乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:

 在野の政治研究家乾龍が『漂流日本の闇』を斬る! 日々の政治・経済等の時事ニュースの深層を探る。

【話題のニュース】:生活保護費、最大1割下げ 厚労省、5年ぶり見直し

2017-12-08 02:01:50 | 社会保障・年金制度・生活保護

【話題のニュース】:生活保護費、最大1割下げ 厚労省、5年ぶり見直し

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【話題のニュース】:生活保護費、最大1割下げ 厚労省、5年ぶり見直し

 厚生労働省は7日、来年度の生活保護費見直しで、食費や光熱費などに充てる「生活扶助」を最大1割程度、引き下げる検討に入った。年齢や世帯形態によって増額となるケースもあるが、一般の低所得世帯の消費支出より支給額が多いとの調査結果を踏まえ、見直しが必要と判断した。

 厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京都千代田区霞が関

 厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京都千代田区霞が関

 生活扶助の支給水準は5年に1度見直している。全体では前回2013年度に続き2回連続で引き下げとなる見通し。都市部を中心に高齢単身世帯などが多く含まれ、反発が強まりそうだ。

 一部の子育て世帯で減額幅が大きいため、厚労省は別の案も検討している。(共同)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【話題・社会保障・生活保護施策】  2017年12月08日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:年金の支え手 給与明細を見てみよう

2017-11-15 06:10:55 | 社会保障・年金制度・生活保護

【社説①】:年金の支え手 給与明細を見てみよう

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:年金の支え手 給与明細を見てみよう

 会社員らが支払う厚生年金の保険料率が九月に引き上げられた。年金財政を維持するための最後の引き上げだ。ただ、将来年金を受け取れる安心は、加入が前提、その範囲をもっと広げたい。

 保険料率は18・3%になり、多くの人が十月の給与天引きから適用されている。労使折半なので働く人の負担は9・15%だ。料率は二〇〇四年の制度改正で13・58%から毎年、引き上げられてきた。今回の引き上げが最後となる。

 これを機に自身の給与明細を眺めてみてほしい。年金制度を知るいい機会になる。

 公的年金の財源をどう確保し、どう支給するか。少子高齢化が進む社会では悩ましい問題である。実は、〇四年の制度改正でその考え方を大きく変えている。

 それまでは支給に必要な財源を、現役世代の保険料を上げることで賄ってきた。しかし、高齢者が増えると、現役世代の負担が増え続ける。そこで、保険料率に上限を決めそこまで引き上げて固定し、そこから得られる保険料収入で払える額を支給する。同時に、高齢者にも支給額の伸びを少し我慢してもらう。こんな改正だ。

 国民年金も毎年保険料を引き上げ、今年四月に月一万六千九百円で据え置いた。

 高齢者一人を現役三人で支える現在から、約三十年後には現役一人で支える超高齢者社会となる。限られた財源だ。その中でやりくりするのは致し方ない。

 課題は低年金・無年金の人の支援だ。消費税率が10%になると低年金者には月最大五千円の給付金制度が実施される。年金を受け取るのに必要な加入期間が二十五年から十年に短縮されて無年金者の一部が受給できるようになった。

 大胆に進める必要のある対策は、厚生年金に加入できる対象者を拡大することだ。パートなど短時間労働者は職場の厚生年金に加入できないケースが多い。国民年金に入るしかないが、高齢になっても働き続ける自営業者を想定した制度なので支給額は少ない。

 昨年十月に一部の短時間労働者に対象を広げたが、約三十四万人にすぎない。厚生年金は国民年金より安い保険料で国民年金より高い年金の支給につながる。対象者の拡大は、将来の無年金・低年金者を減らせる。

 経済的に苦しく保険料を払えない人には免除などの手続きができる。政府は、制度の利点を分かりやすく伝える努力を惜しんではならない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年11月15日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:①介護報酬改定 家事援助の見直しが必要だ

2017-11-09 06:05:30 | 社会保障・年金制度・生活保護

【社説】:①介護報酬改定 家事援助の見直しが必要だ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:①介護報酬改定 家事援助の見直しが必要だ

 質の高い介護サービスで高齢者の自立を助け、重度化を防ぐ。そのために、限りある財源と人材を効率的に活用する。超高齢社会で制度を維持する上で、不可欠な取り組みだ。

 2018年度の介護報酬改定に向けた議論が本格化している。3年ごとに見直され、今回は診療報酬との6年ぶりの同時改定だ。

 医療と介護の連携を強化し、高齢者のニーズに合ったサービスを切れ目なく提供できる体制を構築するのが、最重要課題である。

 介護報酬は、事業者に対して支払われる介護保険サービスの公定価格だ。団塊の世代が全て75歳以上になる25年にかけて、介護費用は急増する。65歳以上の介護保険料も、今の平均5500円から8000円超になる見通しだ。

 サービスの効率化・重点化で費用の伸びを抑制しつつ、人手不足を緩和するための介護職の処遇改善を進めねばならない。その両立へ向けて、メリハリのある報酬改定にすることが大切である。

 見直しが求められるのは、訪問介護で掃除や調理などの家事を行う「生活援助サービス」だ。1時間300円程度の自己負担で済むため、「家政婦代わりに使われている」と指摘される。月数十回といった利用も目立つ。

 必要以上のサービス利用は、むしろ高齢者の自立を阻害しかねない。財源と人材の有効活用の観点からも問題が大きい。

 厚生労働省は、家事援助の担い手の資格要件を緩和し、報酬を下げる方針だ。専門性の高い人材を身体介護などに集中投入して、役割分担を明確化し、費用を抑える狙いは理解できる。

 資格取得が容易になれば、元気なシニア層など新たな人材の参入も期待できよう。ボランティアも含めて、地域での担い手を増やしたい。将来的には、軽度者向けの家事援助を自治体事業に移すことも検討すべきだろう。

 自立支援・重度化防止の取り組み促進も課題である。

 現行の介護報酬は、基本的に重度者ほど高く設定されている。リハビリや食事指導などで要介護度が改善すると、事業者は減収になる。対応策として、厚労省は、自立支援で成果を上げた事業所への報酬の上乗せを検討中だ。

