乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

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【社説②】:トヨタとスズキ 問われる提携スピード

2016-10-17 01:30:40 | 産業・経済・企業・ビジネスニュース

【社説②】:トヨタとスズキ 問われる提携スピード

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:トヨタとスズキ 問われる提携スピード

 トヨタ自動車とスズキが手を組もうと踏み出した。提携を検討する情報、安全、環境分野は、いずれもクルマの先端技術で、IT業界も加わる開発競争のスピード感が両社の背中を押した。

 提携協議入りの共同会見で、トヨタの豊田章男社長とスズキの鈴木修会長は口をそろえた。「ITを中心に技術競争がこれまでにないスピードで変化している」。自動運転や「通信でつながる車」への対応は、欧米の自動車大手だけでなく、米IT大手のグーグルやアップルがライバルだからだ。業界の垣根を越えて買収、協力する動きも活発になっている。

 年間販売台数で世界トップのトヨタは、ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)に代表される環境技術を得意とする。自前の開発にこだわって手中に収めた技術は、求められれば他メーカーにも提供してきた。基幹部品などの量産コストを下げる効果が見込め、国内では乗用車市場の約三割をHVが占めるようになった。しかし、海外では、欧米勢が力を入れていないこともあり、HVはさほど普及していない。

 国内では軽自動車人気を高め、インドで長く首位を保つスズキは、低コスト車の開発に定評があるが、先端技術に巨額を投じられる経営体力はない。一度は独フォルクスワーゲン(VW)と組んだが、関係がこじれ、昨年、資本関係を解消した。それでも開発競争の激変に対応するには、後ろ盾となるパートナーが必要で、創業のルーツが同じ静岡県の遠州地方というトヨタに歩み寄った。

 トヨタとスズキが手を組むに当たり、他社の参加を公然と呼びかけたことは興味深い。例えば、車と車が通信して衝突を避ける安全システムは実用化されているが、同じ通信規格の車がたくさん走っていないと、十分に機能を生かすことができない。ITにしろ、環境技術にしろ、仲間を増やして世界の標準を目指す意思を示したのは、危機感の表れでもある。

 新型車の開発には五年、十年単位の時間がかかる。一方のIT業界は、スマートフォンの新製品が続々と投入されるように、開発テンポも意思決定も格段に早い。情報を武器に車づくりの主導権を握れば、自動車メーカーが単なる組立屋となりかねない。

 今後、トヨタとスズキは協力内容を詰めていくが、交渉のスピード感が問われよう。その成否が裾野の広いわが国の自動車産業の行方をも左右する。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2016年10月17日  01:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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