乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【立憲民進党】:民進出戻り組も続々 「枝野新党」にリベラル票が大量流入

2017-10-04 07:16:00 | 政党・地域政党・政治団体他

【立憲民進党】:民進出戻り組も続々 「枝野新党」にリベラル票が大量流入

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【立憲民進党】:民進出戻り組も続々 「枝野新党」にリベラル票が大量流入

 果たして「台風の目」となり得るのか。民進党の枝野幸男代表代行が2日、都内のホテルで記者会見し、新党「立憲民主党」の立ち上げを表明した。小池百合子都知事率いる「希望の党」に合流しない民進党リベラル系の前衆院議員らに結集を呼びかけ、3日に総務相に新党の届け出を行った。

新党立ち上げの抱負を語った枝野幸男氏(左)/(C)日刊ゲンダイ

    新党立ち上げの抱負を語った枝野幸男氏(左)/(C)日刊ゲンダイ

 「日本国民の生活の安心・立憲主義・民主主義、自由な社会をしっかり守っていく」「おかしな政治運営と国民生活にマイナスな政策については、より厳しく指摘していく」

 新党立ち上げの抱負を熱く語った枝野氏。正面に立ち並んだテレビカメラをまっすぐ見据えた姿は、全国の民進党支援者に訴えかけているかのようだった。

 会見で、記者から希望移籍を決めた民進前職であっても、新党に受け入れるのか――などと問われた枝野氏は「どなたであれ排除することなく(受け入れて)一緒に戦いたい」とキッパリ。「草の根の民主主義でなければならない」とも言い、リベラルを片っ端から排除し、トップダウンで物事を進める希望の小池代表との政治姿勢の違いを強調した。

 ■形勢が逆転する可能性も

 最大の注目は今後の展開だ。枝野氏は「(今の時点で)構成員はひとり」と苦笑いしていたが、安倍自民を倒す大きな原動力に発展していく可能性は十分ある。「(趣旨に)賛同していただいた」という連合組織のバックアップに加え、前門の虎(安倍首相)と後門の狼(小池代表)に挟まれて行き場を失っていた大量のリベラル票がどっと枝野新党に流れ込む――と考えられるからだ。枝野氏は野党共闘については明言を避けたが、ハラの中では当然、考えているのは言うまでもない。

 「希望が1次公認の発表を2日から3日に遅らせたのは、枝野新党誕生で民進の前職や新人の動きが見えなくなったからです。希望は結党当初こそ、旋風を巻き起こすとみられていたが、公認候補擁立をめぐるえげつない舞台裏が明らかになるにつれて、国民の期待は急激にしぼんでいる。民進の前職だって、仮に当選しても、すべての行動を党に制限されかねない希望よりも、自由闊達な議論ができる枝野新党の方が断然いいに決まっている。今後、オレもオレも――と民進党の出戻り組の参加が増えるのではないか」(野党担当記者)

 神戸学院大の上脇博之教授(憲法)がこう言う。

 「(国政政党の)結党について任せていた若狭さんに何一つ相談することなく、黙って『リセット』を言い出したり、公認をめぐって『排除』を口にしたり。世間はだんだんと小池さんの本性が見えてきている。希望は『小池人気』頼みの党ですから、そこが崩れれば支持率が下がるのは早い。枝野新党が形勢逆転する可能性はあると思います」

 今度こそ、安倍政治を倒す新党の誕生だ。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2017年10月04日  07:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説①】:<衆院選>自民党の公約 改憲は最優先ではない

2017-10-04 06:10:55 | 選挙(衆院・参院・地方首長・議会)

【社説①】:<衆院選>自民党の公約 改憲は最優先ではない

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:<衆院選>自民党の公約 改憲は最優先ではない

 自民党が初めて衆院選公約の重点項目に「憲法改正」を掲げた。自衛隊の明記など四項目を挙げるが、必ずしも改正を必要としないものも含まれる。選挙結果にかかわらず、慎重な議論が必要だ。

 自民党公約は北朝鮮対応、アベノミクス加速、改憲など六つの重点項目と、国政全般にわたる公約を列挙した「政策バンク」からなる。重点項目に改憲を掲げたのは、政権復帰後の国政選挙では初めてだ。公約はこう記す。

 「自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消など四項目を中心に党内外の十分な議論を踏まえ、初めての憲法改正を目指します」

 九条一、二項を残しての自衛隊明記と、教育無償化を具体的な改憲項目に挙げた安倍晋三首相の意向を反映したものだろう。

 政権復帰後の自民党は選挙公約の第一に経済再生を掲げ、党是としてきた改憲は、政策バンクの最後で簡単に触れるだけだった。

 改憲を重要項目に「格上げ」したのは「二〇二〇年を、新しい憲法が施行される年にしたい」との首相の意向を踏まえ、改憲発議に動きだすとの宣言なのだろう。

 とはいえ、共同通信社の最新の全国電話世論調査によると、安倍首相の下での改憲に賛成は34%にとどまり、反対は53%に上る。

 改憲公約の四項目も、なぜ今、改正が必要なのか、説得力ある説明は政権側から聞こえてこない。

 たとえば自衛隊の明記。歴代内閣は自衛隊を合憲と認めてきた。連立政権を組む公明党の山口那津男代表は、九条改正や二〇年の改正憲法施行について「容易に見通せる状況ではない」と否定的だ。

