弁当日記

ADACHIの行動記録です。 
青年海外協力隊で2006年4月からバングラデシュに2年間住んでました。

バングラデシュのニュース(2016/12/18)

2016年12月18日 | バングラデシュのニュース
◆イベント情報◆
◯過酷な児童労働からの解放へバングラデシュの少女たちに教育を! 12/20
 https://readyfor.jp/projects/girls_education
〇【岡山市】もんげー岡山の国際協力!
 バングラデシュの活動から、国際協力のカタチを考える   12/23
 https://www.jica.go.jp/chugoku/event/2016/20161205_01.html
〇【今年も12/23に開催!】NPO法人設立2周年記念!豪華ゲスト大集合! 12/23
 「e-Education感謝祭’16」のご案内
 http://peatix.com/event/218381
〇イスラム映画祭2 上映作品「泥の鳥」  1/15
 http://islamicff.com/movies.html
〇女性活動家コルポナ・チャクマのドキュメンタリーを作成したい! 1/16
 https://readyfor.jp/projects/kolpona2017
〇~ もっと知りたいボンドゥ(だち)の国~  バングラデシュの手仕事 1/17
 https://www.facebook.com/events/234325820321527/
〇バングラデシュに医療を 神戸の医師、資金募る     1/20
 https://readyfor.jp/projects/medical-care_slums_bangladesh

■見出し(2016年12月18日) No2016-51
〇女性活動家コルポナ・チャクマのドキュメンタリーを作成したい!
〇【今年も12/23に開催!】NPO法人設立2周年記念!豪華ゲスト大集合!
 「e-Education感謝祭’16」のご案内
〇~ もっと知りたいボンドゥ(だち)の国~  バングラデシュの手仕事
〇【岡山市】もんげー岡山の国際協力!
 バングラデシュの活動から、国際協力のカタチを考える
〇バングラデシュに医療を 神戸の医師、資金募る
〇バングラデシュ低・中所得層向け住宅融資20年までに1.2兆円 世銀予測
〇バングラデシュ、機械輸入額7~9月期倍増 縫製分野に欧米の「外圧」
〇薗浦外務副大臣とムヒト・バングラデシュ財務大臣一行との昼食会
〇女性が活躍する社会へのヒント‐バングラデシュのリーダー取材からの考察
〇Primetals Technologies、バングラデシュのGPH
 イスパットから電気炉と連続圧延ラインを含むミニミルを受注
〇山口絵理子が探し続ける「輝ける場所」とは?
 マザーハウスが起こしたモノづくりの奇跡
〇起業家山口絵理子に聞く“異国間コミュニケーション”
〇イスラム映画祭2 上映作品「泥の鳥」
〇母国でラーメン店 夢へ一歩
〇「過激」な海外ドラマでTV業界に打撃、離婚率も上昇?バングラ
〇スー・チーにも見捨てられた?ミャンマーのロヒンギャ族
〇ロヒンギャ2万1000人、ミャンマーからバングラデシュへ脱出
〇10月からの数週間で2万1000人のロヒンギャ族がバングラデシュに避難
〇少数民族ロヒンギャ問題、スー・チー政権に打撃

■女性活動家コルポナ・チャクマのドキュメンタリーを作成したい!
 https://readyfor.jp/projects/kolpona2017
 (READYFOR 2017年1月16日まで)

プロジェクト概要

20年前に誘拐されたバングラデシュを支えた女性活動家
コルポナ・チャクマ氏のドキュメンタリーを作成したい!

はじめまして、国際協力NGOジュマ・ネットの下澤嶽です。シャプラニール=市
民による海外協力の会、国際協力NGOセンターの事務局長を務め、今は静岡文化
芸術大学で働いています。2002年3月、チッタゴン丘陵の先住民族ジュマのため、
ジュマ・ネットという団体を設立し、紛争と民族対立が続いている同地域の平
和促進のために活動を続けています。

1996年6月12日に、バングラデシュ・チッタゴンにおいて丘陵女性連盟の事務局
長であったコルポナ・チャクマ氏(当時23歳)が軍人たちに誘拐され行方不明
となりました。コルポナ氏は未だに行方不明で、まともな調査をされていませ
ん。バングラデシュでは真相解明と犯人の特定を訴える運動が年々拡大し続け
ています。この運動を成功させるためにも、世界中の人がこの事件の顛末と関
係者の証言を知ることができるドキュメンタリーフィルムを作成したいと考え
ています。フィルムは英語と日本語のテロップが入ります。

しかし、残念ながらこのフィルムの制作資金が充分に足りていません。そこで
今回、制作費用の一部である30万円を目標にクラウドファンディングに挑戦い
たします。どうか皆様、ご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。


20年間守られ続けてこなかった和平協定。
ドキュメンタリーフィルムを作るなら、今しかありません。

1997年、先住民族によって組織されたチッタゴン丘陵人民連帯協会(Parbatty
a Chattagram Jana Sambati Samiti, PCJSS)と現在の政府与党・アワミ連盟の
間で和平協定が調印され、正式に紛争が終結しました。(参考:UNDP)

しかし、協定が結ばれて以後も、住民へのケアはいまだに十分実施されていま
せん。軍隊はそのまま駐留しており、ジュマの人々は日々不当な逮捕やレイプ
被害におびえて暮らしています。

そのような中でも、コルポナ・チャクマ誘拐事件の真相究明運動は、年々大き
くなり、ジュマの党派を超えて、共通の運動になっています。さらに国際的な
関心を高めるためには、ドキュメンタリーフィルムの作成が重要だと考えてい
ます。コルポナ氏の家族や友人たちは、今回の私たちの活動に賛同してくれ、
脅迫をおそれず証言をすることを約束してくれました。今、このタイミングだ
からこそ、フィルムをつくるチャンスはないと思います。

今回制作するドキュメンタリーフィルムについて

2016年8月から、今回のフィルム制作のために撮影活動に入っています。最初は
チッタゴン丘陵の風景や人々の生活の様子を撮影し、今は徐々に証人の証言の
撮影を始めています。軍の監視が厳しいため、撮影には大きな危険が伴います。
証言の撮影はできるだけチッタゴン丘陵以外で行い、撮影と編集は現地のこと
に詳しいジュマの監督にお願いしています。

