乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【社説①】:東京23区限定の私大定員抑制は合理的か

2017-10-08 03:30:55 | 大学・大学院・就活・設置許認可

【社説①】:東京23区限定の私大定員抑制は合理的か

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:東京23区限定の私大定員抑制は合理的か

 東京23区の私立大・短大の定員増を原則認めない新たな基準を、文部科学省が告示した。

 若者の東京一極集中に歯止めをかけ、地方創生につなげることが目的という。だが、都心の大学に限って一律に規制する政策が、果たして合理的なのか。十分な検証が必要だ。

 政府は23区内での2018年度の定員増と19年度の大学設置を認めず、それ以降も新規立法などで規制を続ける方針だ。学生の流出による地方大の経営悪化や、地域の衰退を懸念する全国知事会などの要望をくんだ措置だ。

 だが、地方から東京圏への若者の移動は、大学入学時より卒業後の就職時のほうが多い。地方の大学が、地域の産業振興や雇用増に貢献できるよう教育・研究力を磨く改革を優先するのが本筋だ。

 地方の小規模私大の多くが定員割れし、学生の選抜機能を失っている。教育の質の低下や経営破綻が懸念される状況だ。しかし、都心の大学の定員を抑制して窮状を救うような発想は好ましくない。

 大学の定員管理は、日本全体を見渡し、国際競争力を高める方向で実施すべきだ。

 18歳人口は現在の120万人から40年に88万人に減少する。今の大学進学率、入学定員が維持された場合、20年後には十数万人規模の供給過剰になる。定員を適正化し、限られた予算を教育・研究の質を高めるために重点的に投資する改革に異論はない。

 その際に、大学に対する外部評価機能を高め、社会貢献度などに応じ、定員や予算を配分する仕組み作りが必要だ。

 20年後には日本の労働人口の半分近くが人工知能(AI)やロボットなどで代替可能という民間調査がある。就労構造の変化に伴い、学部、学科の新増設の機運は今後、高まることが予想される。

 有力私大が集まる23区に限定した規制は、かえって自助努力や国際競争力を弱める懸念がある。

 文科省の告示案に対する意見公募では、「23区の大学規制が地方振興につながる合理的な根拠はない」「若者の選択肢を狭めてしまう」などの批判が多く寄せられたという。

 地方創生は必要だ。が、大学の質を高める改革に水を差してはいけない。政府は、地域振興と大学の競争力強化に矛盾が生じないよういま一度論点を整理し、政策を練り直してほしい。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月08日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:グーグルが変えるものづくり

2017-10-08 03:30:50 | 産業・経済・企業・ビジネスニュース

【社説②】:グーグルが変えるものづくり

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:グーグルが変えるものづくり

 米グーグルが台湾のスマートフォン大手、宏達国際電子(HTC)から事業の一部を11億ドル(約1200億円)で買収することを決めた。IT(情報技術)機器の開発や生産に携わる約2千人の技術者をHTCから受け入れる。

 背景にはITの応用分野が家電や住宅設備、自動車などに広がり、スマートフォンで培った技術を幅広い領域で活用できるようになった事情がある。経営にスピード感があるIT企業が事業の範囲を拡大しており、日本の製造業も対応を急ぐべきだ。

 グーグルは社内に機器の開発部門を設け、人工知能(AI)を利用したスピーカーや、自動翻訳機として使えるイヤホンなどを製品化した。グループ企業は家電や住宅設備をネットを通じて制御する「スマートホーム」の機器や、自動運転車の開発も進めている。

 IT企業は意思決定や開発が迅速で、日本でも対話アプリのLINEがAIスピーカーを1年足らずで製品化している。日本の製造業もこうした流れを踏まえ、開発や生産のスピードを上げる必要がある。

 まず大切なのは顧客が求めている機能や品質をよく見きわめることだ。日本企業は過剰品質に陥りやすく、製品の発売が遅くなりがちだ。

 次に、社外の技術を活用することだ。すべてを社内で一から開発しようとすると、時間がかかる。すでに他社が開発しているものは柔軟に取り入れ、魅力的な製品を短期間でつくることが求められている。

 デジタル技術の活用も欠かせない。コンピューターによるシミュレーションや3Dプリンターを使った試作をさらに増やし、デジタル技術の利用で先行する競合企業との差を縮めなくてはならない。

