊迫する世界】:★(3)損得で動く米新大統領 日米同盟に懸念 日本には厳しい4年間に

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【緊迫する世界】:★(3)損得で動く米新大統領 日米同盟に懸念 日本には厳しい4年間に

 ★(3)

 異例ずくめの米大統領選が終わり、まさかの「トランプ大統領」が誕生した。まさに、「トランプ・ショック」の激震が世界中を走った。世界は米国民の選択を驚愕をもって受け入れるしかない。

米国の各メディアもトランプ氏の勝利を衝撃を持って伝えた(AP)

  米国の各メディアもトランプ氏の勝利を衝撃を持って伝えた(AP)

 トランプ氏は、白人労働者層の圧倒的な支持を得て当選した。彼は「一握りのエリート支配を破壊する」代表であり、忘れ去られた「普通の白人」の立場を代弁し、愛国主義に立ったポピュリストである(2016年4月、フォーリン・アフェアーズ)。時計の針は8年前に戻り、白人優位社会が返ってくる。

 選挙結果を見てみると、オハイオ州やフロリダ州などの激戦州でトランプ氏は進撃した。

 中でも、オハイオ州(選挙人18)で勝利したあたりから、潮目が変わった。その後、ペンシルベニア(同20)、ノースカロライナ(同15)と次々とトランプ氏がとり、「フロリダを制するものは選挙を制する」と言われていたフロリダ州(同29)を押さえ、勝利を確実にした。

 CNNの出口調査では、トランプ氏は有権者の70%を占める白人票の58%を獲得した。男性の53%に加え、女性の42%がトランプ氏に投票した。黒人の88%はクリントン氏に投票したが、白人以外の人種(イタリア系含む)のうち、21%がトランプ氏に投票している。

 これに加え、トランプ支持を公言しないが、選挙ではトランプ氏に入れる「隠れ支持票」が選挙を左右したとも言われる。

 トランプ氏が勝利したことで、白人の不満はある程度は消えるかもしれない。しかし、クリントン氏を支持した黒人やヒスパニック系の非白人、イスラム教徒、女性たちの不満は残る。

 さらに、深刻なのは党の分裂だろう。ワシントン・エスタブリッシュメントたちが、どこまで「トランプ大統領」に協力するのか。彼らのトランプ嫌いは激しく、議会は上下両院とも共和党が維持したが、トランプ氏は関係修復ができるかが問われる。修復ができなければ、トランプ氏は内政でも外交でも政策を思うように展開できない。

 トランプ氏は勝利演説で「分断で広がった傷を修復するときだ」「1つに団結した国民として一緒になるときだ」「米国を再び偉大な国にする」と約束した。今後、米国がどうなっていくかは予測がつかない。

 ただ言えるのは、トランプ氏は損得勘定で物事を考え、「アメリカンファースト(米国第一)」で外交政策を展開する。オバマ政権の敷いた路線にはとらわれず、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」、イランとの核合意などが、軒並みひっくり返る可能性がある。

 特に懸念されるのが日米同盟である。トランプ氏は日本にさらなる安全保障のコスト負担を求め、「応じなければ在日米軍の撤収を検討する」とまで言う。日本外交には、シビアにビジネスライクに徹するタフさが必要とされる。その意味では、日本にとって厳しい4年間になりそうだ。

 ■川上高司(かわかみ・たかし) 1955年、熊本県生まれ。拓殖大学海外事情研究所所長。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。著書に『「無極化」時代の日米同盟』(ミネルヴァ書房)、『「新しい戦争」とは何か』(同)など。

 元稿:夕刊フジ 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2016年11月11日  15:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

『北アメリカ』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 【緊迫する世界】:★(2)米... | トップ | 【緊迫する世界】:★(4)安... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国際・欧州・中東・アフリカ・北米・南米」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。