ADONISの手記

主にADONISが書いた二次小説を公開しています。リンクフリーです。

14.決着

2016年10月18日 01時17分41秒 | 小説

 ミズナはベヅァーに押されつつも、何とか戦いを継続していたが、劣勢を覆せないでいた。ベヅァーにいくら攻撃しても、すぐに回復してダメージを与えられない。ヤツを抹殺するには、圧倒的な力で完全に消滅させるしかないだろう。だが、そうするには気を溜めなくてはならないが、そんな時間はない。このまま戦い続けたら、スタミナの問題で負けるだろう。
 
「シャアアアーー!!」

 ベヅァーに殴り飛ばされる。地面に叩き付けられたミズナに対して、ベヅァーが気功波を連続で放ち、それがミズナに命中していく。マズイ! ミズナは、このままではやられると思ったが、ベヅァーの動きが突然止まった。
 
 よくみれば、数十もの虹色のリングがベヅァーを拘束するかのように出現していた。虹色だと!? よく見ればシドゥリが、ベヅァーに向けてデバイスを構えていて、その側ではカリンは両手をベヅァーに向けていた。そう、シドゥリとカリンがベヅァーの動きを抑えていたのだ。
 
 シドゥリは、物理的な拘束力に特化したフィジカルバインドを、数十も全力で展開していた。フィジカルバインドは、物理的拘束に特化しすぎていて、魔法プログラムの方向からの耐久度は極めて低いが、物理面つまり力ずくでは破ることが難しい。魔法を使わない者に対して、極めて効果的なバインドであった。

 そして、カリンも天魔の力で、ベヅァーを抑えていた。
 
「ふん、ザコ共が…」

 そんな二人を見て、ベヅァーがあざ笑いつつ、あっさりとそれを破る。確かに二人の拘束は強力だ。しかし、ベヅァーを抑えるにはあまりにも力不足。二人もそれぐらいは予想していたのだろう。シドゥリは破れても、次々にフィジカルバインドかけていき、カリンも拘束をかけていく。
 
「よし、アクセスに成功したわ!」

 そこにみこの声が響く。ようやくできたか。ミズナの体に、様々な下位世界から集めた膨大な気が流れ込む。それは凄まじいサイヤパワーに変換されてミズナを超フルパワー超サイヤ人4を更に超えた超々フルパワー超サイヤ人4にした。
 
「なんだと!? これはエネルギーを集めているのか? そういうことか道理で……」

 さすがに、これにはベヅァーも気付いた。そして、拙いことに気付いて焦りだした。
 
「ちっ、邪魔だ!!」
「「きゃああっ!!」」

 一瞬で二人の仕掛けた拘束を破り、その余波で二人を吹っ飛ばす。シドゥリは聖王の鎧と騎士甲冑で、カリンは無敵結界でなんとか致命的なダメージは受けていないようだ。
 
「させるか!」

 ミズナがパワーを終える前に一気にケリをつける、とばかりに攻撃しようとするベヅァー。ベヅァーは、全力でミズナの胴体に拳を叩き込もうとしたが、その腕をミズナが掴んだ。
 
「ぐっ!」

 ベヅァーが、腕を動かそうとしてもまったく動かない。そうミズナが圧倒的な力で、ねじ伏せていたのだ。
 
「くそっ!」

 ベヅァーの体が、一旦エネルギー状態に分解され、ミズナから少し離れた場所に瞬時に集まった。
 
「貴様、その力はそこら中の下位世界から力を集めて、取り込んだのか!!」
「……」
 
 ミズナはそれに答えず、無言のままベヅァーに向けて右手を向ける。ドンッ!! 凄まじい勢いでベヅァーが吹っ飛ばされる。気合い砲。気合いで相手を吹っ飛ばすという物だが、今のミズナが放てば凄まじい威力となる。ある程度すると、ベヅァーは止まった。ミズナは、そこに追い打ちをかけるように突撃する。
 
「ぐはっ!?」

 ベヅァーは、ミズナに顎を殴り上げられる。そして、上空に上がった所で顔面を殴られた。
 
「ぐっ、おのれ!?」

 ベヅァーはミズナに殴りかかったが、ミズナはそれを避けて、ベヅァーを殴りつけた。更に続く応酬でベヅァーはミズナに押し負けていく、もはやベヅァーの劣勢は誰の目にも明らかであった。
 
「こんな、バカな! この私が押されているだと…!」
「バカなことではない。私はお前が破壊しようとした下位世界から力を借りているが、これは紛れもない事実よ」

 所詮は借り物の力なれど、今この力を行使できるという事こそが重要だ。

「おのれーー!?」

 ベヅァーは激怒したが、安易にミズナに襲い掛かろうとはいない。ミズナを警戒しての事だろう。次第にミズナとベヅァーが睨み合いを続ける中でベヅァーが口を開いた。

「上位世界人よ。お前に訊きたいことがある」

 聞きたいこと? ベヅァーがトリッパーに? ベヅァーが他者に質問をするなど聞いたこともない。となると何かあるのか?
 
