乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

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{社説②}:ノーベル平和賞 コロンビアに和平促す

2016-10-08 03:03:40 | 【ノーベル賞(物理学・科学・生理学・医学

{社説②}:ノーベル平和賞 コロンビアに和平促す

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:{社説②}:ノーベル平和賞 コロンビアに和平促す

 和平への動きを後押ししようとする強いメッセージである。

 半世紀余り続く内戦終結への努力を続けるコロンビアのサントス大統領に、今年のノーベル平和賞が授与されることになった。

 政府と左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」による和平合意が国民投票で否決されたばかりだ。

 しかし、国民投票でも和平の必要性が否定されたわけではない。

 政府とFARCは国民投票の後に「紛争に戻ることはない」という声明を出した。サントス大統領は反対派との協議を始めようとしている。国民からの幅広い支持を得るよう努めながら、速やかにFARCとの再交渉を進めるよう期待したい。

 コロンビア内戦では20万人以上が犠牲となり、約700万人が避難民となった。FARCは身代金目的の誘拐や麻薬密売を繰り返してきた。2001年には日本との合弁企業の邦人幹部も誘拐され、その後、遺体で発見されている。

 サントス氏は、ウリベ前政権下で国防相としてFARC掃討作戦を指揮した。10年の大統領就任後は掃討作戦を続けるとともに、12年からキューバやノルウェーの仲介の下での和平交渉を進めた。

 4年間にわたる交渉の末、FARCに武装解除の見返りとして政治参加を認め、犯罪行為を認めた兵士の刑を軽減する合意が成立した。

 しかし、合意反対派は「ゲリラに甘すぎる」と反発した。FARCの最高司令官は先月末の和平合意署名式で国民に謝罪したが、結果的にそれは受け入れられなかった。

 FARCは既に弱体化している。最盛期に2万人を超え、国土の3分の1を支配していたが、現在の勢力は7000人弱にまで減った。組織内には厭戦(えんせん)気分が広がっているという。FARCの側にも、国民の怒りを真剣に受け止めて再交渉に臨むよう求めたい。

 未完の和平への平和賞授与には異論が出るかもしれない。

 朝鮮半島での和解を目指した00年の金大中韓国大統領(当時)や「核なき世界」を提唱した09年のオバマ米大統領への授与も政治的だと議論を呼んだ。

 それでも、理想の実現を後押ししようとするのが近年の平和賞に見られる傾向である。

 ノーベル賞委員会は「(国民投票の結果が)和平交渉の終わりを意味するわけではない」と指摘するとともに、「内戦が再び燃えあがる現実的な危険がある」と訴えた。危機に陥っている和平プロセスをなんとか救いたいという思いがうかがえる。

 コロンビアの人々すべてが平和賞の喜びを分かち合える日が早く来てほしい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年10月08日  03:03:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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