 教育の無償化は改憲によらず対応可能との指摘があり、参院の合区解消には都道府県間の「一票の不平等」を憲法で容認していいのかという、根本的な問題がある。

 「国難」とまで呼ぶ北朝鮮の脅威にもかかわらず、首相が衆院解散に踏み切ったことを考えると、現行憲法でも十分、緊急事態下の政治空白にも対応できるのではないか、との疑問が残る。

 「改憲政党」を掲げる自民党と希望の党への支持率が高い状況ではあるが、たとえ衆院選に勝ったとしても、改憲発議を白紙委任されたと受け取るのは早計だろう。

 国民の権利や基本的人権、平和的存在にかかわる憲法だ。たとえ改正が必要だとしても、その議論には慎重を期し、大方の国民が得心する内容でなければならない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月04日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:重力波が受賞 ビッグサイエンス時代

2017-10-04 06:10:50 | 【ノーベル賞(物理学・科学・生理学・医学

【社説②】:重力波が受賞 ビッグサイエンス時代

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:重力波が受賞 ビッグサイエンス時代

 重力波を発見した米国の研究者らに、今年のノーベル物理学賞が贈られる。重力波は長年、物理学者が探し求めていた。宇宙の始まりから現在までの進化を知る手掛かりになると期待されている。

 アインシュタインの予言からちょうど百年後にあたる昨年二月、米国を中心とするチーム「LIGO(ライゴ)」が重力波望遠鏡二台を使って初めて重力波の検出に成功した。記者発表の席で、責任者は「We did it!(やった!)」と言った。We(私たちは)という言葉に研究の特徴が表れている。

 受賞者三人は研究チームを率いたが、成果を支えた人は多い。日本人研究者も理論面で貢献した。先月下旬には、イタリアにある欧州重力観測所の観測装置が米国と同時に四例目の重力波を捉えたと発表した。大きな科学的な課題を世界が力を合わせて解決した。

 日本でも岐阜県飛騨市の鉱山跡で観測装置「かぐら」の建設が進んでいる。一番乗りは果たせなかったが、観測装置が増えれば、さらに多くのことが明らかになるだろう。

 物理学に限らないが、最近、巨額の研究費と多くの研究者を必要とするビッグサイエンス(巨大科学)が増えている。LIGOは長さ四キロのパイプを二本、L字形に組み合わせたような装置だ。広大な敷地に最先端の機器を集め、多くの研究者がそれぞれの担当分野に分かれて全力を尽くす。薄暗い研究室に閉じこもる孤独な天才は、遠い過去の科学者像だ。

 巨大な研究施設を一国が建設、維持するのは困難になっている。このため国際協力が増えている。わが国も参加するだけでなく、誘致にも努めたい。

 たとえば、岩手県が国際リニアコライダー(ILC)の誘致を進めている。素粒子を光速近くまで加速して衝突させる実験装置だ。宇宙の始まりであるビッグバンを再現できるという。東日本大震災の被災地にできれば、復興に役立つ。青少年に科学への興味を持ってもらえる。

 一方、今回の発表は、ノーベル賞のルールが時代に合わなくなってきたことも感じさせる。医学、物理学、化学の三賞の受賞者は最大三人までと決まっている。ビッグサイエンスでは、プロジェクトリーダーしか選べない。理論物理学の成果は実験や観測で確かめられるまでは受賞するのは難しい。存命者に限られるので、むろんアインシュタインの名はない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月04日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:その窓からはいったいどんな景色が見えたのだろう。

2017-10-04 06:10:45 | 事件・犯罪・疑惑

【筆洗】:その窓からはいったいどんな景色が見えたのだろう。

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【筆洗】:その窓からはいったいどんな景色が見えたのだろう。

 米国ネバダ州ラスベガスのホテル「マンダレイベイ・リゾート・アンド・カジノ」の三十二階。容疑者は、三百メートル先の野外コンサート会場に向かって、この部屋から銃を乱射した▼特定の「誰か」を狙ったわけではないだろう。「誰でもかまわぬ」あるいは「みんなまとめて」の冷酷な「スプレーショット(発射)」。さむけがする▼朝起きて働き、あるいは学び、家族や友と語り合う。容疑者の目にはそういう人間一人一人の営みも生命の尊さも見えていない。想像さえしていないだろう。見えていたのはコンサート会場の「誰でもかまわぬ」、約二万人の塊であろう▼栄華、欲望。米国の一つの断面を象徴するギャンブルの町での事件はどこか暗示的である。今、三十二階の部屋の窓から事件現場を見下ろしてみればいい。見えるのは、血なまぐさき荒涼であろう。その光景は「銃を規制しない」という愚かな「大博打(ばくち)」を続けた結果である。それに大勢の人びとが巻き込まれた▼米国史上最悪の犠牲者数という。そのギャンブルを続ける限り、最悪の記録はすぐに更新されるだろう。かの国は絶対に勝てぬ博打であることになぜ気づかぬ。しかも、チップとして使われているのは罪なき人びとの生命である▼<ラスベガス万歳>。あの町を歌うエルビスの声が今は悲しい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2017年10月04日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:<衆院選>民進と希望の党 「合流」が最善の選択か

