乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

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【社説】:②精神医大量処分 倫理観の欠如が嘆かわしい

2016-10-31 06:15:40 | 医療・病気・健康・医薬品

【社説】:②精神医大量処分 倫理観の欠如が嘆かわしい

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:②精神医大量処分 倫理観の欠如が嘆かわしい

 精神医療への信頼を失墜させる事態だ。

 厚生労働省が、計89人の精神科医について、精神保健指定医の資格取り消し処分を決めた。

 不正取得が認定された49人と指導医40人だ。4人の新規資格申請も、不正を理由に却下した。前例のない大量処分だ。

 約1万5000人の指定医は、精神保健福祉法に基づき、自傷他害の恐れがある精神障害者の措置入院など、人権を制限する高度な判断に携わる。診療報酬も加算される。専門性と共に、高い倫理観を備えていなければならない。

 だが、実態はかけ離れている。昨年、川崎市の聖マリアンナ医大病院で組織的な不正取得が発覚し、これを受けた調査で同様の事例が次々と浮かび上がった。処分対象者は全国に広がっている。不正の蔓延(まんえん)が裏付けられた形だ。 地域の精神医療への影響は小さくないだろう。

 横行していたのは、症例リポートの使い回しだ。資格申請には、3年以上の実務経験などに加え、自身が診察した8種類以上の症例リポートの提出が必要になる。

 厚労省は、2009~15年に提出されたリポート約3万件をデータベース化してカルテと突き合わせた。その結果、実際は診察していないのに、同僚の医師のリポートを一部書き換えて提出した事例などを割り出したという。

 指導医はリポートを十分に点検しないまま、確認の署名をしていた。責任感の欠如にあきれるほかない。不正を見逃し続けてきた厚労省も責任を免れない。

 指定医制度の見直しは避けられまい。審査に面接を導入して診察状況を詳細に聴取するなど、選考方法をより厳格化すべきだ。

 不正に関与した医師による措置入院の判断の是非などについても、検証が必要である。

 不正取得が発覚した北里大東病院の医師は、7月に神奈川県相模原市で起きた知的障害者殺傷事件の前、容疑者の措置入院に関わる判断に加わった。資格を返上し、処分対象からは外れていた。

 事件に関する厚労省の有識者検討会は9月、判断に問題はなかったとの見解を示した。

 一方で、入院中の容疑者に対する治療方法など、病院の対応に不十分な点があった、とも指摘している。この病院では今回、5人が取り消し処分を受けた。病院全体への疑念はつきまとう。

 身体の拘束をも可能にする強い権限を指定医は有する。責任を自覚し、襟を正さねばならない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年10月31日  06:13:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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