ADONISの手記

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神農(封神演義【藤崎竜版】)

2015年11月16日 00時36分42秒 | 小説

(注)この話は藤崎竜さんの少年漫画版封神演義を原作にしています。

 

 俺の名は神農(しんのう)、現世ではグレイタイプの宇宙人ぽい種族をやっているぜ。

 元々の俺はただの日本人だったが死後に転生した。その際に出会った死神が特典を五つあげると言ってくれたから下記の特典を貰う事にした。

①『烈火の炎』の虚空の魔導具の製造技術
②『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』のロン・ベルクの鍛冶の技術
③『封神演義(藤崎竜版)』の太乙真人の宝貝の開発技術
④『幽☆遊☆白書』の美しい魔闘家鈴木の闇アイテムの製造技術
⑤『魔法少女リリカルなのはStrikerS』のジェイル・スカリエッティの人造生命体技術と機械兵器技術

 まあ、どれも物作り系の特典ばかりだが、俺はゲームや漫画とかに出てくる特殊な装備やアイテムとかが大好きだったので、そういった物作りの才能が欲しかった。スカリエッティだけは微妙に違うが、戦闘機人とかISとかも作れたらそれなりに面白そうからいいだろう。

 それで転生した世界は俺達の種族が始祖(始まりの人)と呼ばれている『封神演義』の世界だ。封神演義といっても、藤崎竜さんの少年漫画版だからかなりアレンジが加えられていて、原典と比べたらかなりの相違点がある世界だけどな。

 これは、伏羲(ふっき)とジョカ(漢字を正しく表示できないので以後これで統一します)を確認した事から確定された。

 原作においてこの始祖の故郷は発達しすぎた文明と、彼らのあまりにも強力すぎる破壊の力によって滅んでしまった。

 その辺りは詳しく描かれていなかったし、ジョカも「僅かなミスで滅んだ」と言っていたから本当に些細な過ちだったと思うが、恐らく戦争か何かで母星そのものが消滅してしまったのだろう。

 それもさもあらん。冷戦時の地球も、一歩間違えれば地球が滅亡してしまうという状況だったのだ。高度な文明を誇るだけでなく、一人一人が星を滅ぼしかねないほどの力を持つ社会ともなれば僅かな過ちで滅亡するという事態になっても可笑しくないだろう。

 それはそうと、問題はそれが何時起こるかだ。俺達の種族はなまじ不老長寿であるため、伏羲という原作キャラが確認できたとしても時系列が分かり難く、対処が難しい。滅亡のXデーが分かればいろいろと準備しやすいが、それは無理なのでちょっと面倒だ。

 とにかく伏羲たちと一緒に地球に降りれるようにしないといけないので、避難計画を立てながらこの星でいろいろやっていく事にした。

 しかし、始祖の文明は本当に半端ではないな。なんか原作が原始時代に感じるほどだ。宇宙船型宝貝で恒星間航行ができるって非常識だよ。不都合はないから早速避難先の地球を探して、その座標を登録しておいた。これで避難先には困るまい。

 ちなみに当時の地球は恐竜が絶滅した後の新生代で、類人猿すらいなかったから相当昔だ。いや類人猿自体が始祖が地球と同化した後で、誕生した設定だからそれも当然か。

 そんな訳でちょくちょくやっているけど、転生特典の恩恵もあって俺は仲間内じゃ技術者としてそれなりに優秀と評判だった。ここで評判がちょっと微妙なのは、彼ら自身がチートすぎて多少のチート能力では天才と持てはやされなかったからだ。俺としては別にそんな事はどうでも良かったが、それなりにやっていたという訳さ。

 最もそんな生活も数万年ほどで終わってしまう。結果をいえば原作通り俺たちの故郷が滅び、俺は伏羲たちと一緒に地球に下りることになった。実際に地球に下りたのは六人で、原作よりも一人多いのはどう考えても俺が加わった所為だろうな。どうでもいいけどな。

 その後、原作通りジョカは地球を故郷に似せる為に改造することを提案し、伏羲たちは地球と同化することを主張して対立した。俺は原作通りというのもちょっと困るから彼らを仲介して何とか宥める。

 確かにジョカのやり方は強引過ぎるが、かといって伏羲たちのように地球と同化するつもりなど俺にはない。そもそも折角手に入れた能力を放棄するなど俺の趣味じゃないな。この始祖の肉体は確かに宇宙人ぽいからアレだが、前世と比べたら信じられないほどのハイスペックなのだ。

 そんな風に話が上手くいかない膠着状態が続き何日か過ぎた。そんなある日、伏羲たちが俺の前に現れたが、どうも彼らの様子がおかしい。

「どうした?」

 そんな俺を質問を無視して、伏羲たちはいきなり俺を囲んで術を掛けてきた。

「なっ、どういう事だ!」

 いきなりの事に俺は慌てるというか、この流れはまさか…。

「ジョカを封印した。そしてお前も封印する」

 やはりそうか。こいつらはジョカだけでなく地球との同化を拒んだ俺も危険だと判断したのだ。

「おのれ!」

 俺は必死で抵抗するが四人がかりでは抗する術はなく、こうして俺は永久氷壁に封印され長きに渡り眠り続ける羽目になった。

 


3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yamamon)
2013-03-23 12:36:23
乙です。

生産チート系の特典ですか。
地味ですが、汎用性や発展性は高そうですね。
(まあ、効率面で考えればハルヒの「魔道具創造」と「下位世界に存在する人間が知りうる全ての知識」の二つで大体事足りそうではありますが)
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Unknown (Unknown)
2013-03-23 13:35:26
こーゆー発言は基本しない方なんですが敢えて

ほう……今正に藤崎版封神演義を読んでる俺にとって何とタイムリーな
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返信 (ADONIS)
2013-03-23 23:37:08
>yamamonさんへ
ハルヒのあれは確かにチートですね。神農の特典はアレに比べたらかなり控えめです。

>Unknownさんへ
そういう事もあるんですね(笑)。
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