2017-10-04 06:10:35 | 選挙(衆院・参院・地方首長・議会)

【社説①】:<衆院選>民進と希望の党 「合流」が最善の選択か

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:<衆院選>民進と希望の党 「合流」が最善の選択か

 かつて政権を担った政党の末路としては、あまりにも寂しい。分裂が確定的になった民進党。野党四党の共闘に背を向け、多くは希望の党に合流するが、有権者にとって最善の選択とは言い難い。

 民進党の前原誠司代表は衆院が解散された九月二十八日の両院議員総会で、同党は衆院選に候補者を擁立せず、立候補予定者は小池百合子東京都知事が代表を務める「希望の党」に公認申請することを提案し、了承された。事実上の合流となる異例の対応だ。

 前原氏は「政権交代を実現する、もう一度大きなプラットフォーム(基盤)をわれわれ自身がつくるということだ」と強調した。

 その狙いは理解できなくはないが、見通しは甘かったようだ。

 小池氏は民進党出身者を、憲法改正や安全保障政策をめぐる姿勢で選別する方針を示し、排除される側のリベラル系らが反発。枝野幸男元官房長官らは新党「立憲民主党」結成を表明する一方、野田佳彦前首相、岡田克也元外相らは無所属での立候補となる。

 民進党を支持する連合が、希望の党を支持せず、候補の個別支援にとどめるのは当然だろう。

 自公政権に対抗する勢力は、日本維新の会と連携する希望の党と旧民進党リベラル系、共産、社民両党の勢力とに分断される。政権交代を実現する大きな基盤になるとは、とても言い難い。前原氏の決断は適切だったのか。

 自民党に対抗する勢力が分裂することの最大の弊害は、民意と議席数との乖離(かいり)である。

 共同通信社が行った最新の全国電話世論調査で、安倍晋三首相の下での憲法改正に賛成する人は34%、反対は53%に上る。しかし、今度の衆院選ではどの政党が、安倍首相の下での改憲に反対する人たちの受け皿となるのか。

 これまでは民進党という大きな勢力があったが、合流先の希望の党は「改憲政党」を標榜(ひょうぼう)する。今の選挙情勢では、改憲反対派が過半数を得るのは難しく、民意との隔たりはますます大きくなる。

 希望の党は、政権交代を目指しているが、自民党と理念・政策がどう違うのか分かりづらい。そもそも小池氏や若狭勝前衆院議員は自民党所属だった。

 希望の党は自民党の補完勢力とはいわないまでも、リベラル勢力を切り捨てた「保守二大政党制」への動きが、有権者にとって本当にいいことなのか。私たち自身が慎重に判断する必要があろう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月03日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:三大都市圏連合 地方分権の旗忘れるな

2017-10-04 06:10:30 | 選挙(衆院・参院・地方首長・議会)

【社説②】:三大都市圏連合 地方分権の旗忘れるな

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:三大都市圏連合 地方分権の旗忘れるな

 衆院選に向け東京、大阪、名古屋の三知事が連携を表明した。地方分権改革推進を政策の旗に掲げたことに期待したいが、選挙戦術の利害が一致しただけの同床異夢の連携にならぬよう望みたい。

 東京都の小池百合子、大阪府の松井一郎、愛知県の大村秀章の三知事が大阪市内で会見し、「しがらみのない政治」「身を切る改革」「真の地方自治の推進」の三点で合意した。

 三大都市圏連合(三都連合)として、小池氏の新党「希望の党」、松井氏が率いる「日本維新の会」の候補すみ分けを軸に、政権交代を目指す選挙戦略だという。

 国際博覧会(万博)の大阪誘致などで安倍政権の支援を受けてきた松井氏と、「反安倍」の政治姿勢を鮮明にする小池氏の突然の連携には違和感もある。

 単なる選挙互助会としての連携ではないのか、統一的な訴えの中身に目をこらす必要があろう。

 だが、総選挙で地方自治体の首長が「地方分権の改革」を共通政策の筆頭に掲げ、連携して戦うのは異例であり、注目したい。

 大阪市での会見で「(東京と大阪)両者の応援団に」と発言した大村知事が、三都連合の橋渡しを担ったという。

 確かに、大村知事は定例会見でも「われわれ(首長)の仕事は、地方分権の推進など国政にもの申す必要がある」と、繰り返し地方分権の重要性を強調してきた。

 地方から見れば、国政選挙の時に湧き起こる地方分権の訴えはかけ声ばかりで、国の本気度が問われるようなもどかしさがあった。

 八月に亡くなった梶原拓前岐阜県知事は一九九七年、「タコつぼに住んでいて地方のことを全然知らない東京タコ」と中央一極集中を痛烈に批判。二〇〇三年には全国知事会会長として「闘う知事会」の看板を掲げ、国から地方への税源移譲を訴えた。

 地方分権への取り組みが本物になれば、地方や地域がそれぞれの事情に合った、より適切で柔軟な地方政治を行うことができる。

 具体的には、憲法の「地方自治の章」の改正による地方政府への立法権、課税自主権の付与などは重要な争点となろう。三都連合の旗揚げを好機に、選挙戦で大いに議論してほしい。