「上位世界人よ。お前たちは何故、破壊を否定するのだ?」

 それは疑問だった。
 
 破壊神ベヅァー。それは下位世界の存在であるが、上位世界人が直接創造した者ではない。創造された世界群の反作用、つまり副作用にすぎない。創造主たちに望まれて生まれた者ではない。むしろ創造主たちに忌み嫌われ続けた者。

「それは、下位世界を守る為よ」
「ふん、下位世界などただの作り物。まやかしにすぎんではないか!」
 
 そう、下位世界は自然に誕生した世界ではない。あくまで上位世界人の妄想が、創作物という媒体を模倣して具現化した世界にすぎない。いうならば、物語をコピーしただけの偽物の世界。上位世界を本物の世界とするならば、下位世界は偽物の世界だ。
 
「そんな紛い物ない方がいいだろう!」
「それは違う。確かに下位世界は私達が創造した物で、そこに住まう者達も物語の登場人物の模倣にすぎないかもしれないけど、彼等は生きている。私達の勝手な判断で消して良いものじゃない」
 
 ミズナは、これまであった下位世界の人々を思い出す。自分と同じサイヤ人たち、ブルマ一家、ヤードラット星人、それは偽物でも紛い物でもなかった。彼等は皆生きていたのだ。
 
「だが、お前たちトリッパーとて、下位世界で好き勝手する者が多いだろう」

 これは耳が痛い。確かに「チートオリ主だ」とか「原作ブレイクだ」などと言って好き勝手するトリッパーは多い。トリッパーといっても清廉潔白な存在ばかりではないのだ。前世で存在しなかった知識や能力を持つと増長する者がいるのは当たり前である。
 
「そうね。そうしたトリッパーが多いのは認めるわ。でも彼等が活動するのは下位世界の並行世界の一つにすぎない。いわば無限の可能性の中で一つだけ好きにしているにすぎないわ。お前の様に並行世界を丸ごと破壊するなどしないもの」
 
 迷惑を与えているにしても規模が違う。無限に存在する並行世界では、例えトリッパーの干渉で大幅に歴史が変わってしまったとしても、それも可能性の一つにすぎない。これが並行世界のすごいところであろう。それだけに並行世界を丸ごと滅ぼすベヅァーがどれだけ規格外か分かる。
 
「ベヅァー、お前はもう終わりよ。大人しく無にかえれ!」
「確かに今回はこれで終わりだ。だが、下位世界が存在する限り、俺はいつか復活する。そして下位世界を滅ぼすのだ」

 残念だがそれは事実だ。今回倒せたとしても、反作用がたまればベヅァーは完全な状態で復活できる。
 
「そうさせないためのトリッパー。そして監察軍よ。例えそうなっても私達は阻止してみせるわ」
「……まったく忌々しい」

 毒づきながら、ベヅァーは沈黙していく。ミズナはもう話すことはないから一気にケリを付けることにした。
 
「いくぞ! オラオラオラオラオラオラーーーー!!」

 ミズナは、ベヅァーを連続で攻撃する。その一撃一撃の威力は常軌を逸していた。その余りの威力は、ベヅァーを構成する反作用をもうち砕いていく。
 
「ぐぐぐっ、ああああーーーー!!」

 そして、再生することもできないほど叩きのめされ、ベヅァーの体が崩壊してやがて滅びていった。
 


「やったわねミズナ!」

 ベヅァー消滅にシドゥリが歓声を上げた。

「ええ、やりました。ありがとうシドゥリ、カリン、みこ。おかげでベヅァーを打つことができました」
 
 ベヅァーを倒したとはいえ、その被害は甚大だ。それをどうするのか頭が痛い問題であったが、ミズナはそれを後回しにするのであった。

 

超戦士伝説オリジナルの戦闘力情報(1垓=10の20乗)
 
ミズナ(超サイヤ人4):戦闘力80京~800京
ミズナ(超フルパワー超サイヤ人4):戦闘力800京~8000京
破壊神ベヅァー(100億分の一にまで弱体化):戦闘力1垓
ミズナ(超々フルパワー超サイヤ人4):戦闘力8000京~8垓

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