乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【大機小機】:天をも畏れぬ黒田日銀

2016-10-13 03:30:00 | 金融・財政ニュース

【大機小機】:天をも畏れぬ黒田日銀

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【大機小機】:天をも畏れぬ黒田日銀

 異次元緩和路線を突き進む日本銀行総裁の黒田東彦氏は革命家のようにも見える。革命家の最大の特徴は、従来の延長線上の発想ではなしえないことをやり遂げる点にある。

 日銀は「長短金利操作付き量的・質的緩和」を打ち出した。核心は長期金利の誘導という野心的挑戦だ。巨額の国債購入などの経験で可能になったという。

 長期金利とはどんなものか。日銀がホームページに長年載せてきた解説が今もある。概略はこうだ。「長期金利は資金の需給だけでなく、将来のインフレ予想や経済の不確実性等に左右される。短期金利のように誘導することは容易でない。むしろ市場に任せて、情報を読み取れるようにすることがとても重要である」

 長期金利の操作は確かに難しい。自由化が進んだ先進国での例はほとんどない。第2次大戦前後に米連邦準備理事会(FRB)が財務省の圧力で低金利維持を強いられたことがあるぐらいだ。2000年代初頭、グリーンスパンFRB議長が、短期金利を再三引き上げても長期金利が動かず「コナンドラム(謎)」と首を傾けたしろものである。

 日銀は百八十度方針転換し期間10年の長期金利を当面ゼロに誘導する。長期金利もマイナスに沈み長短の利ザヤが消え金融機関が稼げなくなったからだ。ではゼロが適正という根拠は何か。はっきりしない。銀行収益も考慮した「総合判断」といったところだろう。

 かつてプロ野球界で、ある名物審判が、「判定の根拠は?」と問われて、「俺がルールブックだ」と叫んだ話を思い出す。

 物価や内外の景気観が大きく変わったり、財政当局から圧力がかかったりした時にどう立ち向かうのか。巨額の国債購入、株式市場への介入。もはや日銀は審判であり巨大なプレーヤーでもある。市場のゆがみは広がり、シグナルは曇っている。管理は管理を呼ぶ。

 異次元緩和に影響を及ぼしてきたミルトン・フリードマンは実は中央銀行の過剰な操作をしばしば警告している。「必要なのは金融当局が熟練ドライバーよろしく巧みなハンドルさばきで予想外の事態を乗り切ることではない」と。

 強気の姿勢を崩さず市場管理に突き進むように見える黒田日銀。天をも畏れぬ、と言うのは言い過ぎだろうか。(横ヤリ)

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 特集 オピニオン 【大機小機】  2016年10月12日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

ジャンル:
経済
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