乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

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【社説②】:シリア停戦破綻 泥沼にはまるロシア

2016-10-10 01:30:10 | 【外交・ロシア・天然資源・北方領土問題】

【社説②】:シリア停戦破綻 泥沼にはまるロシア

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:シリア停戦破綻 泥沼にはまるロシア

 流血を止めることが何より先決だ。停戦合意が破綻したシリア内戦。子どもたちまで犠牲になる惨状を見過ごすわけにはいかない。五年を超す内戦終結へ、主要当事国の米国とロシアの責任は重い。

 十万人ともいう子どもを含む約二十七万五千人の民間人が残る北部の都市アレッポには、シリア政府軍の攻撃が続き、病院も空爆に見舞われた。医薬品や食料が不足し、状況は破局的という。

 民間人の犠牲もいとわぬアサド政権とそれを後押しするロシアに対し、米国は三日、「忍耐が尽きた」(アーネスト大統領報道官)として停戦協議を中断。停戦合意は再び崩壊した。

 オバマ政権の「レームダック(死に体)」化を突き、米国の新政権が発足する前に軍事的、政治的な優位を確保しておこうという思惑が、プーチン・ロシア政権にはちらつく。最近、高性能の地対空ミサイルシステム「S300」もシリアに配備した。

 だが、深まる軍事介入にはロシアの外交専門家からも懸念が出始めた。

 アサド政権はイスラム教シーア派の一派であるアラウィ派が支配する。スンニ派主体のシリアにあってはごく少数派だ。一時は命脈尽きたかに見えたアサド政権は、ロシアやイランの後ろ盾を得て息を吹き返した。

 アサド政権がこのまま支配地域を奪還しても、政府軍だけで維持するのは無理だ。ロシア軍は展開範囲を広げる必要に迫られる。一年前にロシアが軍事介入を始めた際、オバマ米大統領は「ロシアは泥沼にはまる」と警告したが、それが現実味を帯びてきた。

 ロシアの軍事行動には国際的な批判が強まっている。欧州ではウクライナ危機をめぐり、対ロ制裁緩和の動きも出ていたが、このままではその機運もしぼむだろう。

 ロシアが有利な形で内戦を終結させるにしても、米国との協議がいずれ必要だ。ロシアは即座に軍事行動を止めて米国との対話を再開すべきだ。人道危機を収束させ、欧州の難民危機も解消するために両国は協力してほしい。

 それに、停戦協議はトルコやサウジアラビアなど周辺国の関与を拡大させる方が実効性が上がるのではないか。

 一方、米メディアによると、手詰まりのオバマ政権では、シリア政府軍への攻撃も検討されているという。だが、これはロシアとの軍事衝突を引き起こしかねない。自重を求めたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年10月07日  01:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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