 こうした取り組みの一部はすでに始まっているが、まだ不十分だ。自動車や工作機械といった競争力を保っている分野で日本企業が勝ち抜くためにも、開発や生産を速める体制を整えるべきだ。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月08日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【春秋】:おとといの金曜日、外資系金融機関や大手メーカーなど・・・

2017-10-08 03:30:45 | 産業・経済・企業・ビジネスニュース

【春秋】:おとといの金曜日、外資系金融機関や大手メーカーなど50社以上から人事部門の社員が集まり、ある「部活動」が発足した。

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【春秋】:おとといの金曜日、外資系金融機関や大手メーカーなど50社以上から人事部門の社員が集まり、ある「部活動」が発足した。

 その名称は「がんアライ部」。がんを抱えつつ働く社員をサポートし、いきいきと力を発揮してもらうための勉強やノウハウ交換の場だという。

 ▼抗がん剤の副作用のひとつに指先のしびれがある。会では専門家の指導で全員が手袋を二重にはめ、名刺交換やネクタイ装着がいかに大変になるか疑似体験した。「この状態が続くと心もつらくなる」など率直な感想が参加者からもれる。支援体制で先行する企業の役員は自社の例を惜しみなく開示し、皆がメモを取った。

 ▼日本では年間100万人が新たにがんと診断される。3割は就業可能年齢での罹患(りかん)だ。医療技術の進歩などで生存期間がのびる一方、勤務先にサポート体制がない、あっても利用できる雰囲気に乏しいといった理由から仕事を辞める人も多い。「社会が変わるには企業が変わらなければ」。会の発起人である経営者は説く。

 ▼政府の「働き方改革実現会議」が今年春にまとめた実行計画は、実現すべき項目として「病気の治療と仕事の両立」を掲げた。具体策の冒頭に挙げているのは、やはりがんの例だ。働く人の能力を引き出し、生かすのは企業の責務だが、政治の役割も大きいはず。選挙戦では、働き方の今後についても大いに論じてほしい。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【春秋】  2017年10月08日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説①】:増税凍結と原発ゼロだけでは無責任だ

2017-10-08 03:30:40 | 選挙(衆院・参院・地方首長・議会)

【社説①】:増税凍結と原発ゼロだけでは無責任だ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:増税凍結と原発ゼロだけでは無責任だ

 希望の党が衆院選の公約を発表した。消費増税の凍結と原発ゼロを看板政策に掲げたが、新たな財源や代替電力をどうするかは詳しく説明していない。政権交代を目指す以上は、政策実現に向けた具体的な道筋や経済への影響をどう抑えていくのかも有権者にきちんと示す責任がある。

 党代表の小池百合子東京都知事は6日に記者会見し「タブーに挑戦する気持ちで思い切った案を公約に盛り込んだ」と強調した。

 公約は2019年10月に予定する消費増税について「一般国民に好景気の実感はない。消費税10%への増税は、一度立ち止まって考えるべきだ」と指摘した。

 増税の前提として議員定数や報酬の削減、公共事業の見直しに言及。「300兆円もの大企業の内部留保への課税なども検討し、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の改善を図る」とした。

 国会や行政の「身を切る改革」は不断に取り組むべき課題だが、一般会計予算の3分の1を占める社会保障費の安定財源にはなり得ない。内部留保課税は企業が法人税を払って蓄積した資本への二重課税になり、経営の自主性や国際競争力を損なう恐れがある。

 エネルギー政策は「30年までに原発ゼロを目指す」と明記し、発電に占める再生可能エネルギーの比率を30%まで向上させて省エネを徹底するとした。風力や太陽光は天候に左右される。コスト増による産業や家計への影響をどう抑え、地球温暖化対策といかに両立していくかも難しい課題だ。

 公約は冒頭で「既得権益、しがらみ、不透明な利権を排除し、国民ファーストな政治を実現する」との理念を掲げた。「アベノミクスは、民間活力を引き出す規制改革が不十分だった」といった指摘はその通りである。憲法改正や安全保障政策を積極的に議論していく姿勢にも期待したい。

