ADONISの手記

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8.神精樹の実

2016年10月18日 01時10分25秒 | 小説

エイジ772
 
ターレスside
 
「くそが!」

 俺は思わず悪態をついた。今とんでもない化け物に襲いかかられていたからだ。
 
「カカロットーー!!」
「だから俺はカカロットじゃねぇ!」

 金色の髪に筋肉が異常なまでに膨れ上がっている男に怒鳴り返す。
 


 宇宙の帝王フリーザが死んで数年が過ぎていた。フリーザの死によってフリーザ軍は自然崩壊して、俺も自由に動けるようになった。
 
 フリーザが健在だった頃は星の地上げを行いつつも、実を手に入れようと苦慮していた。よく考えると分かるだろうが、地上げ対象の星を死の星にしてしまってはそれが簡単にフリーザにばれる。かといって地上げ対象でない星を狙うにしてもそれを行う時間がない。適当な星を狙っても十分な生命力を持つ惑星でないと実がならないこともあった。
 
 元々、いつかはフリーザを倒して俺が宇宙の支配者になるつもりだった。通常ならば無茶な話だろうが、俺には神精樹の実という切り札があった。上手くいけばこれで桁違いのスピードで戦闘力を上げられる。

 以前はフリーザという存在が邪魔で十分な実を手に入れられないという状況で膠着状態となっていたが、フリーザの死がすべてを変えた。もはやターレスを止める者はいなくなったのだ。勿論、フリーザの他にも強者はいるだろうが実はそれを凌駕する力をターレスに与えると考えていた。こうしてターレスは多くの星を死の星に変えていった。
 


 しかし、ターレスは少々派手にやりすぎてしまい、その行為が監察軍の目に留まった。その並行世界は、ミズナともう一人のトリッパーがトリップした世界であったので、ミズナとブロリーがターレス一党の処理に出たのだ。
 
 この星にきて種を蒔いて神精樹の成長をまっていた所で突如として二人組のサイヤ人が襲いかかってきた。いや少女の方は神精樹の実がある場所の入口にいてこちらを鑑賞しているだけで、男の方が襲撃をかけてきた。

 この男は信じられない強さで、配下の五人は目の前の男に容易く瞬殺された。配下よりも遥かに強い俺もボロボロだ。実を食べ続けて強大な力を手に入れた俺は宇宙最強の戦士の筈だ。なのにこんな現実は信じられない。
 
 戦ってみて分かったが、明らかにこいつは俺で遊んでいる。まるで遊び道具のような扱いだ。屈辱としかいいようのないが実際まるで歯が立っていない。何をやってもこいつには勝てない。
 
「歯ごたえのないなザコめ。くくく、ついでに良いことを教えてやろう。あそこにいるのは俺の姉上だ。姉上は俺程ではないが、それに近い実力をもっているぞ」
 
 男が駄目押しのように言う言葉に絶句する。あの少女も化け物じみた強さだというのか? これではとても勝てない。となると逃げるしかない。幸いあの二人はスカウターを持っていないようだ。ならば逃げ切れる。
 
 俺は男の足下に狙って気功波を打ち込む。こんなちゃちな攻撃あいつには効かないだろう。しかし、目くらましにはなる。土砂が撒き散らされてホコリが視界を覆う。それを利用してフルスピードで逃げる。
 
 グングン奴から離れていく。良し逃げ切れた。後は宇宙船に乗り込んで、一気にこの星からトンズラするだけだ。ターレスはそう思ったが、いきなり目の前にあの男が現れる。バカな! 振り切れた筈だ。何故だ?
 
「逃げるとはつまらない奴だ。しかし、気配も消さねぇで逃げ切れるわけがないだろうが!」

 気配どういうことだ?
 