 改善に積極的な事業所を評価することは必要だが、要介護度の変化ばかりに着目しては、改善が見込めない重度者らの排除につながりかねない。リハビリの実施状況など、自立支援のプロセスも含めた適切な指標を工夫すべきだ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年11月08日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:健保の経営規律向上へ経済界は結束を

2017-11-09 03:30:40 | 社会保障・年金制度・生活保護

【社説②】:健保の経営規律向上へ経済界は結束を

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説②】:健保の経営規律向上へ経済界は結束を

 主に大手企業が従業員とその家族の福利厚生のために設けた健康保険組合の財政が一段と窮迫している。各健保組合の理事長が経営感覚を磨くとともに、母体企業の経営層は医療費がかさむ要因に目を光らせ、制度のひずみを正すよう安倍政権に働きかけるべきだ。

 全国およそ1400の健保組合で組織する連合会によると、2016年度に経常収支が赤字になった健保は543組合、保険料率を上げたのは206組合だった。

 この結果、主に中小企業が組織する協会けんぽ(旧政府管掌健康保険)の平均保険料率である10%以上の料率を設定した組合は、304になった。主因は健保組合が高齢者医療制度に拠出する支援金などの増大である。

 医療技術の進展に伴って高額な薬や治療法が次々に開発され、健保組合の加入者が使う医療費そのものが膨らんだのもさることながら、一方的に迫られる拠出金の影響はことのほか大きい。16年度の拠出金総額3兆2800億円は、健保組合が医療費として支出した法定給付費の85%にもあたる。

 経営感覚に富む一部の健保組合は、病院・診療所が請求する診療報酬明細の監視強化や、加入者への健康指導を通じた病気予防に取り組んでいる。ビッグデータ解析や従業員のスマートフォン活用をいっそう工夫すれば、医療費の無駄を省く余地はさらに広がる。

 他方で、拠出金膨張の勢いは強い。現状は健保組合の努力も焼け石に水だ。75歳以上の後期高齢者の医療費は本来、消費税財源を主体にするのが理にかなっている。けがをしたり慢性疾患になったりするリスクが現役世代より高く、保険原理が働きにくいためだ。

 そのための消費税増税は、高齢者に資力に応じた負担を求めることにつながるので、世代間の不公平を和らげるのにも有効だ。しかし厚生労働、財務両省は企業の労使が保険料を負担する健保組合からの拠出金を引き上げて充当してきた。取りやすいところから取る策の典型であろう。

 このままだと一部の健保組合は団塊世代すべてが後期高齢者になる25年を乗り切れまい。解散組合の母体企業は協会けんぽへ移り、そのぶん国費負担が増大し、国の財政を苦しめる悪循環に陥る。

 拠出金の召し上げに歯止めをかけるべく、企業規模の大小にかかわらず結束して政府・与党に制度改革を迫る責務が経済界にある。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年11月09日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【核心】:タダより高いものはない  もつか、全世代の社会保障

2017-11-06 02:30:20 | 社会保障・年金制度・生活保護

【核心】:タダより高いものはない  ■上級論説委員 大林 尚 もつか、全世代の社会保障

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【核心】:タダより高いものはない  ■上級論説委員 大林 尚 もつか、全世代の社会保障

 平成の世も残すところ1年あまり。あらゆることを賭けの対象にする英国人なら新元号をネタに賞金を競うところだが、日本人の多くは少しかしこまった心持ちで元年を迎えることになるのだろう。

 元年には「画期的な物事の出発点となるような年」の意がある。明鏡国語辞典が例示したのは「福祉元年」。1973年(昭和48年)をそう呼ぶようになった背景を知るには、少しばかり時代をさかのぼる必要がある。

 60年代以降、大都市圏を中心に革新系の知事、市長が相次いで誕生した。横浜市長の飛鳥田一雄(いちお)、東京都知事の美濃部亮吉、大阪府知事の黒田了一――。高度成長まっただ中、税収を工面するのにさして苦労することもなかった首長たちである。

 68年、飛鳥田が市の国民健康保険に入っている80歳以上の患者の窓口負担を下げた。競うように美濃部は翌年、70歳以上の都民の医療費をタダにした。無料の医療は高齢層に歓迎され、72年12月の総選挙は共産党が躍進した。

 時の宰相は田中角栄。したい放題の革新勢力の台頭にあせった政権は、70歳以上の医療費を全国一律に無料にする改正老人福祉法を国会で成立させ、返す刀で5万円年金の実現を閣議決定した。大蔵省の抵抗はむなしく終わった。

 政権を握る保守勢力が革新勢力の人気取り策、今でいうポピュリズム策を横取りして自らの手柄にしたのが福祉元年の実相だ。形勢不利なボクサーが相手に抱きついて時間を稼ぐクリンチ戦術にたとえられよう。耳に心地よいその響きとは裏腹に、医療と財政の立て直しに挑んだその後の政権は、例外なく福祉元年の亡霊に苦しむことになる。

教育・子育ての無償化を公約した自民党は衆院選で勝利(10月22日、自民党本部)

  教育・子育ての無償化を公約した自民党は衆院選で勝利(10月22日、自民党本部)

 97年、医療制度刷新へ向け検討を始めたのは橋本政権だった。曲折を経て75歳以上の後期高齢者に原則1割の窓口負担を求める制度の実施にこぎ着けたのが2008年。じつに「福祉36年」である。その関連法が成立した時の首相小泉純一郎氏を、野党民主党は姨捨(うばすて)山をよみがえらせるのかと攻めた。

 同時に実施するはずだった70代前半の2割負担への引き上げは、小泉後の政権が毎年度2千億円規模の補正予算を組み、最近まで1割に据え置いていた。2割への引き上げは、今なお途上にある。