英語、日本語のテロップを入れて編集をし、4月には完成させる予定です。完成
後は上映会を日本で実施するとともに、SNSなどで世界中に配信する予定でいま
す。

コルポナ・チャクマ氏誘拐事件の真相解明のために。

近年、コルポナ・チャクマの真相究明の運動は、年々その高まりを見せていま
す。昨年はアムネスティ・インターナショナルが署名活動を行いました。事件
の様子が映像で伝わることで、国内の関心と合わせて、世界中の関心を集める
ことができます。そうすることでバングラデシュ政府や軍もその必要を認め、
真相究明と犯人への法的処置を適正に行う可能性があります。またそれが、実
施されていない和平協定の実施へとつながる可能性も秘めています。

今回のプロジェクトを実現することで、事件の真相解明およびバングラデシュ
の平和構築・和平協定を遵守させるムーブメントを起こせるのではないかと考
えています。どうか皆様ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。


このプロジェクトの実施について

本プロジェクトについては、監督・制作スタッフの身の安全を鑑み、本プロジ
ェクトページでは詳細を紹介いたしません。万が一、政情の変化等によりプロ
ジェクトの実施が困難となった場合、本プロジェクトで募った資金は、チッタ
ゴン丘陵の問題解決と平和構築を目指す国際協力NGOであるジュマ・ネットの活
動資金に充てさせていただきます。

その際、リターンである、今回作成するドキュメンタリーフィルムDVD・上映会
については、代わりに「ドキュメンタリーフィルム コルノフリの涙」の送付を
持って代えさせていただきます。予めご了承くださいませ。

□国際協力NGO ジュマ・ネット
 ~バングラデシュ、チッタゴン丘陵地帯の紛争解決と平和促進を目指して
 http://www.jummanet.org/



■【今年も12/23に開催!】NPO法人設立2周年記念!豪華ゲスト大集合!
 「e-Education感謝祭’16」のご案内
 http://peatix.com/event/218381
 (e-Education 2016年12月23日)

詳細
この度、NPO e-Educaitonは無事に2周年を迎えることができました!
皆様への日頃の感謝の気持ちを込めて、2周年記念イベントを開催いたします!


<イベント概要>
日時:2016年12月23日(金) 16:00~18:30
場所:Impact HUB Tokyo (東京都目黒区目黒2-11-3)
参加費:一般3,000円 / 学生1,500円(事前申し込み)
※学生の方は、当日受付にて学生証をご提示ください。
※当日現金でのお支払いは、一般3,500円 / 学生2,000円となります。

<目玉コンテンツ>
①豪華ゲストをお招きしてのトークセッション!
②立食形式の懇親会!(活動地域アジア各国のビールもご用意!)
③【海外プロジェクトに挑戦したい学生必見!】
e-EducationのOBOG(元海外プロジェクト担当)による活動紹介ブースを設置し
ます!

<ゲスト>
・筒井菜月様(2017ミス・インターナショナル 日本代表)
・奥田雄一郎様(NPOコミュニケーション支援機構 理事・運営委員)
・牧浦土雅(TED『世界の12人の若者』、AERA『日本を突破する100人』選出。
元e-Educationルワンダ担当)

当日はその他にも、今年1年間の海外での挑戦記のご報告や、海外現地パート
ナー数名を招き、トークセッションの場を設け現地でe-Educationを支える生の
声を届けます。

もちろん参加者同士の交流のお時間もたっぷり設けさせていただきますので、
ごゆるりとお楽しみください。

皆様の参加をお待ちしております!



■~ もっと知りたいボンドゥ(だち)の国~ バングラデシュの手仕事
 https://www.facebook.com/events/234325820321527/
 (日本・バングラデシュ文化交流会 2017年1月7日)

7月1日に起こったダッカでのテロ事件以降、バングラデシュは安全面での厳し
い状況が続いています。でもバングラデシュの多くの人々は質素な暮らしを営
み、日々生きるために一生懸命です。そんなバングラデシュ農村の素顔を知っ
てください。
青年海外協力隊手工芸隊員として刺繍製作活動を行った佐藤奈保子さんが、バ
ングラデシュの手仕事と、農村で昔から伝えられる伝統刺繍ノクシカタの魅力
について話します。
H&T(Handicraft&Tailoring)手工芸品製作の活動紹介と、ノクシカタ刺繍体験コ
ーナー、現地で作ったノクシカタ刺繍製品の展示販売も行います。
参加費無料、どなたでもご参加できます。

お話:佐藤奈保子さん
ノクシカタ刺繍体験コーナー
展示・販売

日時 :2017年1月7日 13:00 - 15:00
会場 :JICA地球ひろば
    JR線・東京メトロ有楽町線・都営新宿線「市ケ谷」徒歩10分

お申込み:NPO法人日本・バングラデシュ文化交流会
    info@jbcea.org
後援:JICA
この講演会はゆうちょ財団の支援を受けて行っています。



■【岡山市】もんげー岡山の国際協力!
 バングラデシュの活動から、国際協力のカタチを考える
 https://www.jica.go.jp/chugoku/event/2016/20161205_01.html
 (JICA中国 2016年12月23日)

日時:2016年12月23日(金曜日)
   16時00分から18時00分(15時30分受付開始)
会場:インド家庭料理 ミレンガ
   (岡山市北区野田屋町1-3-3)
主催:JICA中国

チャイを飲んで体操を踊ると、バングラデシュが見える!?

バングラデシュってどんな国ですか?この質問に迷わず答えられる人はなかな
かいないのでは、と思います。青年海外協力隊としてバングラデシュで活動し
た経験を持つ安藤さんと戸田さんの話を聞いてバングラデシュという国の姿を
見てみませんか。きっといろんな顔が見えてくると思います。岡山の企業であ
る玉野を元気にするぞ株式会社が現地で展開するカニの養殖についての話も聞
けます。南アジアのスナックやチャイを楽しみながら、安藤さんが発案したバ
ングラデシュ版ラジオ体操「チョルチョル体操」を踊りましょう!

