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~我々は皆少しおかしい(イタリアの慣用句)~

普段色々考えていることの日記です。

鎌倉時代関連の本

2008年07月30日 | 雑記
日本史の中で私がもっとも熱くなる時。
それが鎌倉時代。
正確に言えば「治承・寿永の乱」の時です。
日本史習っていない人にはさっぱり分からない言葉ですが、有り体に言えば源平合戦の時です。
ということで、私がなんだかんだと参考にしている本です。

1次史料
メインストーリー
吾妻鏡:1180年(治承4年)の頼朝挙兵から1266年(文永3年)宗尊親王送還まで。
源平盛衰記:平家物語の二番煎じ。
平家物語:清盛の父親忠盛の殿上闇討から安徳天皇の母親建礼門院が亡くなるまで。

サブストーリー
将門記:「平将門の乱」を書いた日本で最初の軍記物語。延長9年(931年)ごろから天慶3年(940年)ごろまで。

純友追討記:「藤原純友の乱」を書いた軍記物語。漢文なので何が書いてあるかよく分からないが、雰囲気だけ。

陸奥話記:「前九年の役」を書いた軍記物語。源頼義の奥州赴任(1051年)から安倍氏滅亡(1062年)まで。八幡太郎義家の伝説はここから始まる。

今昔物語:武士に関する説話がたくさん書かれている。「前九年の役」についても記述がある。

奥州後三年記:「後三年の役」を記した軍記物語。応徳3年(1086年)の沼柵の戦いから、義家が陸奥守を解任された寛治2年(1088年)まで。頼朝の先祖八幡太郎義家の話だがその郎党に後に頼朝の家人となる三浦や梶原の先祖が顔を並べている。

保元物語:保元元年(1156年)に起こった「保元の乱」を記した軍記物語。鳥羽法皇の崇徳院への譲位問題から崇徳側の敗退まで。「四部合戦状」(しぶがっせんじょう)の最初の物語。

平治物語:平治元年(1159)に起こった源義朝の軍事クーデター「平治の乱」を書いた軍記物語。頼朝の死後書かれたので頼朝が英傑扱いされているが、何より活躍するのは頼朝の兄・悪源太義平である。

義経記:源義経とその主従を中心に書いた軍記物語。ぶっちゃけ信憑性は全くないけど、義経一代記として読むとかなり面白い。

壇ノ浦夜合戦記:義経と安徳天皇の母建礼門院が……(自主規制)。

曽我物語:建久4年(1193年)5月28日に富士の巻狩りの際に起きた事件、「曾我兄弟の仇討ち」を題材にした軍記物語。

承久記:承久3年(1221年)に起きた承久の乱を記した合戦記。「四部合戦状」(しぶがっせんじょう)の最後の物語。後鳥羽上皇の記述から始まり、土御門上皇の配流に終っている。

サブテキスト
玉葉:関白・太政大臣九条兼実の日記。1164年(長寛2年)から1200年(正治2年)まで。
愚管抄:九条兼実の弟・慈円による史論書。承久の乱についての批判書。

歴史小説家たちは他にも色々参考にしているらしいけど、原文が手に入らないので私は知らない。「北條九代記」とか読んでみたいんだけどな。

2次史料

歴史小説家たちが独自の史観に基づいて歴史上の人物の考察を試みているエッセイ集です。
知っているようで知らない人物像に目から鱗です。
私の中で読みやすいのは永井路子。
様々な伝承や史料を比較検討して人物像に迫っているのが海音寺潮五郎。
宮尾登美子に関しては、う、う~ん。まぁ、所詮エッセイなので良いんじゃないでしょうか。

永井路子
「はじめは駄馬のごとく-ナンバー2の人間学」
「相模のもののふたち-中世史を歩く」
「つわものの賦」
「源頼朝の世界」
「平家物語の女性たち」
「歴史の主役たち 変革期の人間像」:伴善男、源義家、平忠盛、清盛、源頼朝、後醍醐天皇、文観、楠正成、足利義満、足利義政、日野富子


海音寺潮五郎
「武将列伝1」文春文庫:悪源太義平、平清盛、源頼朝、木曾義仲、源義経
「悪人列伝2 中世篇」文春文庫:藤原兼家、梶原景時、北条政子、北条高時、高師直、足利義満
「覇者の條件」文春文庫:平清盛、源頼朝、北条泰時、他