 こうしてみると、タダのツケがいかに大きいか、そしてタダの受益層に少しばかりの有料化を納得してもらうのにどれほどの政治的エネルギーを費やすのかがわかる。

 さて、この10月の衆院選である。急速な少子高齢化という国難を人づくり革命で突破すると力説した安倍晋三首相は、教育・子育ての無償化を公約し、勝利した。対象は0~2歳の保育(低所得世帯)▽3~5歳の保育園・幼稚園▽高等教育(同)。返さなくてもよい奨学金制度を充実させるとも力説していた。

 人づくり革命を評して共産党幹部が「革命を軽々に使わないでほしい」と不快感を示したのは笑い話の類いだ。首相は意に介さず、高齢層には手厚いが若者と子供に冷たい福祉元年の当然の帰結を、あらゆる世代に報いるべく変革すると訴えた。「全世代型の社会保障」への転換である。

 浮かんでくるのは、9月の民進党代表選で前原誠司氏が打ち出した「オール・フォー・オール」へのクリンチ戦術ではないか、という疑問だ。前原氏は、経済力に応じてみなが払う消費税を増税し、為政者が積み上げてきた国の債務を減らすよりも増税分をみなで使ってしまうことに力点を置いていた。使途は教育無償化であり、子育て支援の総動員だった。人づくり革命も大枠は似ている。消費税の増税凍結を唱える希望の党と衆院会派を結成した前原氏は、オール・フォー・オールをあっさり手放したようだが。

 投票翌日、榊原定征経団連会長は首相官邸を訪れ「痛みを伴う社会保障改革をぜひ」と伝えたが、首相が正面から答えたふしはない。それどころか3日後の経済財政諮問会議の席上、経済界に「3%の賃上げ実現を期待する」と数字まであげて求めた。労組を支持基盤とする野党を出し抜いて自らの得点につなげる。繰り出す奇手は、自民党政権が社民政策を侵食した福祉元年をほうふつとさせる。

 果たして、全世代型の社会保障は持続可能なのか。

 経済協力開発機構(OECD)によると、社会保障と教育を合わせた支出の一般政府総支出に対する比率は12年に69%だった。消費税にあたる付加価値税の標準税率が25%の重税国家スウェーデンは68%。日本とさほど変わらない。他方、13年の年金支出の国内総生産比は日本の13%に対してスウェーデンは10%。医療支出は8%に対し7%だ。

 財務省出身の田中秀明・明治大教授は「教育と保育にかける公費を増やす方向に日本がカジを切るなら、増税したとしても高齢者向けの年金・医療費を抑えるべきだとの結論におのずとなる」という。

 物価・賃金の下落率が一定幅を超えたときも年金の名目額を減らさない制度の特例は見直すべきだと一貫して主張しているのは、日本総合研究所の西沢和彦主席研究員だ。「下げるべき時に下げ、捻出した分を教育・保育費の原資に回すのが本物の全世代型ではないか」

 仮に、18年を人づくり元年と呼ぶようになるとしよう。放漫さが残る医療や年金に、いまメスを入れなければ、将来の納税者にその元年が心地よく響くことはあるまい。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【核心】  2017年11月06日  02:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【生活保護】:30年ぶり等級見直し 大阪市引き下げも

2017-11-03 08:00:30 | 社会保障・年金制度・生活保護

【生活保護】:30年ぶり等級見直し 大阪市引き下げも

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【生活保護】:30年ぶり等級見直し 大阪市引き下げも

 厚生労働省は、生活保護受給額の等級(ランク)を示す市区町村ごとの「級地」を30年ぶりに見直す方針を固めた。等級の下がる自治体は受給額が低くなる。現在最上位の大阪市などが引き下げ対象に想定されている。同省は生活水準の地域差に関するデータ収集を始めるなど市区町村を新たな等級に振り分けるための基準作りに着手。早ければ来年度にも入れ替える。

 ◆<生活保護>受給者のパチンコ、厚労省が実態調査開始

 ◆<生活保護>前月比1151世帯増 8月

 等級は「級地」と呼ばれ、全国の市区町村を6段階に分け、級ごとに生活保護費のうち生活費相当分が決まっている。見直しは、バブル景気最盛期の1987年に3段階を6段階に細分化したのが最後だ。

 市町村が合併すると最も高い等級の自治体に合わせる。平成の大合併によって、87年当時の3253市町村のうち約25%に当たる821市町村が「格上げ」になった。例えば、京都市の旧京北町は合併で5番目から最上位になった。

 一方、総務省の全国消費実態調査(2009年)を基に、財務省が同じ等級内の都市について所得の低い世帯の消費額を分析したところ、最大1.6倍の格差があった。大阪市と横浜市はいずれも最上位で受給水準は同じだが、横浜市の消費額は大阪市の1.28倍と高い。財務省の財政制度等審議会は昨年10月、厚労省に「実態が大きく異なっている」として見直しを求めていた。

 ただ、30年も見直しがなかったのは、生活水準を客観的に見極めるのが難しいからだ。等級を決める基礎資料となる全国消費実態調査は全国5万6400世帯を対象にしているが、自治体ごとではデータが少なく、信頼性が高くない。厚労省は他の統計も活用して補完する考えだ。

 現在、最高ランクの地域に住む高齢夫婦2人世帯の生活費分の受給額は月約12万円。1ランク下の地域に引っ越したら約5000円減、2ランク下では約1万1000円減になる。【熊谷豪】

 【ことば】生活保護の級地

 生活保護費のうち生活費分について、物価や生活様式の地域差に合わせ、市区町村ごとに差を設けている。6段階あり、最上位は東京23区や横浜市、大阪市などで、受給世帯の40%に当たる約64万1000世帯が属する。最低は兵庫県篠山市や愛媛県宇和島市などで受給額は最上位に比べ20%低い。

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 社会 【話題・社会保障・生活保護施策】  2017年11月03日  08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【クローズアップ2017】:生活保護等級見直し 「安全網」損なう恐れ 

2017-11-03 08:00:20 | 社会保障・年金制度・生活保護

【クローズアップ2017】:生活保護等級見直し 「安全網」損なう恐れ 各地の水準、統計不足

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【クローズアップ2017】:生活保護等級見直し 「安全網」損なう恐れ 各地の水準、統計不足