 首長連携でクローズアップされた地方分権だが、大都市だけでなく地方への目配りも忘れてはならない。有権者は論戦の本気度に耳を澄ませたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月03日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:北方領土交渉 元島民の悲願に応えよ

2017-10-04 06:10:20 | 【外交・ロシア・天然資源・北方領土問題】

【社説①】:北方領土交渉 元島民の悲願に応えよ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:北方領土交渉 元島民の悲願に応えよ

 郷里を追われた元島民は七十年以上も返還を待ち続けている。北方領土交渉は彼らの悲願を背負っている。政府はこれに応える外交力を見せてほしい。

 「お帰りなさい。ご苦労さまでした」

 日本の引き揚げ船に乗船すると、赤十字マークの帽子をかぶった看護婦が出迎えた。

 終戦から二年たった一九四七年夏。サハリン(樺太)の主要都市・真岡の強制収容所にいた山本忠平さん(82)=神戸市在住=ら択捉島の住民は、この言葉を聞いてやっと生きた心地がしたという。それでもソ連側に連れ戻される恐怖におびえて、われ先に船底へ下りようとして船員に制止された。

 ◆シベリア連行の恐怖

 ソ連の貨物船に積み込まれ、択捉島から知床半島を間近に見ながら北上し、着いたのが鉄条網に囲まれた真岡の収容所だった。元島民はこのままシベリアに送られるのではないかと震えた。実際、北方四島に駐留していた日本軍守備隊は武装解除後、シベリアに連行されて強制労働をさせられた。

 船内では炊き込みご飯が供された。元島民は自分の頬をつねり痛さを感じて笑い合った。これは夢ではないのだ、と。

 山本さんは択捉島北方の蘂取(しべとろ)村で育ち、国民学校五年生で終戦を迎えた。択捉島に上陸したソ連軍が蘂取に現れたのはその年の九月末。外出は禁止され学校は休校になった。山本さんは自宅のカーテンの隙間からソ連兵を見ようとしたが、足音が近づくと怖くなり、カーテンを閉めて足音が遠ざかるのを待った。

 翌四六年春に国境警備隊が軍と入れ替わって駐留し、続いて大陸からロシアの労働者が渡ってきた。布袋一つを手にしてほとんど着の身着のままだった。

 ◆感じたロシア人との絆

 元島民は財産を没収され行動の自由も奪われた。隣家を訪ねるのにも許可がいった。誰だか分からない秘密警察が監視していた。

 国民学校の教室半分はソ連の子どもたちが使った。休み時間になると校庭に飛び出して、日本とソ連に分かれてけんかが始まった。「憎しみ合っていたのではなく、互いの誇りと意地のぶつかり合いだった」(山本さん)。

 領土問題を風化させないために、山本さんは「語り部」として全国を回って体験談を語る。「なぜ島民は島を去ったのか」と、聴衆からよく質問されるという。

 実は、島に残りたいのならソ連の国籍を取得するようソ連当局に命じられた。「理不尽な選択で故郷を追われた」(同)のだ。

 本国送還のために村を離れる村民を、ロシア人が見送った。「行かないでくれ」と抱きついて離れない労働者もいた。故郷を離れて見知らぬ土地に行くつらさを、彼らは身をもって知っていた。「いつの間にか私たちは家族のようになっていた」と山本さん。

 故郷を追われてから四十年以上たった九〇年、山本さんは念願の墓参を果たした。待っていたのは荒れた原野。村は消えていた。

 山本さんは領土交渉の前進には「相互理解を深めるしかない。信頼は友愛につながる。でも、簡単なことではない」と語る。

 四島返還運動の先頭に立つ北海道根室市。七七年のサケマス二百カイリ規制を発端に主要産業の漁業は荒波にもまれ続けて低迷。今年は名物のサンマも不漁だ。

 人口は高度成長期の六六年に五万人に迫ったのをピークに減り続け、現在は約二万六千五百人。国立社会保障・人口問題研究所の予測では、二〇六〇年には半分以下の約一万一千五百人まで減少する。

 領土問題の解決には、地元再生の期待がかかる。日ロ両首脳は九月、四島で実施する共同経済活動として(1)海産物養殖(2)野菜の温室栽培(3)風力発電(4)観光(5)ごみ処理-の五事業を選んだ。

 だが、根室の政界関係者は中小の地元資本が参画するのはハードルが高いとみる。それでなくても地元経済界には、互いの主権を害さない「特別な制度」ができなければリスクが高すぎるとして、参画に二の足を踏む空気が強い。

 ◆共同経済活動への懸念

 元島民も共同経済活動協議が先行して、島の返還交渉が置き去りにされるのでないか、と懸念する。色丹島出身の中田勇さん(89)=根室市在住=は「共同経済活動に重点が置かれていることに怒りすら覚える」と憤る。

 当時一万七千人いた四島の住民は今は約六千百人に減った。平均年齢は八十二歳を超す。

 もう十八年すると、一八五五年の日露和親条約締結から終戦まで日本が四島を統治した歳月と、ロシアの実効支配の期間が並ぶ。時がたつだけ日本は不利になる一方だ。元島民にとっても政府にとっても残された時間は少ない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月02日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:夏目漱石の「永日小品」の中にこんな場面がある。

