乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【社説①】:デフレ脱却 切り札は賃上げ加速だ

2016-10-10 01:30:15 | 産業・経済・企業・ビジネスニュース

【社説①】:デフレ脱却 切り札は賃上げ加速だ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:デフレ脱却 切り札は賃上げ加速だ

 物価下落が続き、デフレの停滞感がむしろ強まっている。日銀の金融緩和に過度に依存してきたアベノミクスの失敗は明らかだ。必要なのは継続的な賃上げであり、経営側の覚悟が問われている。

 五日に公表された経済財政諮問会議の議事録(九月三十日開催分)によれば、民間議員が提出した「継続的な賃金引き上げによるデフレ脱却」提言に基づき、ようやく賃上げの必要性を確認した。

 だが肝心の具体策となると、途端に歯切れが悪くなる。「生産性の向上が欠かせない」などの抽象論に陥るが、これは賃上げに消極的な経団連会長を諮問会議に入れている弊害ではないか。

 企業は収益が上がっているのに、賃上げに十分回さずため込んでいるのは明らかだ。アベノミクスが始まって以来、三年間で企業の内部留保(利益剰余金)は七十三兆四千億円も増え、合計で約三百八十兆円に達した。そのうち現金・預金は約二百兆円もある。

 これに対し、給料はというと一年目は合計で三・四兆円減少、二年目は四兆円、三年目は二兆円それぞれ増えたが、合計すると三年で二・六兆円しか増えていない。

 榊原定征・経団連会長は諮問会議の席上、内部留保については「現預金の二百兆円は企業の運転資金の約一・六カ月分であり、適正範囲を超えた水準ではない」と理解を求めた。賃上げの流れは維持する考えを示したが「賃金上昇分の四割超が社会保険料の増加分で減殺され、また将来不安や教育費負担などが消費を控えさせている」とデフレ要因を挙げて、あくまでも賃上げに消極的だった。

 要するに従来のやり方ではダメだということだ。では、どうするか。例えば、企業の内部留保に課税する。韓国は二〇一五年から導入、賃上げや設備投資などが一定割合に満たない場合、不足分に10%課税している。法人税と二重課税となり、いわば禁じ手だ。だが経済界は片やアジア諸国並みに低い水準の法人税を求めてきたのだから、韓国のほか台湾も導入している内部留保税の方も受け入れたらどうか。

 前年度の物価上昇率を基に賃金交渉する春闘も改めるべきだ。これではいつまでたっても物価、賃金とも上がりにくいままだ。あるいは民間に準じて決める公務員給与を、民間に先行して引き上げたり、金融政策の目標を物価上昇でなく賃金上昇とするやり方もあろう。

 大事なのは官民で知恵を出し、必ず実行するということだけだ。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年10月07日  01:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

ジャンル:
経済
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