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普段色々考えていることの日記です。

『ナイルに死す』アガサ クリスティー

2008年01月27日 | 推理小説
ナイルに死す (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ クリスティー
早川書房

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『ナイルに死す』アガサ クリスティー (新潮文庫)

 アガサの代表作です。

 新潮文庫はアガサ・クリスティシリーズを『アクロイド殺人事件』から始めているのです。
 そのあと短編集2冊、『ナイルに死す』『オリエント急行殺人事件』と続いています。
 そして、私もアガサを始めるにはこの順番がよいと思います。
 ただし、アガサの前にある程度推理小説を読んでいればですが。
 読んでいなければ私としてはまず最初に『ナイルに死す』をお勧めします。
 というのも、ここに推理小説のすべて、アガサのすべてがあると思うからです。

 『メソポタミア殺人事件』の時も思ったのですが、なんだかこの頃ぐらいからアガサの作品は最後に言い知れない悲しみを背負い始めてきた感じがするのです。
 殺人が起こる→犯人が捕まる→大団円
 じゃなくて、何とかこの犯行を止めることができなかったのか。
 と歯噛みしたくなるのです。
 だからこそ名探偵たるポワロの位置も微妙なものになり……
 名探偵は犯罪の真相を暴くことはできても、犯行を止めることはできないのだと、なんだか言い知れない焦燥感を感じてしまうのです。

 名探偵とは、むしろ悲しい存在なのかもしれません。


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