2017-10-04 06:10:10 | 学術・文学・アート・美術・古典

【筆洗】:夏目漱石の「永日小品」の中にこんな場面がある。

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【筆洗】:夏目漱石の「永日小品」の中にこんな場面がある。

 亭主が古道具屋で一枚の西洋画を買ってくる。細君に見せると、「しばらく物も言わずに黄ばんだ女の顔を眺めていたが、やがて、気味の悪い顔です事ねえと云(い)った」。加えて、「この女は何をするかわからない人相だ」と口が悪い▼この絵、レオナルド・ダビンチの「モナリザ」の模写である。その名を聞けば、謎めいたほほ笑みをたたえる美女のイメージしかないが、先入観なく、この絵を初めて目にすれば、存外と、この明治期の女性と同じ感想を持つかもしれない▼「モナリザ」に関する新発見というべきか、それとも、新たな謎というべきか。パリ近郊の美術館が所蔵する木炭で描かれた、裸婦画「モナバンナ」(モナは「夫人」の意)。ダビンチの弟子による作品とこれまで考えられてきたが、調査の結果、ダビンチ自身が「モナリザ」の下絵として描いた可能性が出てきたそうだ▼事実とすれば、「裸のモナリザ」である。写真を見る限り、左腕に右腕を添えた独特の姿勢が「モナリザ」に確かに似ている▼ただ、お顔の方はほほ笑み方が少し違うか。顔に限れば、同じダビンチの作品でも「洗礼者ヨハネ」の方をなんとなく思い浮かべる人もいるだろう▼チームはさらに調査を続ける。成果を祈るが、衣を脱いだとて「モナリザ」の秘密は深まるばかりかもしれぬ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2017年10月02日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:週のはじめに考える 予知できずとも減災を

2017-10-04 06:10:05 | 社説・解説・コラム

【社説①】:週のはじめに考える 予知できずとも減災を

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:週のはじめに考える 予知できずとも減災を

 「地震を予知したら警戒宣言を出す」という虚構がなくなります。しかし、南海トラフ巨大地震は必ず起きます。自らの命は自ら守る心構えが大事です。

 東海地震はかつて「明日起きても不思議ではない」と言われました。予知を前提に一九七八年、大規模地震対策特別措置法(大震法)が施行されました。予知ができれば、対処の仕方もあります。警戒宣言が出たら安全な場所に避難すればよいのです。大震法は警戒宣言が出たら、新幹線、高速道路を止め、学校や銀行などを休みにすると定めています。

 ◆南海トラフ巨大地震

 当時は中国で海城地震(七五年)の予知に成功。米地震学者ショルツが地震の準備段階から発生までを統一的に説明した「ショルツ理論」も登場していました。前兆を捉えられれば、予知もできると考えられたのです。

 観測網が充実すると、前兆らしきものが見えても地震が起きないなど、科学者が考えていた以上に地震は複雑な現象だということが分かってきました。先週、予知はできないことを前提に、新たな対策を検討することが決まりました。予知が無理となると、いつ起きてもよい備えが必要です。

 想定する地震も変わりました。四十年前は静岡県の駿河湾などを震源域とする東海地震でした。現在、警戒が必要なのは、駿河湾から紀伊半島、四国沖を通って九州の近くまで震源域が延びる南海トラフ巨大地震です。

 南海トラフ地震の想定震源域では四四年に昭和東南海地震、四六年に昭和南海地震が発生。その時の空白域が東海地震の想定震源域でした。もう、次の巨大地震が来てもおかしくないというのです。

 発生確率は今後三十年で70%。死者は最悪で約三十二万人とされます。二〇一三年に南海トラフ地震を対象とする特別措置法ができました。

 ◆安全な場所を選んで

 気象庁は十一月一日から南海トラフ全域を対象に、前震や地殻変動などの異常現象を観測した場合は「南海トラフ地震に関連する情報」を発表する方針です。情報が出たらどう行動すればよいのかは、これから検討されます。

 危険度を数値化し、レベル1ならどうする、2ならどうする、といった具体的な行動例を示すことが望まれます。

 私たちはどう備えるべきでしょうか。参考になるのは過去の経験です。

 東日本大震災では多くの人が津波で亡くなりました。防潮堤も壊れました。一方、高所に移転していた集落は無事でした。昨年の熊本地震では、地盤による被害の差の大きさが明らかになりました。安全な場所に住むことの重要性を示しています。

 南海トラフ地震に備える高知市でこんな話を聞きました。

 高知市は昭和南海地震で地盤沈下が起き、津波に襲われました。そのとき水没した地域が今では住宅地になっています。高知城に近く、便利のよい場所です。ここにあるマンションに、そうした歴史を知らずに転勤族が引っ越してくるというのです。

 住宅を新築する際や引っ越しのときには、防災面も考慮するようにしたいものです。通学や通勤のルートも、一度、チェックしてはいかがでしょうか。例えば、気象庁から「情報」が出たら海岸から遠いルートに変えるといった対策も取れます。

 残念ながら、防災情報を手に入れるのは容易ではありません。地震、洪水、液状化の危険度や、地盤の強度や標高といったデータは、個別には公開されているものもありますが、収集して総合的に判断するのはかなり難しい。

 IT企業のリブセンスは、先週から不動産業者向けに東京都など一都三県で物件ごとに災害リスクを数値化し、提供するサービスを始めました。地震や液状化、津波、洪水といった自然災害に対して、どの程度強いのかを数値化しています。見ると、同じ市区町村の中でも大きく違います。