【参 加 費】 600円 (スナック、お茶代として)
【お申し込み】
 お申し込みは(1)お名前(2)所属(3)連絡先を、下記FAX又はEメールでお
送りください。


1、バングラデシュ人の健康のために!
  国を超えた絆のチョルチョル体操制作記を上映
2、蟹養殖でBOP層の収入向上を!
  岡山県発、JICA×企業で取り組む、事業紹介
3、南アジアのスナックとお茶で、交流
4、みんなでチョルチョル体操を踊ろう!
  ※BOP層とは?…年間平均収入が3000ドル未満の低所得者層のこと。
   世界の大部分の人々が、この層に属する。
  ★イベント終了後、希望者で懇親会も予定しています。

安藤恵理子
報道記者の経験を経て、青年海外協力隊として、バングラデシュへ渡航。コミュ
ニティラジオ局に配属され、番組制作。深刻な生活習慣病の現状を目の当たり
にして、日本のラジオ体操をアイディアに、国民的体操作りに取組んだ。帰国
後は、ニューヨークに映像制作を学びに行くなど、精力的に活動中。

戸田玲子
NPO職員を経て、青年海外協力隊として、バングラデシュへ赴任。保健分野で活
動する。帰国後、玉野市の玉野を元気にするぞ株式会社に就職。JICAとの連携
事業として、蟹の養殖を通した、バングラデシュの人々の収入向上、岡山の地
域活性の事業に携わる。


□吉本 誠氏【玉野を元気にするぞ】「どてきり」復活へ!玉野から世界への挑

 http://arikata-daigaku.com/yoshimotomakoto



■バングラデシュに医療を 神戸の医師、資金募る
 https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201612/0009736996.shtml
 (神戸新聞 2016年12月09日)

 バングラデシュのスラムの人たちに医療を届けようと、神戸市中央区の医師
大類隼人(おおるいはやと)さん(35)がプロジェクトを立ち上げた。富裕
層向けに建設されながら、経営に行き詰まった病院の運営を譲り受け、その収
益で近隣のスラムでの診療を進める計画。来年4月の始動を目指し、インター
ネットで活動資金を募っている。(山路 進)

 大類さんは、兵庫医科大病院(西宮市)の呼吸器外科医だった2011年、
仲間の医師や看護師らと立ち上げた認定NPO法人「フューチャーコード」(
神戸市中央区)の代表を務める。翌年には病院を退職し、カリブ海の島国ハイ
チの地震被災地やアフリカ諸国での診療を続ける。

 バングラデシュでは12年から、現地の医師らと個人診療を開始。軍立病院
で最新医療機器の使い方を指導するなど活動の幅を広げてきた。その中で、首
都ダッカ中心部で建設されたが、経営破綻寸前に陥ったキングストン病院の存
在を知った。

 2年前にできた同病院。7階建ての建物にある四つの手術室や約70人分の
ベッド、人工呼吸器、新生児保育器などは手つかず。現地は医師不足で、人手
を集められず休眠状態が続く。

 病院のすぐそばに野球場ほどの広さのスラムがあり、約3万人が暮らす。公
立病院は無料だが、通えるところにない。近くの私立病院は高額で手が届かな
い。出産時でも、感染症になっても医師にかかることは難しい状態という。

 「医師をそろえる代わりに、スラムの人たちへの診療もさせてほしい」。大
類さんは、同病院経営者らに直談判。大類さんと同国の医師や看護師ら医療ス
タッフ約10人が富裕層を診察し収益を上げる。その一部を使い、院内でスラ
ムに住む妊婦の健診や出産、子どもたちの医療を担い、往診することも決まっ
た。

 大類さんは「誰もが持つ生きる権利を満たすため、妊産婦や子どもの診療か
ら始める。初期費用さえあれば、現地のお金をうまく巡らせ、貧困層への手術
も担える病院に育てられる」と力を込めた。

 初期費用は約600万円。インターネットの寄付システム、クラウドファン
ディングの大手「レディーフォー」(東京)を通じ、来年1月20日午後11
時まで募る。フューチャーコードTEL078・778・5936

◇ready for
 破綻寸前の病院再建!バングラデシュのスラムを医療モデル地域へ
 https://readyfor.jp/projects/medical-care_slums_bangladesh



■バングラデシュ低・中所得層向け住宅融資20年までに1.2兆円 世銀予

 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/161216/mcb1612160500006-n1.htm
 (SankeiBiz 2016年12月16日)

 バングラデシュは、低・中所得層向けの住宅市場がほぼ手つかずの状態にあ
り、大きく成長する可能性がある。世界銀行グループの国際金融公社(IFC)
は、法改正などを条件に、同国の低・中所得層への住宅ローン融資額が202
0年までに8181億6000万タカ(約1兆2200億円)に達すると予想
した。現地紙デーリー・スターなどが報じた。

 15年の住宅ローン融資額は4899億タカで、うち地方物件への融資額が
402億タカだった。IFCはリポートで、これまで同国の金融機関が都市部
の高所得層向け住宅への融資に注力してきたとし「地方部の、とりわけ月収6
万タカ以下の低・中所得層向け住宅市場がほぼ未開拓で残されている」と報告
した。

 地方開拓の余地は大きく、20年予想の8181億6000万タカのうち、
41%に相当する3364億タカが地方物件への融資となる見通しだ。ただ、
首都ダッカの人口が、11年の1890万人から30年には2740万人に増
加するとの予想があるなど、都市への人口流入が続いており、都市部でも一定
の融資拡大が見込めるという。

 IFCは、地方部で85%、都市部で70%の住宅が設備不良などの事情で
「不十分」と評価されていると指摘。バングラデシュの金融機関には再開発や
新規開発といった住宅プロジェクトへの融資という商機もあると分析した。

 同国は、住宅不足の解消に5年で850万戸をつくる必要があるとされるな
か、年間の供給ペースは2万5000戸にとどまる。また、民間開発業者は上
位の中所得層と高所得層への住宅提供に偏重しており、低価格住宅の供給は全
体の2%程度に過ぎない。

 IFCは、こうした状況を変え、低・中所得層向け住宅市場の拡大を図るに
は融資や開発に関する法制度の改正、銀行の規制緩和などの改革が必要と提言
している。



■バングラデシュ、機械輸入額7~9月期倍増 縫製分野に欧米の「外圧」
 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/161209/mcb1612090500008-n1.htm
 (SankeiBiz 2016年12月09日)

 バングラデシュは、縫製分野を中心に機械の輸入が急拡大している。バング
ラデシュ銀行(中央銀行)によると、2016年度(16年7月~17年6月)
7~9月期の機械輸入額は18億ドル(約2046億円)となり、前年同期比
の8億2000万ドルから倍増した。主要産業の縫製業で、施設・設備の刷新
が相次ぎ生産力が高まっているのが要因だ。現地紙デーリー・スターなどが報
じた。