 生活保護制度の等級見直しは、受給額を各市区町村の生活水準に合わせるもので、一見、合理的に思える。ただ、背景には、国・地方合わせて約3・8兆円に上る生活保護費を抑制したいとの国の思惑がある。ここ数年、受給額引き下げが続いており、新たな切り下げは生活保護制度の「最後の安全網」としての機能を損ないかねない。【熊谷豪、西田真季子】

 「格下げ」が想定される大阪市。受給者は14万3800人と全国最多で、見直されれば象徴的意味を持つ。

 同市港区のアパートで生活保護を受給しながら暮らす女性(68)は「どこをどうやって削ればいいのやろか」と、ため息を漏らす。同市港区のアパートで生活保護を受給しながら暮らす女性(68)は「どこをどうやって削ればいいのやろか」と、ため息を漏らす。

 持病のため夫婦とも働けなくなり、住宅ローンを返済できず約5年前から生活保護を受給している。1年前に亡くなった夫の遺族年金は月約1万5000円。生活保護費(生活費分)と合わせ月約8万3000円で暮らす。食費の節約はもちろん、洋服も人から譲り受けて着ている。

 大阪の夏は暑い。熱中症予防のためクーラーは必需品で、光熱費は月5000~6000円。ランクが下がれば重みは増す。女性は首を切る仕草をしながら声を絞り出した。「もう生きていかれへん」

 夫を10年前に亡くし、同じ港区で生活保護を受けて1人で暮らす女性(66)も「1000円、2000円でも下がったら影響は大きい」とうつむく。持病で働けず、古紙や空き缶を集めているが、数カ月で1000円程度。引き下げへの不安で眠れない日が続く。 

 政府は2013年度以降、段階的に生活費分を平均6・5%削減した。この引き下げについては、生存権を保障した憲法25条に反するとして29都道府県の計955人が国を相手に提訴している。ランクが下がれば「ダブルパンチ」となる。

 東京都内で貧困問題に取り組む一般社団法人「つくろい東京ファンド」の稲葉剛代表理事は「あの時と同じことが起きるのではないか」と話す。

 稲葉氏が懸念するのは、15年7月の「家賃見直し」の経緯だ。「全国各地の実態に合わせる」として生活保護費の家賃分を引き下げたところ、そのまま住み続けることができなくなり、厚生労働省の調査では約2万世帯が転居を余儀なくされた。

 稲葉氏は「『実態に合わせる』といえばもっともらしいが、事実上の保護費削減だ」と警戒し、こう指摘する。「現状でも最低限度の生活水準を維持しているとはいえないのが実感だ。さらなるカットで受給者を追い詰めていいのか」

 一方、等級見直しが30年も手つかずだったのは、全市区町村の生活水準の実態を十分に示す統計がないという事情がある。

 厚労省は生活水準の指標として、地域の消費支出を5年ごとに調べる総務省の「全国消費実態調査」を主に使う意向だが、同調査のサンプルは人口2000人につき1。20万都市でも100サンプルにしかならず、全国の市区町村を公平に比較するのは難しい。厚労省は、前回見直した1987年の時と同様、同調査を補足するためにさまざまなデータを収集し始めている。

 ただ、複数の統計で理論的な数字をはじき出したとして、実態に即したものになるかどうかは疑問だ。貧困問題の専門家らは「研究の蓄積がなく、難しい作業になるだろう」と口をそろえる。全国生活と健康を守る会連合会の安形(あがた)義弘会長は「地方は物価が安いというが、商店街はさびれ、都市部と値段が同じコンビニエンスストアで買うことが増えた。政府は、実情に即して丁寧に調査し、決めてほしい」と話す。

 ■医療費抑制が焦点

 生活保護は、収入が国の定めた最低生活水準に満たない場合に不足分を受給できる仕組みだ。世帯構成に応じて生活費や住宅費などが支給され、医療や介護は無料で受けられる。

 厚労省によると、生活保護を受ける世帯数はバブル崩壊以降、一貫して増加を続け、この10年だけで1・5倍に増えた。8月時点で163万3541世帯に達し、過去最多を更新し続けている。

 増加の主な要因は高齢化だ。65歳以上の高齢者の世帯の伸びが大きく、2016年度に初めて過半数を占めた。高齢者世帯の中では単身者が9割だ。支え合う家族がなく、低年金や無年金のため、生活保護に頼らざるを得ない実態がある。

 これに伴い生活保護費も増え続け、今年度予算では3・8兆円。国が4分の3、自治体が4分の1を負担するため、国・地方双方の財政に影響する。

 厚労省は景気動向の変化に合わせて5年ごとに受給水準を見直す。来年度が見直し時期に当たり、厚労省が制度全体の見直しも併せて検討している。焦点は保護費の半分を占める医療費の扱いだ。

 厚労省の調査では、同じ病気で月15日以上の通院治療を続ける「頻回受診」は14年度に約1万5000人に上る。このうち約3800人について「医学的に過剰な受診」と判断し、受診を控えるよう指導した。

 自己負担がないため安易に通院しているのではないかとの見方がある。厚労省は、医学的な必要性のない診察を受けた受給者に自己負担を求めることも含め見直しを検討している。約200万人の受給者全体からみれば一握りだが、厳しい姿勢を示すことで安易な受診を減らす狙いだ。

 ただし、病気なのに受診を控えれば病状が悪化したり、命にかかわったりする恐れもある。厚労省幹部は「やり方は慎重に考えないといけない」と話す。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【クローズアップ2017】  2017年11月03日  02:05:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:①高齢社会大綱 年金受給の選択肢を広げたい

2017-10-27 06:07:00 | 社会保障・年金制度・生活保護

【社説】:①高齢社会大綱 年金受給の選択肢を広げたい

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:①高齢社会大綱 年金受給の選択肢を広げたい

 意欲ある高齢者が活躍し続けられる「生涯現役社会」の実現は、少子高齢化を乗り切る上で欠かせない。就労の長期化・多様化へ向けて、年金受給時期の選択肢も広げたい。

 内閣府の有識者検討会が、5年ごとの高齢社会対策大綱見直しについての報告書案をまとめた。

 持続可能な高齢社会を構築するため、高齢者が能力を発揮して社会に貢献できる環境の整備を求めている。具体的には、就労・起業支援や定年制の見直しなどを挙げた。これらを踏まえて、政府は新たな大綱を年内に決定する。