 不動産価格に影響を与える可能性があるので、自治体ではやりにくいのかもしれませんが、防災、減災には重要な情報です。官民のどちらが主導するにしろ、全国に広がってほしいものです。

 ◆わがことだと考える

 地震は本震だけではありません。東日本大震災の後、静岡県や長野県などで大きな誘発地震がありました。昭和東南海地震でも翌年、三河地震が起き、死者・行方不明者約二千三百人の大災害となりました。南海トラフ地震が起きたら、被災地から遠くても警戒する必要があります。いや、発生前から地震が増えるという見方もあります。どこに住んでいても、大地震は人ごとではなく、わがこととして考えたいものです。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月01日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:日本で販売された最も長い車の名は諸説あるが、

2017-10-04 06:10:00 | 事件・犯罪・疑惑

【筆洗】:日本で販売された最も長い車の名は諸説あるが、バブル期に発売された、この車は最有力候補だろう。

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【筆洗】:日本で販売された最も長い車の名は諸説あるが、バブル期に発売された、この車は最有力候補だろう。

 「日産パルサー3ドアハッチバック1500ミラノX1-Eトリプルビスカスフルオートフルタイム4WD」-。試しに声に出してみたが、息が続かぬ▼車の特長や「売り」をあれやこれやと名前の中に詰めこんだ結果なのだろうが、これでは落語の「寿限無」。「もっと簡単にならないのか」という意見が当時の社内で出なかったのが不思議である▼同じ日産自動車でも、こっちは絶対に口にしてはならぬ「簡単にならないか」である。同社が、国の規定に違反し、出荷前の新車検査を正規の検査員ではなく、無資格の従業員に任せていたことが、国土交通省の抜き打ち検査で発覚した▼よく耳にする、CMが皮肉に聞こえる。法令軽視を「やっちゃえ、日産」、正規の検査を「ぶっちぎれ 技術の日産」だったとすれば、あまりにも情けない▼大切な生命と未来を預ける車である。どこの家でも大金のかかる車を買うのは一大事。慎重に車を選び、納車日を待ちわび、新車のにおいに喜ぶ。安全性に問題はないというが、違法検査は日産を選んだ人への裏切りである▼六万台が販売停止、最大で百万台規模の大量リコールの可能性があるという。代償は大きい。かつての同社CMをかみしめるべきだろう。「変わらなきゃ」

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2017年10月01日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:参院定数判決 格差3倍で合格点とは

2017-10-04 06:09:55 | 【1票の格差問題・国政選挙・違憲状態】:

【社説①】:参院定数判決 格差3倍で合格点とは

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:参院定数判決 格差3倍で合格点とは

 一票の格差が最大三・〇八倍あっても最高裁は合憲とした。昨年夏の参院選では初の合区があり、この是正策を評価したからだ。だが、三倍の格差を著しい不平等と認めない判断には釈然としない。

 十五人の判事で一人、実に明快な意見を書いた判事がいる。元内閣法制局長官の山本庸幸氏だ。

 <投票価値の較差(格差)は国政への政治力に地域間の差異をもたらすので、いずれの国民も平等に選挙権を行使できなければ、憲法前文にいう代表民主制に支えられた国民主権の原理は画餅に帰する>

 その上で「投票価値の平等は、他に優先する唯一かつ絶対的な基準として真っ先に守られるべきもの」と述べた。だから、あくまで平等原則を追求する。許容される差は一・二倍程度と考える。

 山本判事は「違憲無効」の意見であった。弁護士出身の鬼丸かおる判事も「違憲」の判断だった。

 多数派が合憲だったのは、合区の評価のほかに改正公職選挙法の付則がある。次の参院選までに抜本見直しをするという国会の約束を明記したことを重視したのだ。

 ただし、今回の判決で不思議な点がある。二〇一四年の判決で、「参院選の投票価値が衆院選より後退してよい理由はない」と述べていた。衆院選の格差は約二倍で違憲状態だった。参院選の約三倍は明らかに劣後しているのに合憲を与え、かつその理由を全く説明していない。なぜか。

 もう一点、指摘する。一四年の判決で「都道府県単位の現行方式をしかるべき形で改める」などと強い調子で仕組み自体の見直しを迫っていた。それで徳島・高知、鳥取・島根の合区ができたが、何と今回の判決では「都道府県を単位とすること自体を不合理なものとしない」と述べているのだ。正反対の意味に受け止められる。

 まるで改革にブレーキをかける書きぶりではないか。合憲とした判事たちは、一四年の判決からなぜ考えを変えたのか。その理由を明記しないのはなぜか。

 大学卒の人だけが二票持てば、みんな怒る。男性が二票で女性が一票なら大ブーイングだ。なぜ住む地域により三票も持つ現実を許容できるのか。明らかな不平等さえ認めない最高裁の姿勢は不可解というほかはない。

 むろん政治は一票の平等に向け、もっと動くべきである。議員の選び方が大事なのは、正統性が疑われず、民意を正しく反映させるためなのだから。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年09月30日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:行政と議会 もたれ合いは断ち切れ