 専門家は、同国内で4000の縫製工場が欧米を中心とする契約企業から、
18年6月までに施設・設備を近代化するなどして労働者の安全環境を改善し
なければ、発注を停止すると通告されており、こうした「外圧」が機械輸入増
の要因だと分析する。

 バングラデシュでは13年4月、首都ダッカで多くの縫製工場が稼働するラ
ナ・プラザビルが崩壊。2000人以上の犠牲者を出す大惨事となった。この
事故をきっかけに、同年5月から欧米系の2機関による縫製業の全工場の安全
環境に関する監査が進められている。

 縫製品の輸出業を営む男性は今年、ダッカの工場に3500万タカ(約50
45万円)の機械を自主的に導入した。この男性によると、バングラデシュ国
内のほぼすべての縫製工場が監査機関の勧告に従い、労働者の安全確保に向け
た設備投資を行っているという。

 機械輸入の急増に伴い、バングラデシュの貿易赤字の拡大が加速している。
7~9月期の輸出額は79億1000万ドルで前年同期比3.5%増だったも
のの、機械などの輸入拡大を吸収するには至らず、貿易赤字は23億7000
万ドルと前年同期の11億2000万ドルから倍に膨らんだ。

 同国政府は現在、橋梁(きょうりょう)建設など大規模インフラ事業を加速
させる方針を立てている。これに伴い建設機器などの機械輸入がさらに増える
可能性もあるという。専門家は、当局が不要不急の輸入を抑制するよう動向を
注視する必要があると指摘した。



■薗浦外務副大臣とムヒト・バングラデシュ財務大臣一行との昼食会
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_004028.html
 (外務省 平成28年12月8日)

本8日,午後0時15分から約1時間,薗浦健太郎外務副大臣は,平成28年度閣僚級
招へいにより訪日中のアブル・マール・アブドゥル・ムヒト・バングラデシュ
財務大臣(H.E. Mr. Abu Maal Abdul Muhith, Minister of Finance of the P
eople’s Republic of Bangladesh)との間で,昼食を交えつつ意見交換を行っ
たところ,概要は以下のとおりです。

1 冒頭,薗浦副大臣から,ムヒト財務大臣一行の訪日を歓迎するとともに,ダ
ッカ襲撃テロ事件以降,日本の国際協力事業の円滑な実施に向けた関係者の安
全確保に対するバングラデシュ政府の強固なコミットメントに感謝する旨述べ
るとともに,引き続き邦人の安全確保の徹底を最優先事項として取り組むよう
要請しました。また,この事件の徹底した真相の究明についても改めて要請し
ました。

2 これに対し,ムヒト財務大臣から,ダッカ襲撃テロ事件後も,日本政府がバ
ングラデシュに対する経済協力を続ける姿勢を明確にしていることに感謝する
旨,日本の国際協力事業に対し万全の安全対策を施した上で,事業の円滑な実
施を確保し,日本との協力を緊密にしていきたい旨を述べました。

3 その他,バングラデシュ経済・社会情勢や地域情勢等についても意見交換を
行いました。



■女性が活躍する社会へのヒント‐バングラデシュのリーダー取材からの考察

 https://www.jetro.go.jp/world/reports/2016/01/d60cb6de68c545f8.html
 (日本貿易振興機構 2016年12月15日)

女性の活躍促進(エンパワーメント)を重要な国策とする点においては、バン
グラデシュと日本は共通している。社会経済開発のフェーズが大きく異なる二
国だが、意外にもバングラデシュは、この分野において先進的な取組みが見ら
れる。ジェトロでは、バングラデシュにおける女性の活躍について、現地の女
性政治家、官僚、起業家、中堅社員ならびに男性経営者(全17人)に、女性の
エンパワーメントの意義、自身の経験、社会・組織への貢献等についてヒアリ
ング調査を行った。

『女性が活躍する社会へのヒント‐バングラデシュのリーダー取材からの考察

 ※HPよりPDFファイルのダウンロードが可能です。



■Primetals Technologies、バングラデシュのGPH
 イスパットから電気炉と連続圧延ラインを含むミニミルを受注
 http://www.primetals.co.jp/japan/press/pdf/20161206.pdf
 (primetals 2016年12月6日)

ビレットと長尺製品あわせて81万5千トンの年産能力連続鋳造圧延設備Win Link
Flexの小規模プラントへの適用は世界初で、連続的なビレット鋳造及び並行
ツイン連続圧延を低運転コストで実現電極式電気炉EAFQuantumおよび連続鋳造
圧延ソリューションWinLinkで製造コストを大幅削減
バングラデシュ国内規格及び国際規格に準拠
今回の設備投資でGPHイスパットはバングラデシュ国内で大手鉄鋼メーカーに
浮上

Primetals Technologies は、バングラデシュの長尺鉄鋼製品メーカーであるG
PHイスパット(GPH IspatLtd.)から、ビレット及び圧延製品あわせて81万5千
トンの年産能力を持つミニミルを受注しました。このミニミルによる溶解プラ
ントは、2018年初めから運転開始予定です。
Primetals Technologiesは、EAF Quantum電極式電気炉、レードル炉、3ストラ
ンド(条)式高速連続ビレット鋳造機、棒鋼/形鋼圧延機を含むミニミルプラ
ント全体の設備設計および供給を担当。ビレットの鋳造と長尺製品の圧延を連
続的に行う当社独自のソリューションであるWinLink Flex のミニミルへの導入
は、これが世界初となりますが、長尺製品の連続鋳造及び連続圧延を実質的に
実現するだけでな
く、初期投資コストおよび運転コストを削減するものです。
投入される電極式電気炉EAF Quantum は、トン当たり290キロワット時という低
いエネルギー消費でありながら、出鋼量80トン、出鋼間隔40分、1日当たり最大
36回の出鋼が可能で、運転コストの削減に寄与します。この電気炉には、特別
な自動化ソリューションも装備されており、溶解原料となる鉄スクラップの混
合比率の変化、さらには還元鉄(DRI)およびホットブリケットアイアン(HBI)
にも対応可能です。溶解後には、毎分4°Cの昇温速度を有する80トン型レード
ル炉で精錬が行われます。

本プロジェクトの連続ビレット鋳造機は3ストランド(条)方式で、湾曲半径1
0メートル、鋳造速度は最大6メートル/分と高速で、130~180ミリメートル角の
ビレットを年間約81万5千トン鋳造する能力を有しています。本連鋳機はコンパ
クトであるものの、3条あるストランドのうち2条が下工程の圧延ラインに直結
され、連続鋳造と圧延を連続的に行う当社独自のWINLINK設計となっており、ほ
ぼ連続的にビレットを圧延工程へ供給可能です。このため、従来の大型加熱炉
が不要となる一方、ビレットの所定温度への加熱は効率の良いコンパクトな誘
導加熱炉で行うことから、設備や運転コストのさらなる削減につながります。
なお残る3条目のストランドは、社内加工用あるいは市場での外販用のビレット
を生産することになります。
連鋳機に連なる棒鋼・形鋼用の圧延機は、処理量が最大120トン/時、圧延速度
は最大27メートル/秒で年産能力64万トン。圧延ラインには、水平、垂直、水平
/垂直両用、ユニバーサルの各スタンドを含む第5世代の圧延スタンドRedRingが
20基装備され、長尺製品を2系列で並行生産できる2条スリット圧延モードでラ
インを稼働させることも可能です。納入対象には、迅速なスタンド交換システ
ム、水冷システム、圧延した棒鋼を長さ78メートル幅11.2メートルの冷却床へ
最大27メートル/秒で移動させる搬送システム、および2条並行圧延に対応可能
なストレッチレベラー(直線形状への矯正加工装置)も含まれています。
PrimetalsTechnologiesは、端部をカットするクロップ鋸断用および分割用の熱
間せん断機、冷間せん断機、形鋼切断用ディスク、最終製品となる棒鋼の計数
器、機械式および磁気式の製品格納及び結束用ソリューション、固縛用帯留め
装置、固縛用ステーションも提供します。さらに、工場内の作業室や品質検査
室、油圧および潤滑システム、特殊なメカトロニクス一式、低電圧系統、モー
ターと駆動装置、無停電電源装置(UPS)、ならびにベーシックオートメーショ
ン(レベル1)およびプロセスオートメーション(レベル2)などの二次的な工
場設備も提供し、ラインの据付および試運転の監督も担当します。
GPHイスパットは、バングラデシュ南東にあるチッタゴンに拠点を置いています。
鉄筋棒鋼および形鋼を製造し、現在はビレットで16万8千トン、最終製品で15万
トンの年産能力を有しています。同社は今回の新ミニミル投入によって生産能
力を大幅に向上させ、成長する国内市場および輸出市場向けに製品を出荷でき
るバングラデシュの大手鉄鋼メーカーに仲間入りする見込みです。



■山口絵理子が探し続ける「輝ける場所」とは?
 マザーハウスが起こしたモノづくりの奇跡
 http://toyokeizai.net/articles/-/148340
 (東洋経済 2016年12月06日)

マザーハウス代表兼デザイナーの山口絵理子氏は、国境を超えたモノ作りの奇
跡を起こしてきた起業家だ。その軌跡は東洋経済オンラインでも取り上げたこ
とがある(「なぜマザーハウスはジュエリーを始めたのか」「マザーハウスは
"外れ値"からパリを目指す」)。その山口氏が自身でその半生をつづった『裸
でも生きる3~輝ける場所を探して~』を上梓。そのプロローグの全文を紹介す
る。


私は「マザーハウス」というブランドの代表兼デザイナーを務めている。『裸
でも生きる~25歳女性起業家の号泣戦記~』『裸でも生きる2 Keep Walking 私
は歩き続ける』(ともに講談社)を読んでいない方のために、まずは自己紹介
をさせていただきたい。

1981年、私は3人姉弟の真ん中として埼玉県で生まれた。

父は不動産業を営む傍ら、陶芸家としても活躍していて、実家には陶芸用の窯
があり、父は陶芸教室を開いていた。熱心に粘土から立体を作る陶芸家として
の父の姿は、バイタリティあふれるものだった。

「窯の温度を見てくれ」と頼まれアトリエに行くと、生徒さんたちの作った作
品が置かれていて、それを見て自分でも作ってみた。葉っぱの形のお皿や、何
かの生き物のような形の花瓶を作ってみたが、どことなく、いまデザインして
いるバッグの形と似ていたので、人間の根っこは変わらないなぁと思ったりす
る。

母親は茶道をこよなく愛する、とても小さくて、でも強い人だ。

私は2人から、強さも優しさも教わった。

なじめなかった小学校、一転はじけた中学時代

小学校時代の私は、学校になじめなかった。男子児童からたびたび暴力を受け、
学校に行けなくて、教室に入るのさえ、自分としては夢のように思えた時期も
ある。そんなとき、父も、母も、頭ごなしに何かを強制するわけでもなく、一
緒に通学路を歩いてくれた。

父は厳しかったけれど、大好きな絵を習わせてくれたし、何より、何にでも全
力で取り組む父の背中は、「人生って楽しそうだな」と、学校で絶望感いっぱ
いの私には、輝いて見えた。

中学は、埼玉県の宮原中学校という公立の学校に通っていた。エネルギーが余
っていたのか、やんちゃだった時期もある。金髪にしたり、たばこを吸ったり、
バイクに乗ったり、パチンコ屋でスロットをやったり、廊下で打ち上げ花火を
やったり、理科室の試験管を割ったり。授業はあまり受けたことはなく、いま
思えば、やりたい放題だった。

 でも、一緒に遊んでいたグループのみんなは、いろいろと問題はあったかと
思うが、エネルギーにあふれている子ばかりだった。ブレークダンスが流行っ
たら、廊下でとても上手にダンスしていた。ナイキのエアがはやったら、誰よ
りも早くゲットして(教室の中でも)かっこよく履いていた。髪の毛を染める
ことも、ポケベルを持つことも、私たちは誰よりも早かったし、かっこよかっ
た。

柔道というスポーツとの出会い

そんなエネルギーいっぱいだった私を変えたのは、柔道というスポーツとの出
会いだ。

「投げ飛ばしてみたい!」という気持ちからスタートした部活だったが、少し
ずつ「試合に勝ちたい」という気持ちに変わっていった。

けんかなら自信があるのに、フェアなルールで成り立つ試合で負けるなんて、
すごく悔しかった。やんちゃなグループの先輩たちと遊ぶ時間は、少しずつ柔
道の時間に変わっていった。