 注目されるのは、年金の受給開始年齢に関する提言だ。70歳より後に遅らせることができる仕組みを検討するよう促している。

 公的年金の受給開始は原則65歳だが、希望すれば60~70歳の範囲で選べる。65歳より前に繰り上げると、その期間に応じて減額され、繰り下げると増額される。1年遅らせるごとに約8%増え、70歳から受け取ると42%増しになる。

 この範囲を70歳より後まで広げれば、より高齢者の就労促進と年金の給付改善に役立つ。具体的な制度設計を進めてもらいたい。

 年金の給付水準は、少子高齢化に伴って低下する。将来的には今の2~3割減になる見込みだ。

 就労期間を延ばして受給を遅らせれば、繰り下げによる上乗せに加え、その間の保険料納付分も年金額に反映される。給付水準の低下を補う有効な手段だ。

 日本の高齢者の就労意欲は極めて高い。60歳以上の4割が70歳超まで働きたいと望んでいる。高齢になっても働き続けることができれば、経済面はもちろん、生きがいや健康作りにも資する。

 働き方に合わせて弾力的に受給できる仕組みは、高齢者の希望にもかなうはずだ。受給前に亡くなる可能性もあるが、老後の経済不安が軽減される意義は大きい。

 現行の繰り下げの範囲でも同様の効果はあるものの、就労先が限られることなどから、利用は低調だ。政府は、雇用確保と制度の周知に努める必要がある。

 受給年齢の一律繰り下げを求める声もあるが、高齢者は健康状態や経済力の個人差が大きい。国民の反発は強く、制度への不信感を高めかねない。当面は、個人の選択に委ねるのが現実的だろう。

 高齢期の就労と年金を巡っては、賃金に応じて年金が減額される制度の見直しも課題だ。働く意欲を殺(そ)ぐとの批判がある。

 人生100年時代にふさわしい制度へ、改革を進めたい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月27日  06:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説①】:「衆院選」:社会保障の将来 全世代型の負担も語れ

2017-10-18 06:10:35 | 社会保障・年金制度・生活保護

【社説①】:「衆院選」:社会保障の将来 全世代型の負担も語れ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:「衆院選」:社会保障の将来 全世代型の負担も語れ

 少子化と高齢化が急激に進む社会をどう乗り切るのか。衆院選ではこれまでになくこの課題への対策に焦点が当たっている。だが、肝心のことが語られていない。

 年金、医療、介護、子育て支援などの社会保障制度は、税財源だけでなく保険料負担や自己負担によっても支えられている。

 どんな給付を受けるには、誰がどれくらいの負担を引き受ければいいのか。誰がどれくらいの給付を我慢すれば、将来の生活に「安心」が得られるのかという制度全体の将来像を何よりも知りたい。

 安倍晋三首相は「全世代型へ転換する」と表明した。自民党は幼児教育・保育の無償化などを看板政策に掲げた。確かに、高齢者に偏っている社会保障を「全世代型」に転換する必要はあるが、この考え方は既に歴代政権の政策の流れだ。目新しいものではない。

 現役世代への給付を厚くすると同時に、取り組まねばならない課題がある。人口の多い団塊世代が七十五歳を過ぎる二〇二五年には、飛躍的に医療・介護費用は膨れ上がる。一方で、支える側の現役世代は減っている。

 高齢化に対応しながら、少子化対策を強化するには、税負担のあり方だけではなく、費用の負担増や給付の抑制も避けられない。

 だが、与野党を問わず居並ぶ公約は「全世代型の給付充実策」ばかりだ。幼児教育・保育の無償化や、高等教育費の負担軽減などは異口同音に唱えている。

 公明党は低年金者の支援給付金の前倒し実施、希望の党は国民に現金を配るベーシックインカム、立憲民主党は医療・介護の自己負担の軽減、共産党や社民党は最低保障年金の創設なども挙げる。

 聞きたいのは、世代に関係なく負担能力のある人が負担する「応能負担」の姿だ。富者が痛みもなく、貧困層に負担を求めていいはずもない。

 例えば、現役世代より優遇されている年金課税の強化は検討課題だ。その分の財源を低年金者に回せば支援になる。公的医療保険の給付範囲の絞り込みなど医療・介護サービスは一定の縮小を考えざるを得ない。こうしたマイナス面も「全世代型」にする必要がある。各党はこの点も語るべきだ。

 負担増や給付減は選挙戦では不人気だ。しかし、耳に心地いい公約を並べられても、かえって不安が増すばかりである。

 社会保障は「痛み」の分配のあり方こそ争点だと認識してほしい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月17日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説①】:全世代よりメリハリの社会保障に

2017-10-15 03:30:20 | 社会保障・年金制度・生活保護

【社説①】:全世代よりメリハリの社会保障に

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説①】:全世代よりメリハリの社会保障に

 年金や医療・介護、生活保護を含む社会保障の課題は、少子化と高齢化・長寿化が同時に加速するなかで制度の持続性を高めることに尽きる。給付の野放図な膨張を抑える制度改革と社会保険料・消費税の一体改革を通じた必要財源の確保が欠かせない。

 ■リスク・リターン下げ

 戦後ベビーブーム期に生まれた団塊世代すべてが後期高齢者になる2025年以降を見据えれば、それは政治が真っ先に取り組まねばならない課題だが、与野党の衆院選公約は言葉を濁している。

 それどころか多くの政党が保育や教育の無償化を看板にし、ばらまきに走る傾向が目立つ。全世代への社会保障と言えば聞こえはいいが、保険料・税を払う有権者は立ち止まって考える必要がある。将来世代に過重な負担を押しつけないために、メリハリを利かせた改革を与野党は競ってほしい。

 経済協力開発機構(OECD)基準による社会支出は15年度に119兆円を突破した。国の一般会計予算を優に上回る巨費だ。大きすぎる給付が制度そのものを危うくする高リスク・高リターン型からの脱却が必要である。

 現在、年金は消費者物価の下落時に名目額を減らさないようにしているが、物価連動の原則に照らせばこれはおかしい。政治による積年の人気取り策が年金財政をむしばんでいる。

 むろん一律抑制は乱暴だ。高齢世代内の経済格差は大きい。ある程度の収入・資産を持つ受給者への年金課税を強め、その分を基礎年金財源に回せば格差は和らぐ。

 今年度、厚生年金の保険料率はついに関係法が定める上限の18.3%に達した。給付抑制という痛みを高齢有権者に求める改革の実現には本来、与野党が大きな線で合意するのが望ましい。

 年金や生活保護を廃止して全国民に所得制限なしで現金給付するベーシックインカムを希望の党が公約したのは、唐突にすぎよう。制度設計、財源、導入の道筋を示せないなら論評にも値しまい。

 医療・介護改革はより緊急度が高い。過去10年ほど、実効性ある改革が実を結んでいないからだ。

 公の健康保険の給付範囲をある程度絞り、市販薬と成分や効果・効能が変わらない処方薬は患者の自費負担にしたり、健康保険が利かない先進医療と保険診療との併用範囲をもっと広げたりする。こうした改革が必要な理由を真摯に説く候補者をみたい。

 生活習慣病を抱えた後期高齢者の増大は医療構造の変革を迫っている。医学教育の充実を図り、種々の病気をひと通り診られる家庭医の養成を急ぎ、専門医と機能分担させるのも政治の役割だろう。

 高齢者医療の財源の一部を現役の働き手と事業主が負担する健康保険料から召し上げるやり方は、限界に来ている。保険原理が働きにくいこの層への医療費は本来、消費税増税で賄うのが筋だ。

 介護サービスの需要増大にはどう応じるのか。たとえば外国人材をもっと生かす手立てを各党はわかりやすく説明してほしい。

 ■保育にもっと民の力を

 19年10月の消費税増税分の一部を教育無償化に使うと首相が表明し、自民・公明両与党が公約にしたことで教育費の負担問題が焦点になった。競うように、希望の党は保育園・幼稚園の無料化を、立憲民主党は児童手当や高校無償化への所得制限廃止を公約した。

 年間出生数が100万を下回る超少子化が現実になった。若い有権者は子育て支援の充実を熱望している。だが単に現金給付を増やしたり、多額の公費をつぎ込んで施設をむやみに建てたりするのは、持続性ある政策とはいえまい。

 待機児童を減らすのは容易ではないが、費用対効果を重視して実効性が高い対策を考えてほしい。民間の力を生かし、小学校入学前の子供全体に保育サービスを行き渡らせる規制改革を徹底させれば「待機児童」は死語になろう。

 主婦の就労意欲をそぐ税・年金改革も待ったなしである。

 また与党が掲げる低所得層への高等教育の無償化に、経営努力が足りない国公立校や学校法人を延命させるおそれはないだろうか。

 欧州主要国は若者の社会保障を拡充させつつ年金や医療の効率化に余念がない。国の財政が破綻の危機に直面する日本に、全世代にいい顔をする社会保障はなじまない。大切なのはメリハリである。

 元稿:日本経済新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月14日  03:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:①社会保障 負担増と給付抑制こそ論じよ

2017-10-12 06:06:00 | 社会保障・年金制度・生活保護

【社説】:①社会保障 負担増と給付抑制こそ論じよ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:①社会保障 負担増と給付抑制こそ論じよ

 ◆サービス競争では不安を拭えぬ◆

 少子高齢化の急速な進展で、社会保障の持続性が危ぶまれている。厳しい現実に向き合い、国民の将来不安を払拭(ふっしょく)できる制度の具体像を示す。それこそが政治の責任である。

 各党の衆院選公約には、子育て世代への支援強化をはじめとする社会保障の充実策が並ぶ。多くは財源や実現プロセスが曖昧だ。負担増や給付抑制に踏み込む施策も乏しい。給付に偏った「サービス競争」の様相を呈している。

 ◆一体改革は維持したい

 人気取りの甘言は、国民に見透かされよう。各党は、説得力ある政策論争を展開すべきだ。

 現在の社会保障は、給付に見合う財源を確保しないまま、赤字国債という将来世代への負担のつけ回しで成り立っている。いずれ行き詰まることは必定だ。

 構造を改め、今の世代で給付と負担のバランスを取る。そのために消費税率を引き上げる。2012年の旧民主、自民、公明の3党合意に基づく「社会保障・税一体改革」の主眼である。

 少子化克服へ、子育て支援など現役世代向け給付を増やす。自民党が唱える「全世代型社会保障」への転換も打ち出していた。その方向性は間違っていない。

 2度の消費増税延期を経て、一体改革の枠組みは揺らいでいる。改革を反故(ほご)にして、借金頼みを続けてはならない。どう再構築するのか。各党の姿勢が問われる。

 今回、各党が共通して掲げるのが、一体改革に含まれていない幼児教育・保育の無償化だ。

 ◆待機児童解消が先決だ

 自民党は、全ての3~5歳児と低所得世帯の0~2歳児の保育所・幼稚園の無償化を訴える。消費増税分の使途を変更し、赤字国債の縮減に充てる予定だった分を転用する。公明党は、全ての0~5歳児を対象にするという。

 消費増税の凍結などを主張する野党も、無償化では一致する。

 いずれも、将来世代への負担のつけ回しにほかならない。

 保育所や幼稚園の利用料は、既に所得に応じて減免されている。全員の無償化は、高所得世帯ほど恩恵を受ける。厳しい財政事情を考えれば、バランスを失した負担軽減策だと言わざるを得ない。

 最優先すべきは、保育所に入れない待機児童の解消だ。統計に表れない「隠れ待機児童」も含めると9万人超にも上る現状では、無償化の意義も薄れる。無償化に財源を取られて対策が遅れれば、女性の活躍促進もおぼつかない。

 与党は、保育の受け皿を拡充する「子育て安心プラン」を前倒しして、20年度までに32万人分を整備する方針を示す。保育士確保のための処遇改善や保育の質向上も忘れてはならない。

 消費税率を10%に引き上げても、新たな施策には追加財源が必要となる。負担増について、国民の理解を得る努力が不可欠だ。

 希望の党は「待機児童ゼロ」を法的に義務付けると主張するが、具体像は描けていない。

 子育て支援以外の充実策も、財源面で実現性に疑問符が付く。

 公明党は、消費税10%時に予定する低年金者への給付金の前倒しを訴える。

 希望の党は、福祉サービスの自己負担合計に上限を設ける制度を掲げる。低所得者らへの現金支給も提案するが、10兆円単位の財源が必要だろう。一方、歳出を減らす努力としては、議員定数削減など「身を切る改革」程度にとどまる。

 ◆医療・介護の効率化を

 社会保障改革で最も重要なのは、医療・介護費の膨張の抑制である。団塊の世代が75歳以上となる25年には、費用が急増しかねない。18年度の診療・介護報酬の同時改定は、持続可能な制度に転換するラストチャンスだ。

 それにもかかわらず、各党とも言及が少ないのは物足りない。

 自民党は医療データを活用した病気予防・重度化防止などを挙げる。希望の党も遺伝子データ分析による予防に触れるが、いずれも給付抑制策としては不十分だ。

 病院や施設に過度に依存せずに済むよう在宅医療・介護を充実させ、切れ目なく提供できる体制を整える。軽度者向けサービスを見直し、重度者に重点的に振り向ける。国民のニーズの変化に応じて給付の対象や範囲を改める。

 これらは早急に取り組まねばならない課題である。

 経済力のある高齢者に応分の負担を求める改革も、さらに進めねばならない。年金制度においても、人生100年時代を見据えた真摯(しんし)な議論が求められる。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年10月12日  06:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【東京都】:ダミー会社通じ給与の一部、厚生年金保険料逃れ

2017-09-25 06:00:30 | 社会保障・年金制度・生活保護

【東京都】:ダミー会社通じ給与の一部、厚生年金保険料逃れ

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【東京都】:ダミー会社通じ給与の一部、厚生年金保険料逃れ

 東京都内のタクシー会社が、香港に設立したダミー会社を通じて従業員に給与の一部を支払う方法で、国に納めるべき厚生年金の保険料を低く抑えていたことが、関係者の話でわかった。 

 納付を免れた保険料は、2年間で少なくとも6000万円超に上る。海外企業を利用した保険料逃れが明らかになるのは初めて。厚生労働省は、他にも同様の事案があるとみて全国の年金事務所に調査を指示した。

 関係者の話などによると、タクシー会社の従業員は採用後、同社社長(56)が代表を兼務する香港の会社に転籍。この会社からタクシー会社に出向する形で、日本国内で働いていた。

 従業員は、基本給として一律に月14万5500円をタクシー会社から支給される一方、歩合給や深夜手当などの給与は、香港の会社名で受け取っていた。同社では遅くとも2012年頃からこの仕組みを取り入れ、国に基本給分だけの保険料を納めていたという。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・疑惑】  2017年09月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:年金支給漏れ 不信深めた反省も危機感も薄い

2017-09-25 03:15:25 | 社会保障・年金制度・生活保護

【社説】:年金支給漏れ 不信深めた反省も危機感も薄い

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【社説】:年金支給漏れ 不信深めた反省も危機感も薄い

 これまで何度、再発防止を誓ったか分からない。だが、また起きた。約10万6千人に総額598億円の年金の支給漏れ―日本年金機構の新たな失態は、お粗末であるがゆえに根深い。

 支給漏れは、厚生年金か共済年金に20年以上加入していた人の配偶者が対象の「振替加算」で発生した。一度に判明した年金未払いとしては過去最大規模で、共済年金では対象者全体の1割で漏れがあった計算。しかも、未払いは制度開始の1991年当初から発生していたという。あまりにずさんな情報管理や事務処理がこれほど長期間、漫然と続いてきたことに、憤りを通り越して驚き、あきれる。

 原因は、機構の組織としての構造的な問題というほかない。厚生・共済の両年金制度は2015年に一元化されたが、事務組織は別々のまま。加入者の年金記録も別々に管理され、情報が共有されなかったり、事務処理を誤ったりする「凡ミス」が解消されず続いていたという。ようやく全面点検に着手したのは、情報システムが変わった15年。把握、公表とも遅過ぎる。

 07年に発覚した、5千万件の年金記録がない「消えた年金」問題の反省、教訓は全く生かされていない、と断じざるを得ない。第1次安倍内閣退陣の契機になり、当時の社会保険庁が廃止された衝撃を忘れたように、後継の機構もミスを連発。15年にはサイバー攻撃で約125万件もの個人情報を流出させた。

 まだ他にも未払いやミスがあるのではないか、との疑念は当然に強まるばかり。複雑化した支給実務の見直しや組織の大幅改編など、抜本的な再発防止策を直ちに講じねばならない。

 だが、当事者の機構や政府には、社会の将来不安の根源ともいうべき「年金不信」を深めたことへの反省や危機感が、ほとんど感じられない。国民の「老後の命綱」である年金を預かる緊張感、責任感があまりに欠落していることを強く憂慮する。

 衆参両院で開かれた閉会中審査も、空疎な質疑に終わった。加藤勝信厚生労働相は、振替加算で03年にも250億円の未払いがあったことについて「そのときどうして(今回の支給漏れに)思いが至らなかったのか、率直に不思議だ」と人ごと。森友・加計学園、年金を含め「疑惑隠し解散だ」と非難されても「解散を前提とした質問なのでコメントは控えたい」。解散前には答えず、いざ解散となればもちろん答えない。極めて不誠実な態度は到底容認できない。