 新党だからこそ打ち出せる清新な政策への期待度は高い。しかし現状への厳しい批判が説得力を持つのは、建設的で実現性のある対案があってのことだ。

 増税先送りや福祉の充実ばかりを訴えるのなら、欧米に目立つポピュリズム政党の後を追うことになりかねない。希望の党は選挙戦での政策論争を通じて、そうではないと証明してほしい。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月07日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説②】:過重労働の是正促す電通裁判

2017-10-08 03:30:35 | 就職・非正規雇用・失業・雇用問題

【社説②】:過重労働の是正促す電通裁判

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:過重労働の是正促す電通裁判

 社員に違法な残業をさせたとして、法人としての電通が罪に問われた裁判で、東京簡裁は求刑通り同社に罰金50万円を言い渡した。

 違法な長時間労働を放置してきた会社の責任の重さは、罰金の額の比ではあるまい。電通は社会的信用も大きく損なわれた。過重労働の是正は企業の責務であることを、広く経営者は自覚すべきだ。

 電通の事件では2015年12月に過労自殺した女性新入社員らへの労務管理が労働基準法違反罪に問われた。判決は社内で違法残業が広がっていた実態を認めた。

 違法残業は書面審理の略式裁判になるのが一般的だが、今回は裁判所の判断で、公開の法廷で審理する正式裁判になった。司法の場でも過重労働がこれまで以上に問題視され始めた表れといえる。

 電通では法定労働時間を超えて社員に働いてもらうために会社と労働組合で結ぶ協定が、無効の時期があったことも明らかになっている。労組の加入者が従業員の過半に達せず、協定成立の条件を満たしていなかったためだ。

 長時間労働は当たり前という考え方が、ずさんな労務管理につながっていたのだろう。同社では1991年にも入社2年目の男性社員が過労で自殺している。社風などの問題は根深いと言わざるを得ない。改革には経営トップによほどの覚悟が求められる。

 17年版の過労死白書によれば、雇用されて働く人の7.7%が週あたり20時間以上の残業をしている。月あたり80時間を超える残業は過労死の労災認定の目安になり、命にかかわりかねない過重労働の人が一定程度いるのが実態だ。NHKで女性記者が過労死していたことも明らかになった。

 どの企業・団体も長時間労働の是正に本気で取り組むときだ。不要な仕事がないか業務の見直しや、IT(情報技術)活用による効率化を大胆に進める必要がある。日本の正社員は職務が曖昧で、これが長時間労働につながっているとの指摘もある。職務の明確化を含め、やるべきことは多い。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月07日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【春秋】:明治になって西洋からどっと入ってきた新しい言葉を、

2017-10-08 03:30:30 | 裁判(最高裁・高裁・地裁・簡易裁)

【春秋】:明治になって西洋からどっと入ってきた新しい言葉を、先人たちは巧みに翻訳してわが物にした。

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【春秋】:明治になって西洋からどっと入ってきた新しい言葉を、先人たちは巧みに翻訳してわが物にした。

 いまでは何気なく使っている「自然」も「存在」も「哲学」も、みんな19世紀の後半に生まれた新語だ。「社会」と、それをひっくり返した「会社」も当時の発明である。

 ▼societyを「社会」、companyを「会社」とそれぞれ訳したわけだが、当初は区別が曖昧だったらしい。たしかに社会も会社も人々の集団を指すから翻訳が似通ったのも無理はない。さて時は流れ、とにかく会社、会社の人生を送るのが日本人である。日本社会は会社主義。2つの言葉はいよいよ分かち難い。

 ▼新入社員を過労自殺に追いやった電通の違法残業事件で、東京簡裁が同社に罰金50万円の判決を言い渡した。少額の支払い命令で事件そのものは幕となるが、かくも日本の会社の無理無体ぶりをあらわにした問題はない。異常な長時間労働、パワハラを生む風土、そして隠蔽に走る組織……。われらが社会の宿痾(しゅくあ)でもある。

 ▼事件は政府や企業に働き方改革を促し、さまざまな取り組みが進む。しかし制度を変えるだけでは心もとない。ほんとうの変化をもたらすためには社会と会社ともどもの意識改革が不可欠だろう。「個人」「自由」「権利」……。こういう言葉もかつて、明治人が苦心してつくった。遅ればせでも、魂をこめねばなるまい。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【春秋】  2017年10月07日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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