乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【社説】:②国立劇場50年 伝統芸能の裾野を広げたい

2016-11-07 06:05:50 | 学術・文学・アート・美術・古典

【社説】:②国立劇場50年 伝統芸能の裾野を広げたい

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:②国立劇場50年 伝統芸能の裾野を広げたい

 日本の伝統芸能の拠点である国立劇場が開場から50年を迎えた。

 劇場の活動は、普及のための鑑賞教室や調査研究、人材養成など多岐にわたる。伝統文化の保存と振興に果たしてきた役割は重要だ。

 時代の変化にも柔軟に対応しながら事業内容を充実させ、伝統芸の灯を守り育ててもらいたい。

 国立劇場の設立構想は、明治初期、欧州の宮廷劇場をモデルに浮上した。計画は戦後にようやく具体化し、1966年11月、東京・半蔵門に本館がオープンした。

 80年代に国立能楽堂(渋谷区)と国立文楽劇場(大阪市)が開場し、2004年には国立劇場おきなわ(沖縄県)が加わった。

 国立劇場が企画する歌舞伎公演は、最初から最後までの通し上演や、他の劇場では見られない古い作品の復活上演が特色だ。

 新たな演出にも挑戦し、68年に3代目市川猿之助(現・猿翁)が「義経千本桜」で見せた破天荒な「宙乗り」は、後のスーパー歌舞伎への道を開いたとされる。

 気がかりなのは、近年の演目に歌舞伎座など他の劇場との際立った差異が見られないことである。原点に立ち戻った、魅力ある企画の掘り起こしが望まれる。

 歌舞伎や文楽といった国立劇場などで行われる鑑賞教室の参加者は、50年間で715万人に上る。地方開催を増やし、ファンの裾野を広げていくべきだろう。

 20年東京五輪・パラリンピックを控え、外国人観光客が急増している。昨年からは英語、韓国語、中国語による鑑賞教室を始めた。こうした企画だけでなく、通常公演でも、英語に加え、様々な言語のサービスが求められよう。

 将来の伝統芸を担う継承者を養成してきた意義も大きい。新人研修生を経験の有無にかかわらず募集し、第一線で活躍する役者らが指導を行ってきた。

 歌舞伎俳優の31%、歌舞伎演奏者「竹本」の89%、文楽技芸員の51%がこの研修の修了者だ。伝統芸の根幹を支える事業として着実に進めていく必要があろう。

 国立劇場の運営は現在、独立行政法人の日本芸術文化振興会が担っている。政府は一昨年、経営努力によって生じた利益について、独法の裁量で活用できる余地を広げた。現場の自主性を重視した妥当な措置と言える。

 国立劇場本館は東京五輪の後、老朽化に伴い、大幅に改修される。伝統文化を世界に発信する場として、ハードとソフトの両面で工夫を凝らしたい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年11月07日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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