 未払い年金は11月に支給予定というが、対象者約4千人が既に亡くなっており、後から払えば済む問題でもない。相談専用電話の開設や通知など、本来不要な支出も7千万円かかる。一方で、高齢者は負担増が続き、若い世代は将来の低年金・無年金が心配される。年金制度への信頼回復のため、政治が急ぎ取り組まねばならない課題は山積み。何もかも放置して解散などしている場合では決してない。

 元稿:愛媛新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2017年09月22日  03:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【山谷シスター】:命の名簿 労働者の街 生きた証し刻む

2017-09-24 07:04:30 | 社会保障・年金制度・生活保護

【山谷シスター】:命の名簿 労働者の街 生きた証し刻む

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【山谷シスター】:命の名簿 労働者の街 生きた証し刻む

 簡易宿泊所が並ぶ東京・山谷地区で亡くなった日雇い労働者や路上生活者らの名前を、一枚の紙に刻んでいる女性がいる。三十年間で、その数は七十九人。無縁仏となる人も多い中、誰から求められるのでもなく名簿を付け続ける。それぞれの生きた証しを残すために。 (中村真暁)

 この女性は、炊き出しや生活相談などの活動をしている市民団体「ほしのいえ」(荒川区南千住)の代表、中村訓子(のりこ)さん(74)。カトリックのシスターだ。

「ほしのいえ」の中村訓子さん=東京都荒川区で(池田まみ撮影)

「ほしのいえ」の中村訓子さん=東京都荒川区で(池田まみ撮影)

 きっかけは、山谷地区で夜回りなどを始めたころ出会った労働者の男性の死だった。体を壊しても経済的理由で十分な治療が受けられずにいた。受診を勧め、入院したが、一九八七年三月九日に五十九歳でがんで亡くなった。

 駆けつけた病院で遺体と対面すると、口から血が流れたままで、ぬぐうこともなく放っておかれていた。「同じ命を持ち生まれてきたはずなのに、なぜ人によって対応が違うのか、許せなかった。このとき、私の『山谷』が始まった」

 名簿は、この男性が一人目。今月までに亡くなった山谷に暮らす人々や、中村さんと一緒に炊き出しなどをした仲間の名前が、命日、年齢と共に記されている。年齢は、二十四~七十七歳。二十、三十代の若者も少なくなく、餓死や病死、自殺の人もいる。

 ほしのいえのスタッフは、死去の報を受けて病院や火葬場へ駆けつける。「関わってきた命を放っておけない」と、誰もいない葬儀場で遺骨を拾ったり、家族から拒まれた遺骨を引き取ったりしたことも。周囲からは、死亡した際の状況もできる限り聞き取る。

 それでも名簿には、「イシさん」や「ネコの叔父さん」など通称名の人や、亡くなった日付がない人も。過去を語らない人が多く、詳細が分からないためだ。

 名簿は何度も更新し、普段は事務所に掲げ、スタッフが祈りをささげている。先月の地域の夏祭りでは、仏教とキリスト教の合同慰霊が初めて企画され、名簿を祭壇に掲げた。見た人から「このおじさん、死んだのか」「この人知っているよ」と声が上がった。

 「ちゃんと命を持って生きていたよ、と覚えていたい。名簿を見れば一人一人を思い出し、その人の話ができる。山谷の人たちが名簿の存在を知れば、(死後に)自分のことを祈ってもらえると安心できるのでは」

 世の中が弱い立場の人を追い込んでいく状態は変わっていないと、中村さんは感じている。「命の尊厳が認められる居場所があれば、もう少し生きやすくなるはず」と信じて活動を続けている。

 <山谷地区> 明治通りの泪(なみだ)橋交差点を中心に、台東、荒川区に広がる簡易宿泊所の密集地域。山谷は昔の地名。現地にある公益財団法人「城北労働・福祉センター」などによると、戦後、労働需要の増加で日雇い労働者の街となり、東京五輪前年の1963年には、簡易宿泊所222軒に約1万5000人が生活していた。現在は、宿泊所約150軒に約4200人が暮らす。宿泊者の平均年齢は66・1歳で、9割以上が生活保護を受給している。(東京新聞)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【話題】  2017年09月24日  07:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【厚労省】:年金支給漏れを追加調査 機構に対策チーム

2017-09-20 19:22:30 | 社会保障・年金制度・生活保護

【厚労省】:年金支給漏れを追加調査 機構に対策チーム

 乾龍の『漂流日本の羅針盤』・【最新ニュースから見え隠れする闇】:【厚労省】:年金支給漏れを追加調査 機構に対策チーム

 衆参両院の厚生労働委員会は20日、約10万6千人に総額約600億円の年金が支払われていなかった問題を受け、閉会中審査を開いた。日本年金機構の水島藤一郎理事長や加藤勝信厚労相は今回の一連の問題について陳謝した。年金機構に対策チームを設置し、他に支給漏れなどの問題がないかを調査する。関係者の処分も検討する。

 加藤厚労相は「誠に遺憾だ。二度とこうしたことがないように対応したい」と述べ、再発防止に取り組む姿勢を強調した。関係者の処分については、「今月中に行うことを前提に、過去の処分事案を踏まえて対処する」と述べた。

 野党からは今回の問題以外にも支給漏れがある可能性について質問が相次いだ。厚労省はすでに年金機構に対策チームを立ち上げ、今回のような構造的な問題がないか過去の事務処理の誤りを含めて点検させると説明。年内にも調査を終える予定だ。

 また年金機構が昨年12月から今回の問題の総点検を実施していたにもかかわらず、厚労相が全容の説明を受けたのは今年8月24日だったことも判明した。こうした対応には、与党からも「猛省を促したい」との批判が出た。

 支給漏れが起きたのは、配偶者の基礎年金に上乗せする「振替加算」と呼ばれる加算措置。対象者の大半が夫婦のどちらかが元公務員で、1度に発覚した支給漏れとしては過去最大だ。年金機構と共済組合のシステム間で起きた情報連携のミスなどが原因としている。

 元稿:日本経済新聞社 主要ニュース 政治 【政策・厚労省・年金問題】  2017年09月20日  19:22:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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