宮尾登美子
「義経」
「平家物語の女たち」

梶原等「梶原景時―知られざる鎌倉本体の武士」新人物往来社

笹間良彦「鎌倉合戦物語」雄山閣出版

小説

ぶっちゃけ永井路子の作品で鎌倉時代にはまったので、彼女の作品は多めです。
司馬遼太郎は『義経』読むまで嫌いでしたが、今は大好きです。
永井路子と司馬遼太郎は作品の方向性はまったく逆ですが、その逆の方向性のどちらもを睨むのが歴史小説を楽しむ醍醐味だと思います。
どっちか片一方しか知らないのはものすご~く損。
司馬遼太郎
『義経』

永井路子
『絵巻』:平忠盛(平清盛の父)、丹後局(後白河の寵姫)、平知康(時の権力者であった後白河、源義経、源頼家に次々とすり寄っていった鼓の名手)、源通親(女性関係を巧みに利用して権力を掴んだ久我源氏)、藤原兼子(後鳥羽の乳母として権力をわがものにした)
『波のかたみ 清盛の妻』:平時子(平清盛の妻)
『寂光院残照』:寂光院(建礼門院徳子)(平清盛の娘、安徳天皇の母)、源実朝、土佐坊昌俊、源頼朝
『炎環』:僧全成(源頼朝の弟、義経の同母兄)、梶原景時、北条保子(北条政子の妹、全成の妻)、北条義時
『北条政子』
『執念の家譜』:三浦一族、曽我兄弟、松永久秀、長谷川等伯、小早川秀秋、宮部長煕、山口重政
『闇の通い路』

ここからはまだ読んでいない作品群。
いつか読みたいな。
悪書も含めて。

高橋直樹『鎌倉擾乱』文芸春秋:源頼家(頼朝の息子)、平三郎頼綱、北条高時

小川由秋『木曽義仲』PHP研究所

佐久積『木曽義高と大姫』叢文社:木曽義高、公暁、岡崎義實

三田誠広『清盛』集英社

中津文彦『最後の御大将 平重衡』PHP研究所

永井秀尚『修羅の巨鯨 伊東祐親』叢文社

大内政之介『戦場の恋』筑波書林:佐竹秀義

谷恒生『那須与一』河出書房新社

古田十駕『風譚(ふうたん)義経』文芸春秋

安部龍太郎『血の日本史』新潮社:平将門、前九年の役、後三年の役、源為朝、平治の乱、僧俊寛、木曽義仲、源頼朝、実朝、承久の乱、他
*安部という名字が微妙に気に入らないんだけど(偏見)、前九年の役とか後三年の役とかちょっぴりマイナーどころを書いているのが気になる

風野真知雄『義経の龍虎』新人物往来社:佐藤忠信、佐藤継信

山岡荘八『源頼朝』全3巻
*ものごっつい読む気にならない小説。本屋で何度もパラパラ読むのだけど、どうしてもそのままレジへ行く気がしない。歴史小説というより軍記小説っぽいからかな。

宮尾登美子『平家物語』全4巻:平清盛、平時子
*これも大河の時手に取ってみたが、いまだに買う気がしない。ぶっちゃけ本物の『平家物語』の方が面白いからな~。平時子の物語が読みたければ、永井路子の『波のかたみ 清盛の妻』で十分だし。

大佛次郎『源実朝』

貫達人『畠山重忠』吉川弘文館

戦国時代を舞台にした話が無い~と嘆いていたら、この人が書いていました。
さすが司馬先生。

司馬遼太郎:戦国時代
『国盗り物語』全4巻:斎藤道三 織田信長 明智光秀
『箱根の坂』全3巻:北条早雲
『夏草の賦』全2巻:長曾我部元親

織田信長、豊臣秀吉、徳川家康は有名すぎるのでパス。
その他マイナー(?)大名

海音寺潮五郎『武将列伝(三)』文春文庫:大友宗麟、他
海音寺潮五郎『武将列伝(五)』文春文庫:長曾我部元親、他
海音寺潮五郎『悪人列伝(三)近世篇』文春文庫:陶晴賢、宇喜多直家、他
中村整史朗『尼子経久』PHP研究所
羽山信樹『尼子一族興亡記』新人物往来社:尼子経久、新宮党、山中鹿之助
神川武利『竜の夢 尼子経久』
御建龍一『文武の将 大内義興』
*尼子、大内、大友、長曾我部、そして陶晴賢、宇喜多直家、山中鹿之助でお釣りが来るぐらい大河ドラマのネタが余っているのになんでこの辺をやらないんだろう。毛利元就関連も吉川、小早川であと2回はリサイクルできるのに。

参考にしたサイト
歴史小説中毒http://shohyou.cool.ne.jp/index.html
時代小説県歴史小説村http://lounge.cafe.coocan.jp/novels/
歴史小説散歩道http://camui.secret.jp/rekishi/
歴史小説の部屋http://city.hokkai.or.jp/~masato/

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