プロジェクト○川

学生に本を読んでもらおうという,ただそれだけのはずでした

ボルドーとブルゴーニュの違いのひとつ

2017年05月28日 | ワインとか
少しは他のことも書かないと…ということで、マット・クレイマー『マット・クレイマー、ワインを語る』(白水社)から引用。

ここに興味深いことがある。(ボルドーの)格付けシャトーが地所を拡げるのはどこもしてきたことで、何の問題もない。格付けシャトーは同一地区または村内のブドウ畑なら、畑の実力に関わりなく、どれでも買収できる。するとほら、買った土地は何であれ、自動的に一級や二級の格付けとなる。
だが、この「シンデレラ効果」の逆は成り立たない。格付けのないシャトーが格付け畑を買い入れても、その畑は新所有者の低い地位に降格してしまうのだ。
いっぽう、ブルゴーニュは土地の尊厳がすべてであり、ブランドは関係ない。グランクリュのブドウ畑は誰の手にあろうがグランクリュで、つまりひどいワインができてもグランクリュである。
さらに収量の問題がある。ピノ·ノワールを愛する人なら、誰でも低い収量の大切さを知っている。 1エーカー当たり11トン(1ヘクタール当たり三十ヘクトリットル)を大きく超えてしまうと、ワインは凡庸を免れなくなる。ブルゴーニュの偉大な造り手、 たとえばドメーヌ·ルロワに至っては,その半分にまで絞り込む(それゆえワインも比類がない)。(p.173)

ワインの世界におけるブランド(地域名)のツートップが、ボルドーとブルゴーニュであることに異を唱える人はいないはず。

そのどちらにも厳格とされる格付けがあるのだけれど、その実態がこんなに違うというのは、ちょっとした驚きなんだけどねー…うちの関係者にはあまり興味のない話でしょう。

ところで、僕のワインにおける"salao"(worst form of unlucky)は、さっき開けたフィリップ・コランのシャサーニュ・モンラッシェで、ようやく終わりを告げました。

旨い!…もっとも、僕が飲むなかではずいぶんと高いワインなんだけどね。

-----
この春に卒業したK倉さん(賭けてもいいけど、このブログなんて読まない・笑)に、D学(無意味なイニシャル化)の先生は高給取りだから、高いワインくらいバンバン開けられるものだと思っていた、と言われたことがあります。

確かに、T洋経済だとかDイアモンド(ここも無意味に)なんかをみると、D学の先生はずいぶんと高給取りということになっていて驚いてしまう(たぶん副収入も入れてのことなんでしょう)。でも、幸か不幸か、うちはその平均よりはだいぶ下です。理系はお金がかかるのよ…それでもこのご時世でと考えると、文句は言えないやね。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする