エイジ742
ヤードラット星人に瞬間移動を教えて貰った。具体的には頭を下げて瞬間移動を教えて下さいと頼んだ。瞬間移動はなかなか修得するのが難しく一年以上も掛かってしまった。原作の悟空もこれには苦労したから無理もないけどね。でも瞬間移動は私の物になった。
この間、ブロリーの修行に付き合って上げた。さすがにサイヤ人随一の才能を持つだけあって凄まじい勢いで力を付けている。今はまだ私の方が戦闘力は上だが、このまま成長すれば私をも圧倒しかねない。でもブロリーが力を付けるのは正直有り難い。実のところ私は強くなりすぎてしまい、組み手の相手がいなくなってしまった。修行するにしても対戦しながらの方が伸びが良いからブロリーが私とある程度は打ち合えると都合が良い。
「姉上、どうですか?」
「うん、良いわね筋が良いわ」
すでにノーマル状態の私とある程度は戦える用になっていた。この手の修行には怪我がつきものですが、宇宙船の中にメディカルポッドもあるので死ななければ治療できる。
「それで姉上これからどうするのですか?」
ブロリーの質問だった。
実は瞬間移動を覚えるためにヤードラット星に来たのだからもう目的は達成している。他の能力はいまいちな物や修得できない物が多いからもう潮時でしょう。それにヤードラット星人から見れば私達は余所者ですから、あまり長く居座るのも迷惑だと思うしね。
でも今後の予定がないのだよね。原作の関係で地球やナメック星に行くわけには行かないし。当てもなく宇宙を放浪するか? そんなことを考えていると不自然な気に気付いた。
「……そこにいるのは誰です?」
感じられる気はヤードラット星人の物ではない。
「失礼する」
物陰から現れたのは地球の神にそっくりな人物。
「ナメック星人!?何故ここに!」
そこにいたのは年老いたナメック星人だった。
「私の名はナジマという。見ての通りナメック星人だ。そして元は日本人だった者といえば分かるかな?」
「日本人!?」
その言葉が出てきたのにミズナは驚く。『ドラゴンボール』の地球は一つの国に統一されていて、一人の国王が統治している。つまり日本という国も日本人という言葉も無い。ということは。
「まさか貴方は……」
「その事で貴女と二人だけで話しておきたい事があるのですが……」
ナジマはブロリーを見る。
「ブロリー、悪いけど暫く席を外して欲しいわ」
「……わかりました姉上」
私はブロリーを遠ざける。この話はブロリーに聞かせるのは拙いからね。
「それで話とは?」
「ええ、実は……」
ナジマはここでブリタニア帝国と様々な異世界で活動するトリッパー支援組織『三千世界監察軍』のことを話した。
「……成る程、まさか私と同じようなトリッパーがそんなことをしているとはね」
面白い。これから当てもなく宇宙を放浪するつもりだったが、監察軍に行く方が楽しめるでしょう。
「では貴方も私と同じトリッパーですか?」
「そうだ。私は憑依型だがね」
憑依つまり私のように生まれ変わるのではなく気が付けば別人の身体になっていたという奴でしょう。
「それで、わざわざここまできたのは?」
「そのことだが君を監察軍の本部案内したい」
「でも弟もいますからね」
私一人なら問題ないがブロリーもいるとなると即答できない。
「それなら弟さんも一緒で構わない。ただ弟さんには下位世界の秘密を知られないようにして欲しい」
「わかったわ。取り敢えずヤードラット星人の方々とお別れしてからブロリーと一緒に其方に向かいますわ」
ブロリーには元々話すつもりはないから問題ない。かくして、ミズナは監察軍と接触するようになった。
三千世界監察軍。元々は『魔法少女リリカルなのは』の世界の並行世界に転生したトリッパー『シドゥリ・エルデルト・フォン・ヴァーブル』が創設した組織で、様々な下位世界にいるトリッパーを支援している。それはドラゴンボールの世界にトリップしたミズナも例外ではない。
「腕時計型の重力制御装置?」
「そうだ君の持っている重力制御室よりも便利だろう?君とブロリーの分を用意して置いた」
私は既にノーマル状態で1000倍の重力を克服しています。だからいっそのこと監察軍の技術で新しい重力制御室を作ってもらおうと考えていた。腕時計型ですか。そこまで小型化できるとは、さすがは数多の世界の技術を収集している監察軍ですね。かつてのツフル人でもそんなの作れなかったよ。まあ、不都合はありませんし、便利に使えるというのはありがたい。
ドラゴンボール世界では修行というのは大切な事です。そのため様々な修行法が考えられ実行された。私の重力制御室もその一つですね。だから魔法技術も利用されて作られたこの超小型重力制御装置は非常に便利だ。重力は10,000Gまで上げられるようです。まあいくら私でも超サイヤ人でない状態で10,000Gなんて負荷を掛けたら死んでしまうよ。
そういえば私もなにげに超サイヤ人2になりました。私は超サイヤ人の状態に慣れた後で戦闘力を向上させる事に集中して、十分に戦闘力が高まると超サイヤ人2になる挑戦をした。私が十分な戦闘力を身につけていたのか、チート能力ゆえか、苦もなくあっさりとなれた。
超サイヤ人になったときも思ったが、私の場合は覚醒には強い感情はそこまで必要ではないようです。なろうと思い意識するとなれるような感じです。チート万歳。自分でも恐ろしくなるほどのスペック。死神から与えられた超戦士の資質は伊達ではない。この様子だと、すぐに超サイヤ人3にもなれそうだ。
最もあれは生身でなるには身体の負担がきつすぎるから超サイヤ人4を目指すべきかもしれない。まあ、あれに関してはいくらなんでもまだ早すぎるかな? もっと強くならないとね。
監察軍との接触から五年がすぎた。私はその圧倒的な戦闘能力から実戦部隊に熱烈にスカウトされました。実戦部隊は武力行使を行う部隊で空戦魔導師や超能力者など戦闘に長けた者達が集まっている部隊。
ブロリーは私の補佐というか、監察軍はブロリーを恐れて、私にブロリーのお目付役を頼んでいます。ブロリーはそんな怖いかな? いや、トリッパーならば、ドラゴンボールの映画版も知っている者が多いから無理もないか。どうも私はブロリーと一緒に生活しているからその辺りの感覚がズレているようです。ブロリーは普段は無口で大人しいですよ。躾はちゃんとしています。でもやっぱりサイヤ人ですからね。私が組み手をして上げたりして闘争本能を発散させている。
サイヤ人は闘争本能が極端に高い。戦闘狂といっても過言ではありません。前世の記憶から倫理道徳をある程度弁えていた私でさえ、星の地上げという大量虐殺行為に対してもなれてしまい罪悪感が薄れていったほどですから。
これではブロリーをまともに生活させるのは難しい。だからガス抜きとして様々な仕事を受けた。監察軍はその活動内容から多種多様な世界と接触している。そのため強者に事欠かず戦う相手には不自由しない。フリーザのように、その世界の者では手に負えない者が暴れ回っていて、監察軍にそれの始末を頼む事が割とあるんです。
私は超サイヤ人2になれるようになり、その時の戦闘力は1500億を超えています。ただ今の私では魔人ブウ辺りになると手に負えないので戦う相手の強さには注意を払っています。
戦闘力に換算して10万を超える強さを持つ者が相手なら、監察軍でも確実に勝てる者は私とブロリーぐらいになる。他の者では手に余るからね。だからそういった連中を優先的に始末していった。かなり強いだけあって、倒したときの報酬もそれなりに多く貴重な収入になっている。
実はサイヤ人は大飯喰らいだ。常人の数倍は食べる。私とブロリーの生活はエンゲル係数がやたら高く食費がかさむので、収入もその分多く必要だった。だから正直この収入が生命線だよ。そうでなかったら破産していたね。一般的な収入では、どっかの世界で狩猟でもして自給自足で食料を調達しないと採算が合わないほどエンゲル係数が高いから。
一応、トリッパーである私自身は監察軍から最低限の衣食住は保証されているが、私も大食らいですから、それをオーバーしている食費だけは自前で稼がないといけません。
ドラゴンボールとドクタースランプの世界観が共有なのをビデオで見ました。
この世界では、「鳥山ロボ」はどうなっているのでしょうか? メタになりますが「日本人」ですよね?