さらに、部活動だけではだめだと思い、町の道場も見つけて通いはじめた。

深山先生という強烈な個性を持った鬼コーチは、私に柔道の厳しさを教えてく
れた。先生は、「試合に出たいなら、髪を黒くしなさい」と言った。いま思う
と、とても戦略的な先生だったと感じる。まんまとその手にひっかかり、私は
中学2年生頃から、まじめに柔道に打ち込むようになった。

中学校3年生のとき、私は埼玉県で1番になり、やがて全国ベスト16位にまでな
った。

「ベスト16なんて、かっこわるいなぁ~」

その試合では鼻を骨折してしまったので、もっとかっこわるかった。

「高校でも続ける」

たくさんの高校から、スカウトがきた。しかし、私が選んだのは女子部のない
埼玉県の工業高校だった。そこの男子柔道部は埼玉県内で55年連続1位を取って
いた。

はじめは入部拒否されたけれど、男子と練習したら絶対に強くなれる!?という
安直な考えを信じ込み、はじめての女子部員となった。「絶対に結果を出す!」
という気持ちで、365日休みなく、朝から晩まで、体重80キロくらいの男子部員
のみんなと、練習に明け暮れた。さらに昼休みも筋力トレーニングをして過ご
した。

思い返すと、高校の制服を着たのは入学式と卒業式くらいじゃないかと思う。
残りはジャージか柔道着だ。今、改めて柔道着を見ると「こんなに強い素材は
ないな」と思う。そんな道着も何枚も袖がちぎれ、ひざには穴があき、徐々に
穴が大きくなって、練習中に長ズボンが短パンに変わったこともあった。洗濯
しても落ちない血の跡も何カ所もできた。ひざの靱帯、腰、足首、肋骨など、
さまざまな部位をケガした。それくらい厳しすぎる稽古だった。

 それでも、高校3年生のとき、再び埼玉県で優勝をした。関東大会で2位にな
り、ずっと夢だった全日本の舞台に立ち、軽量級で7位になった。

「よくやったなぁ私」

そう思った瞬間、何の未練もなくなり、柔道着を段ボール箱にしまった。

新たな夢を抱いて

次に、私は身の程を知らずに、新たな夢を持った。

「大学に行きたい」

人生でまともに勉強した時期がなかった私が、工業高校から大学進学を夢みた。
いじめられっ子だったことから、いつか政治家になり、日本の教育を変えたい
と思ったからだ。

浪人覚悟で挑んだ受験だったが、AO入試(書類選考と面接によって選考する)
という試験を経て、奇跡的に慶應義塾大学に入学した。

私はそこで、すばらしい出会いを得た。

一人は、竹中平蔵先生。ちょうど大臣になる頃の1年間、先生は私のいたキャン
パスでゼミを持っていた。臆病で内気な私だったが、そのゼミで発表をした日、
先生はトイレの前ですれ違いざまに、「よかったですよ」と言ってくれた。私
はその言葉が今も強く記憶に残っている。

(こんなすごい人が、私に話しかけてくれた!?しかも“よかったですよ”って
言ってくれた!!)

大学の4年間で一番うれしい瞬間だった。

そしてもう一人、現在マザーハウスの副社長である山崎大祐とも、このゼミで
出会った。いつもはじっこにいる私、ゼミで幹事を務めていた一つ先輩の彼。


あまりにもレベルが違いすぎて、最初は話すのも緊張したが、彼はとても公平
な人で、コンプレックスだらけの私にも、研究のアドバイスをくれたり、哲学
的な話も親身になって聞いてくれた。思えば、あの大学4年間の哲学的な話し合
いに、マザーハウスの根底に流れる問題意識のすべてがあるように思える。

大学卒業後の進路は、私の人生のターニングポイントだ。みんなが就職活動を
する中で、私は一人、ワシントンにいた。私は大学に入ってからもずっと「教
育」に興味を持ち続けていた。

「もっと楽しい学校を作りたい」「既存の教育は何かが間違っている」

そんなふうに生意気に考えていたのだ。でも、大学の「開発学」の授業の中で、
「教育を必要としているのは、途上国と呼ばれる国々で、国の成長は人の成長
にかかっている」という趣旨の講義を聞いたとき、私の視線は国内から世界に
移り、「途上国のために働きたいな」と思ったのだ。

それ以降「国際機関」と呼ばれる組織が私のあこがれになった。

ある日、その中の一つ、「米州開発銀行」という国際機関がアルバイトを募集
していることを知り、私はだめもとで応募し、運良く選考を突破。はじめての
アメリカ、はじめてのワシントン、はじめての国際機関、はじめての国際会議、
はじめての上司はアルゼンチン人。すべてが新鮮で、ドキドキした。

 しかし、働くほどに、一つの疑問が生まれてきた。

「援助って、本当に求める人の手に届いているのかな……。そんな疑問に答え
るには、現場に行くしかないのでは?」

と、何も知らない私は思った。

インターネットで検索をかけた。

“アジア?最貧国”

今、それをしていたら、違う国が出てくるので、運命ってすごい。2003年当時、
そこには、“バングラデシュ”という国名が映し出された。

(行ってみよう)

私は、2週間という短いバックパック旅行をする。しかし、この2週間が再び運
命を変える。見るもの見るもの、自分が生きてきた世界と違う。国際機関でイ
メージしていたものより、ずっとずっとひどかった。

(どうして子供のお腹は出ているんだろう……)

移動手段であるリキシャ。私よりもずっと若い子たちが、汗だくで私を乗せて
移動する。辞書を片手に、話せるチャンスがあったらたくさん話した。その度
に日本をうらやましそうに語るベンガル人。

そして、

「自分たちの国は変わらない」

と私に教えてくれた。すべての瞬間が、私に決意させてくれた。

「2週間なんて短すぎる。この国の大学院に進もう」

なんて無謀で無計画!

