乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【タイ経済】:回復へ正念場 プミポン国王死去で停滞リスク

2016-10-16 01:15:20 | 国際・欧州・中東・アフリカ・北米・南米

【タイ経済】:回復へ正念場 プミポン国王死去で停滞リスク

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【タイ経済】:回復へ正念場 プミポン国王死去で停滞リスク

 【バンコク=京塚環】プミポン国王が13日に死去したタイが長引く経済停滞からの脱却へ正念場を迎えた。国内総生産(GDP)や対内直接投資に回復の兆しがあったところに国王の訃報がもたらされた。一夜明けた14日、銀行や小売店はほぼ平常通り稼働し、世界にのびる日本企業のサプライチェーン(供給網)も途絶えなかったが、経済の下振れリスクが残る。

 14日は民間企業がおおむね通常営業した。タイ証券市場も取引を行い、代表的な株価指数タイ総合指数は前日比4.6%高と堅調。通貨バーツもドルに対して上昇した。

 進出日系企業への影響は限定的だった。トヨタ自動車は3工場を通常稼働した。約200社の1次部品メーカーもほぼ稼働し「輸出にも影響ない」。デンソー・インターナショナル・アジアの末松正夫最高執行責任者(COO)は国の通関が稼働すると知り操業を決めた。「経済に空白期間をつくるまいとする政府の意思を感じた」という。

 キヤノンのタイ法人は「国王に弔意を表すため」として14日、全3工場を休止したが15日以降は稼働予定で、供給に問題はないとしている。バンコク日本人商工会議所の井上毅専務は「ほっとした」と胸をなで下ろした。

 自動車や電機産業などの生産拠点が集まる「アジアの工場」タイへの進出日系企業数は4500社超と東南アジア首位。製品の供給先は世界に広がる。経営者の間では国王の健康問題がリスクとみられてきた。服喪期間に金融市場や工場が止まる可能性があるとして、2011年の大洪水時のようにサプライチェーンが機能不全に陥る事態を憂慮した。

 タイでは14年に軍事クーデターが発生。国内消費や民間投資の減退などで経済成長率は14年の0.8%まで落ち込んだ。政府は開発投資を拡大し16年予想は3~3.5%と回復しつつある。産業界の信頼が戻りつつあるなかで、タイ政府は再び情勢を混乱させることはできない。

 ただ回復途上といってもかつてタイの巡航速度だった5%はなお遠い。先進国になれず経済成長が鈍化する「中進国のわな」への懸念が広がる。

 政府は従来の労働集約型産業から高付加価値産業への転換を急いできた。15年にはロボットや航空など投資を呼び込みたい10分野で最大8年間の法人税免除など手厚い恩典を導入した。

 この結果、外資企業による直接投資は回復の兆しをみせている。急減した投資申請額は今年1~8月、前年同期比3倍まで戻ってきた。実際の投資に結びつけるにはリスクを顕在化させることは許されない。

 国王の死去が発表された13日夜以降、プラユット暫定首相らは国民に対し冷静な対応を呼びかけてきた。タイ中央銀行のウィラタイ総裁は14日、「引き続き市場の動向を注意深く見守る」と述べ、経済の混乱を抑える方針を引き続き説明した。

 それでも経済の先行きには懸念が残る。パナソニックのタイ法人はパーティーなどを当面自粛する。東京海上グループの現地法人は11月1日に予定していたタイ進出55周年記念式典を取りやめた。結婚式の延期など一般国民にも自粛ムードが広がっているもようだ。

 三菱東京UFJ銀行シンガポールの井野鉄兵アナリストは、消費や観光の低迷が景気の押し下げ要因になる可能性を指摘する。影響が大きいようなら「タイ中銀が温存してきた利下げに踏み切る可能性がある」という。

 王位継承に絡む国政の停滞も投資誘致にはマイナスだ。新国王の即位があまりに遅れると新憲法の発布や次期総選挙の日程にも響く。強権的な軍事政権がずるずると長引くようだと、欧米企業などがタイ投資に慎重になる事態もありうる。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 国際 【アジアニュース・タイ】  2016年10月15日  01:17:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。  

『アジア』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 【タイのプミポン国王が死去... | トップ | 【タイ副首相】:総選挙「予... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。