2017-10-04 06:09:50 | 地方行政、自治・住民自治・議会

【社説②】:行政と議会 もたれ合いは断ち切れ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:行政と議会 もたれ合いは断ち切れ

 行政をチェックすべき議会の議員が、行政側の組織のメンバーに就き、報酬をもらう。そんなもたれ合いのような慣行が、首都東京で引き継がれている。同様の問題は全国各地であるのではないか。

 行政側の組織とは、法律や条例に基づき、地方自治体の執行機関に置かれる審議会や審査会といった合議制の付属機関のことだ。

 首長らが諮問したテーマについて議論し、答申するのが主な仕事といえる。ふつうは、その結論を行政の施策に反映させる仕組みになっている。

 町づくりや福祉、教育、雇用など多岐に及ぶ分野で設けられ、民間の専門家や企業、住民団体の関係者らが委員を任される。専門知識を取り入れたり、民意を吸収したりする役割が期待されている。

 ところが、東京都の八月時点の実態を本紙が調べたら、全部で百三十八ある付属機関のうち三割を超す四十八の機関で、都議会議員のための委員ポストが用意されていた。会議に出ると、二万円前後の報酬が支払われるという。

 そればかりではない。都が出資したり、指導監督したりしている外郭団体などでも、議員向けの同様のポストが確保されていた。

 行政側の六十六の組織で、計二百四十五人分の委員などのポストが、議員枠として割り当てられていたから驚く。都議会定数(一二七)の二倍近くに上るので、かけ持ちする議員は少なくあるまい。

 長年の慣習だという。行政側にとっては議会対策になるし、議員側にとっては報酬を得つつ業界に顔を売る好機になる。そんな思惑の一致が背景にあるとも聞く。

 これでは、別々に選挙された首長と議員が、抑制と均衡を利かせながら、民主的な地方自治の実現をめざすという二元代表制の理念にそぐわない。それどころか、なれ合いの温床になりかねない。

 小池百合子知事は、行政側の組織と議員のあり方を見直す考えを示している。経費削減の視点も踏まえ、改善を望みたい。都議会でも検証するべきだ。

 たとえば首都圏では、群馬県と五つの政令市では、行政側の付属機関に議員が加わるのを原則として禁じている。共通するのは、二元代表制の重みをうたった議会基本条例を定めている点だ。

 もっとも、似た条例を持ちながら認めているところもある。権力分立に対する心構えが甘くはないか。もちろん、地域によってそれぞれ固有の事情があるけれど、ただの悪弊なら断ち切りたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年09月30日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:政府を批判しただけで、厳しく弾圧されたソ連にあっても、

2017-10-04 06:09:45 | 【国民の知る権利、国の情報公開】:

【筆洗】:政府を批判しただけで、厳しく弾圧されたソ連にあっても、憲法では表現や言論の自由は一応、認められていた。

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【筆洗】:政府を批判しただけで、厳しく弾圧されたソ連にあっても、憲法では表現や言論の自由は一応、認められていた。

 だから、米国では、こんな皮肉が語られた。「合衆国憲法とソ連憲法の違いは…ソ連憲法は言論、集会の自由を保障する。米国の憲法は、言論の後の自由も、集会の後の自由も保障する」▼発言した「後」の自由が保障されていなくては、自由など空虚な看板。そして「後」と同じように保障されなくてはならぬのが、言論の「前」の自由だ。世界人権宣言は一九条で、こううたっている▼<すべて人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により…情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む>▼真の言論の自由のためには、前提条件として、情報などを求め、受ける自由がなくてはならぬ。「知る権利」はそれほど重いものなのだが、この国ではどうだろう▼知る権利を害すると懸念された特定秘密保護法は、強行採決された。行政が歪(ゆが)められたのではないかと指摘される森友・加計問題では、真相究明になくてはならぬ公の記録は「ない」「廃棄された」と、官僚らが平然と言い放っていた▼疑惑の追及を封じ込めるかのように、衆院は唐突に、解散された。おととい二十八日は、「世界知る権利デー」だったのだが。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2017年09月30日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説①】:10・22衆院選へ 混迷の中に光明を

2017-10-04 06:09:40 | 選挙(衆院・参院・地方首長・議会)

【社説①】:10・22衆院選へ 混迷の中に光明を

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:10・22衆院選へ 混迷の中に光明を

 混迷の中での衆院選である。老舗政党が急造新党に合流する急展開だ。「安倍政治」の対抗軸となり得るのか。慎重に見極めて、貴重な票を投じたい。

 衆院がきのう解散され、十月二十二日の投開票日に向けて、事実上の選挙戦に入った。

 安倍晋三首相は解散理由に、消費税率引き上げによる増収分の使い道を変更する是非を問い、ミサイル実験を繰り返す北朝鮮に毅然(きぜん)と対応するために政権基盤を固めることを挙げている。

 ◆「安倍政治」問う選挙

 とはいえ、議員任期を一年以上残して、急いで解散する大義としては根拠が弱い。ましてや野党側の憲法に基づく臨時国会の召集要求を無視し、召集した途端、全く審議を行わない冒頭での解散だ。

 野党側が、首相らとの関わりが指摘される学校法人「森友」「加計」両学園の問題をめぐる追及を逃れ、野党側の混乱や準備不足に乗じた「大義なき解散」と批判するのは当然だろう。