そうして2004年から2年間、私はバングラデシュの首都ダッカで大学院生として
過ごすことになった。今思えばなんて無謀、なんて無計画。けれど、当時の私
は120パーセント真剣に、自分が生きる意味を考え、悩み、その先に行動するこ
とでしか、答えが見つからなかったのだ。

生きる意味は、すぐにはわからなかった。度重なるストライキや洪水。デモや
賄賂の嵐。

「かわいそうだ」

という気持ちはいつの間にか、

「この野郎」

という気持ちに変わっていった。

しかし、「ジュート(黄麻)」というバングラデシュの特産品である麻と出会
ったことから、この国が持つポジティブな光に気がついた。

「貧しいって言われる国にも、光る素材もあって、光る職人さんたちもいる。
私たち先進国の人たちが“貧しい”ってひとくくりにしているだけなんだ」

2005年、私は現地の素材を使った付加価値のあるものを、この国から生み出し
たいという、確固たる思いを持った。そして、その「もの」とは、ジュートが
元々麻袋に使用されていた、という理由だけで、「バッグ」に決めた。不思議
とほかのアイテムの選択肢は思い浮かばなかった。


 ※続きはリンク先をご確認ください。



■起業家山口絵理子に聞く“異国間コミュニケーション”
 https://r25.jp/business/00054306/
 (R25 2016年12月06日)

山口絵理子という起業家をご存じだろうか。2006年、24歳にしてバングラデシュ
で「マザーハウス」を立ち上げた。発展途上国で品質のよいバッグを作る事業
を起こし、世界的に注目される“女性起業家”だ。

そんな山口氏の著書『輝ける場所を探して 裸でも生きる3』が12月7日に発売。
グローバル化が叫ばれ、“異国間”や“異文化”とのコミュニケーションを取
る必要性が高まっている現代、彼女の経験に学ぶべきところは多いはず…。今
回は山口絵理子氏に、“コミュニケーション”をテーマに話を聞いた。

●「やりがい」を感じる瞬間は、どんな国でも同じ!

著書には、2015年にスタートしたインドネシアでのジュエリーづくりの奮闘ぶ
りがつづられている。現在4カ国に生産拠点を展開している山口氏は「どの国に
おいても、まずは価値観の共有をしないとプロジェクトはうまくいかない」と
語る。

「一緒にものづくりをするからには、デザイナー(日本人)と職人(現地)の
お互いが“良いもの”を目指したいのは当然です。でも、その“良いもの”の
基準が、最初から一致することは絶対になくて。

私たち日本人にとって、バッグはファッションの一部ですが、バングラデシュ
では『荷物を運ぶための運搬道具』だと言われて、はっとしたことがあったん
です。ほかにも、インドネシアの銀細工は日本人にとってはサイズが大きすぎ
たんですが、『ジュエリーは生活が厳しくなったら売りに出す、お金の代わり。
だから大きい方が良いんだ』だと言われて納得したこともありました」

“良いもの”の基準を一致させるためには、何をするべきなのだろうか?

「どれだけ言葉で説明しても伝わらないので、まずは作ってもらったものをし
っかり売ることが必要ですね。リピートオーダーが続くことで、『小さいジュ
エリーにも需要があるんだな』ということを理解してもらうんです。

あとは実際に、お店のお客さんに会ってもらうことも大きな効果がありますね。
東京、大阪で開催したマザーハウス10周年のサンクスイベントに、インドネシ
アの金職人・ムギさんを呼んだときのことでした。『自分の仕事をほめてもら
ったのは生まれて初めてだ』って喜んでくれて。自分が役に立っていることが
やりがいにつながるのは、どんな国でも同じはずです」

●「海外」だからとレッテルを貼るのは間違い

しかし、異文化と接するときの価値観の違いはこれだけではない。特にスケジュ
ール管理やクオリティコントロールの分野で、意識の違いが出やすいという。


「国にもよりますが、日本に比べると納期や品質管理の感覚が大雑把なことが
多いです。『1日くらい遅れても特に問題ないでしょう』という感覚だったり、
仕様書と全然違うものがあがったり、商品ごとにサイズがちぐはぐなんてこと
も多くて…。でも、頭ごなしに結論付けるのは危険で、こちらのデザイン自体
が問題だったこともありますし、向こうは良かれと思ってやっていることも多
い。結局は一緒にいる時間を増やして、現場で対応していくしかないですね」


マザーハウスが様々な国において信頼を築き、長く仕事を続けてきた秘訣は、
相手の文化を尊重すること、と山口氏は語る。

「一緒に仕事をしているインドネシアのジュエリー職人たちは、元々は畑仕事
のかたわらに銀細工を作っている人たち。こちらの都合で大量生産したくても、
彼らの畑仕事の時間がなくなってしまうほどの発注はできないんですね。

バングラデシュでも同じです。イスラム教徒が多いので、断食の季節には、早
めにあがってもらうスケジュールを組んで、生産も7割目標にするんです。1年
を通したスケジュールを組んで、無理のない範囲で作ってもらうのが、長続き
するためには重要です」

それぞれの文化を尊重しつつも、価値観をすり合わせながら、お互いの落とし
所をさぐっていく。今年10周年を迎え躍進を続けるマザーハウスの事業根っこ
には、山口氏の異文化理解の精神があった。



■イスラム映画祭2 上映作品「泥の鳥」
 http://islamicff.com/movies.html
 東京・ユーロスペース
 名古屋・シネマテーク

日々うねりを上げる世界情勢の中で、ますます関心を集める“イスラーム”。

映画は、わたしたちがあふれる情報にまぎれて見落としがちな、
その文化とともに生きる人々の素朴な姿を垣間見せてくれます。

映画を楽しみながら、世界の豊かさを知るために、第2回目の「イスラーム映
画祭」を開催いたします。

『泥の鳥』 2002年
制作 : バングラデシュ=フランス
    98分 / ブルーレイ
監督 : タレク・マスゥド / Tareque Masud
原題 : Matir moina
英題 : The Clay Bird
言語 : べンガル語 / Bengali
字幕 : 日本語、英語
【物語】
親元を離れ、アヌはマドラサに入学するが、厳しい寄宿生活になかなかなじむ
ことができない。
一方、家では病弱な妹の治療をめぐり、両親の間で溝が深まっていた。やがて
彼らの村にも独立戦争の波が押し寄せてくる…。
【解説】
バングラデシュ独立戦争前夜を背景にした、ある家族の物語です。
暗い時代の中でも子供たちの姿が叙情味豊かに描かれ、ベンガル地方に伝わる
“バウル音楽”が心に深く響きます。
カンヌ国際映画祭・批評家連盟賞受賞作です。