「もういい、クズが死ね!」

 男の一撃を受けて俺は終わった。
 


ミズナside
 
「これが神精樹の実か」

 ミズナの目の前には赤い実がなっている。
 
 監察軍での順調な日々の中で今回はターレス一党の始末を行った。依頼を出したのはこの世界の地球にいるもう一人のトリッパーだ。ターレスがあまりに派手に動くので、地球もいずれ危なくなると危機感を募らせたのだ。実際映画ではターレスは地球を使って実を手に入れようとしたからな。むしろまだ地球に行ってなかったのかと思うところだ。この辺りはやはり並行世界だからか、それとも私の干渉で歴史が変わった影響なのかは不明だ。
 
 ハッキリいってターレスは弱かった。完全体セルとは言わないけれどせめてフリーザ辺りの戦闘力があればそれなりに楽しめただろうがこれではね。でも中途半端に強いので私達以外では太刀打ちはできないと考えられたので、しょうがないから依頼を受けたが、実際の処理はブロリーに任せた。

 私とブロリーは監察軍でも突き抜けた強さを誇る。それゆえ私達が楽しめるレベルの戦いというのはなかなか存在しない。強さのバランスが難しいのだろう。そんなわけでだるい作業になることも多いが、今回ブロリーはターレスがカカロットにそっくりであったことから張り切って遊んだ。勿論、ブロリーはターレスがカカロットでないことぐらいは知っているが、憂さ晴らしにはなったのだろう。
 
 ザコはどうでも良い。それはともかくミズナは【ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦】はあまり覚えておらず、今となっては概要を知っている程度だった。だからこの実のことはあまり詳しくないが、他のトリッパーから聞いた話によると、この実を食べると戦闘力が上昇するらしい。

 しかし、その上昇は大体数万といったところで、既に超サイヤ人とならなくても100億にも達する戦闘力を得ている自分にはあまり効果がない。それでも気軽に食える物ならば定期的に食して戦闘力の向上を目指すという使い道もあるのでそれなりに魅力もあろうが、これはその特性上無理だろうね。
 
「姉上どうしますか?」
「そうねこの実と枝を少々持ち帰るとしましょう。組織の方で研究して貰うと良いでしょうし」

 様々な下位世界で価値があると思う物はできるだけ持ち帰ることにしている。これもかなり問題はあれど戦闘力を高めるという意味では研究する価値ぐらいはあるだろう。上手くいけば気軽に実を量産できるかもしれないからね。わざわざ星を潰さなくても気軽に神精樹の実を量産できればかなり有効なのだ。その為ミズナは実を監察軍に持ち帰った。

 

後日
 
「それで、あの実はどうですか?」
「駄目だね。やっぱり利用できないよ」

 ミズナにシリウスが答える。
 
 神精樹の実は、効果が大きいがコストがバカみたいに高い。なんせ惑星一つ丸々潰す必要があるのだ。おまけにやせた惑星では駄目で自然豊かで生命力に溢れた星でないとまともに実がならない。当然ながらブリタニア帝国ではそんな惑星はとても貴重である。

 それにターレスみたいに実を手に入れる為に私利私欲で星を潰し回られたら困る。だから帝国としては実の存在自体が知られない方がいい。使えない以上この実の存在は、トリッパーのみの秘密として処理するように指示が出ている。
 
「それで、実は捨てるのも勿体ないから八つに切り分けて八人のトリッパーで食べることになったけど君はどうする?」
「そうね。私には必要ではないから他のトリッパーに譲るわ」
「そうか」
 
 今更多少戦闘力が上がっても意味がないだろう。それよりも戦闘力が低い他のトリッパー達の底上げをした方が組織としては効率的だ。その程度のことはシリウスもわかっている筈だが、それでも一応私に聞いてきたのは私が実を持ってきた人物なので意見ぐらいは聞いた方がいいと判断したのだろう。
 
 ちなみにこの実を食べるトリッパーは抽選で選ばれ、それを食べたトリッパー達は戦闘力を大幅に向上させたが、それはまた別の話。
 


解説

■ターレス
【ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦】で登場するサイヤ人の下級戦士。映画版よりもかなり時間がすぎており、その分より多くの神精樹の実を食べ続けてきたことから戦闘力は大幅にアップしていたが、ブロリーの相手にはならなかった。肌が少し色黒な所を除くと悟空にそっくりである。戦闘力500万。

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