 自民党の政権復帰から五年近く。この間「知る権利」や人権が著しく脅かされかねない特定秘密保護法や集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法の成立を強行してきた。

 政権側がどんな選挙争点を設定したとしても、憲法を軽んじ、強引な政権・国会運営を進めてきた「安倍政治」そのものの是非を問う選挙としたい。

 そうした政治状況の中、民進党が両院議員総会で、衆院選では党の候補者は擁立せず、立候補予定者は小池百合子東京都知事が代表を務める「希望の党」に公認を申請する、という前原誠司代表の提案を了承した。希望の党への民進党の事実上の合流である。

 ◆「小池人気」にすがる

 民進党は、かつて政権を担った旧民主党の伝統を引き継ぐ。その老舗政党が、国政新党を立ち上げたばかりの小池氏の人気にすがる構図となることは否めない。

 「与党候補と一対一の構図をつくるため、あらゆる手段を取りたい」と述べてきた前原氏が、安倍政治の対抗軸をつくり出すために繰り出した苦肉の策なのだろう。

 その問題意識は共有する。民進党は党勢回復が見込めず、野党がバラバラに戦っては安倍自民党の優位を揺るがすことはできない。野党勢力が結集して、安倍政治に代わる政権の選択肢を示すことの重要性は否定しない。

 希望の党はエネルギー政策では「原発ゼロ」を掲げ、逆進性の高い消費税の税率引き上げにも慎重姿勢を示している。

 そうした政策には同意できるとしても、希望の党からの立候補が民進党支持層にとって最善の策なのかは、大いに疑問だ。

 希望の党は綱領で「平和主義のもと、現実的な外交・安全保障政策を展開する」ことを掲げ、細野豪志元環境相は安保関連法の容認を、公認の条件に挙げている。

 しかし、民進党は、歴代内閣が憲法違反としてきた集団的自衛権の行使容認に転換した安倍内閣の閣議決定を認めず、「憲法違反」と批判してきた安保関連法の採決では反対票を投じた。

 そうした民進党の前議員や候補が小池氏の同意を得て、希望の党の公認を得るには、政治姿勢の転換が迫られる。訴えてきた政策との整合性はどうなるのか。

 集団的自衛権の行使や安保関連法に反対する民進党を支持してきた有権者はどの政党・候補者に投票すればいいのか。

 自民党同様「保守」を掲げ、集団的自衛権の行使や安保関連法を認める政党が、安倍自民党に代わる選択肢となり得るのだろうか。

 報道各社の世論調査によると、希望の党に投票すると答えた人は結成間もないにもかかわらず、民進党を上回り、自民党に次ぐ二番目の多さだ。小池氏への期待の高さがうかがえる。

 有権者にとって大事なことは国民の暮らしをよりよくするために必要な政策を実現し、それに反する政策を強引に進めないことだ。

 ◆未来を決める可能性

 希望の党が民進党に代わる政党となり得るのか。「小池人気」に踊らされることなく、党が打ち出す理念・政策や、所属議員・候補の言動を慎重に見極めたい。

 公示まであと十日余り。本人は否定するが小池氏が都知事を辞めて国政進出の可能性も取り沙汰される。民進党の事実上の合流も、了承されたとはいえ波乱含みだ。

 従来にも増して混迷の中での難しい選択となるのは必至だが、強引な「安倍政治」に審判を下す機会と前向きに受け止めれば、光明が見いだせるのではないか。

 私たちの未来を決めるのは、有権者たる私たち自身である。その責任や可能性を自覚して、論戦に耳を傾けたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年09月29日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:米国の政治ジョークを集めた本で、こんな小咄を読んだ。

2017-10-04 06:09:35 | 選挙(衆院・参院・地方首長・議会)

【筆洗】:米国の政治ジョークを集めた本で、こんな小咄(こばなし)を読んだ。

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【筆洗】:米国の政治ジョークを集めた本で、こんな小咄(こばなし)を読んだ。

 子どもが政治家の父親に、「裏切り者って何?」と尋ねた▼父の答えは、「裏切り者というのはこっちの党からあっちの党に行くやつのことだ」。子どもが「じゃあ、あっちの党からこっちの党に来る人は?」と聞くと、父は答えた。「それは、改心者っていうんだ」▼つい先日、民進党の一部議員が離党し、「小池新党」に加わろうとした時、彼らは「裏切り者」扱いされた。だが、政界の秋空の何と移ろいやすいことか。民進党全体が「こっちからあっちに行く」ことになりそうだというのだから、小咄の子どもならずとも、目を白黒させるしかない▼衆院が解散されたきのう、民進党は新党「希望の党」への「合流」を打ち出した。だが、それで、どういう方向に向かう流れができるのか。政権交代可能な二大政党制を再び目指すというが、たとえば世論を二分してきた改憲や安全保障法制をめぐり、どんな流れをつくるのか▼こんな政治小咄もある。激しい選挙戦の中、ある候補者が「当選したら、まず何をしますか」と尋ねられた。候補者の答えは、「当選したら何をするかは今の私の心配事じゃない。私を今、悩ませているのはもし当選しなかったら何をするかってことです」▼「合流」の向かう先をきちんと示せなければ、この候補者を笑うことはできまい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2017年09月29日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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