上映:1月15日(日)13:00~
   1月17日(火)19:10~
   1月19日(木)16:00~


◆トークセッション : 3
 『ハ゛ウルの歌を探しに』 ケ゛スト:川内有緒
 ノンフィクション作家 著書『ハ゜リて゛メシを食う』
 『ハ゛ウルの歌を探しに ハ゛ンク゛ラテ゛シュの喧騒に紛れ込んた゛彷徨の
記録』ほか

 1月15日(sun)『泥の鳥』上映後



■母国でラーメン店 夢へ一歩
 http://www.yomiuri.co.jp/local/gunma/news/20161205-OYTNT50300.html
 (読売新聞 2016年12月06日)

 バングラデシュ人のカンさん 「景勝軒」からカレー店出店、アレンジでつ
け麺考案

 県内外で約30店舗を展開するラーメンチェーン「景勝軒」(本社・伊勢崎
市連取町)が5日、前橋市問屋町にインドカレー店「バタチキ」をオープンし
た。店長は、母国でラーメン店を開く夢を持つバングラデシュ人。店では、本
格的なインドカレーをアレンジした汁に太麺をつけて食べるつけ麺も考案しメ
ニューに入れた。

 店長のバドシア・カンさん(46)は、もともと日本の文化に興味があり、
20年前に来日。現在は埼玉県深谷市でインドカレー店を営んでいる。

 バングラデシュの人たちに日本料理を食べてもらいたいとの思いを抱くが「
母国にある日本料理店は富裕層向けのものばかりで、庶民は行きづらい」(カ
ンさん)という。そこで、ラーメンならば一般の人でも気軽に食べられて喜ん
でくれるはずと、母国で「ラーメン店」を開くことを思いついた。

 埼玉にある自身の店で常連客に夢を語ると、景勝軒社長の桜岡一生さん(3
5)を紹介してもらった。早速、桜岡さんを訪ねると、「カレーとラーメンの
組みあわせに可能性を感じた」といい、同社からカレー店を出すことを提案さ
れた。カンさんも直接ラーメン作りを学べるのなら、と快諾した。

 バタチキで提供するカレーは、濃厚でクリーミーな「バターチキンカレー」、
鳥のもも肉が入った「チキンカレー」、ひき肉たっぷりの「キーマカレー」(
税込み各380円)の3種類。ナンかライスが付くセットメニューが基本で、
辛さは5段階から選べる。

 一押しは、しょうゆの利いたバターチキンカレーの汁に、太麺をつけて食べ
る新感覚の「バタチキつけ麺」(同880円)だ。カンさんは「他では食べら
れない味」と自信を見せる。

 オープン初日の5日は、開店前から行列ができ、昼時には家族連れや会社員
らでにぎわった。前橋市での出張帰りに訪れた沼田市利根町老神の旅館経営萩
原忠和さん(56)は「カレーはクリーミーで子供でも食べやすい。また来た
い」と笑顔で話していた。

 「お客さんの思い出に残るカレー店にしていきたい。いつかは母国に日本の
ラーメンを広めたい」とカンさん。桜岡さんは「将来、バングラデシュに出店
し、子供たちが一番最初に食べるのがうちのラーメンになればうれしい」と語
る。

 「バタチキ」の営業は午前11時から午前0時。定休日なし。問い合わせは
「景勝軒」(0270・61・5633)へ。



■「過激」な海外ドラマでTV業界に打撃、離婚率も上昇?バングラ
 http://www.afpbb.com/articles/-/3111093
 (AFP通信 2016年12月12日)

バングラデシュで放映されているトルコのドラマが「過激なセックス描写」に
よってバングラデシュのテレビ業界に打撃を与え、国民の離婚まで増長してい
るとして、同国の業界関係者らが12日、このドラマの放映禁止を訴えた。

 バングラデシュ監督組合(Bangladeshi Directors' Guild)が問題視してい
るのは、「壮麗帝(Suleiman the Magnificent)」として知られる16世紀オス
マン(Ottoman)帝国の皇帝、スレイマン1世(スレイマン大帝、Suleiman I)
を題材にした吹き替え版の連続ドラマ「スルタン・スレイマン(Sultan Sulei
man)」。2015年11月から放映が開始され、高視聴率を獲得している。

 その人気ぶりを見せつけられた他のテレビ局は、ゴールデンタイムに同じよ
うな海外の連続ドラマの放映を開始。おかげで国内制作ドラマの多くが放映ス
ケジュールから外された。業界の代表者らは、自国の俳優たちが多額の出演料
をもらう機会を逸し、撮影スタジオ数十か所が閉鎖を余儀なくされたと訴えて
いる。

「すべては、スルタン・スレイマンが始まりだ。あの連続ドラマが、何千人も
の俳優やスタッフを抱えているわが国の業界を破壊した」と監督組合のガジ・
ラカイェット(Gazi Rakayet)代表は批判している。同氏によると、国内の撮
影スタジオの半分が稼働不足で閉鎖し、またトップレベルの俳優でも出演料が
半減。バングラデシュの俳優たちが失った出演料は総計で、年間およそ800万ド
ル(約9億2600万円)に上るという。

 バングラデシュ政府はこれまで反応を示していないが、国内ドラマのあらす
じがつまらないから視聴者は外国ドラマに流れるのだとして、外国ドラマを擁
護するコメンテーターもいる。

 一方で外国ドラマは、保守的なイスラム教国であるバングラデシュの家族観
を破壊しているという意見も上がっている。特に「スルタン・スレイマン」で
のハーレムのシーンは批判を招いている。俳優で業界団体の代表を務めるマム
ヌール・ラシッド(Mamunur Rashid)氏はAFPの取材に対し「スルタン・スレイ
マンなど外国のドラマシリーズには、セックスシーンがあふれている。テレビ
は家族の娯楽であり、人気だけが評価基準になってはいけない」と述べた。ま
たラシッド氏によれば、次から次へと相手を変えたベッドシーンが登場するド
ラマは、離婚率上昇という社会問題を生み出していると指摘。「そうした番組
が浮気シーンを見せるからだ」と述べた。



■スー・チーにも見捨てられた?ミャンマーのロヒンギャ族
 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6496.php
 (Newsweek 2016年12月7日)

<少数民族ロヒンギャ族に対するミャンマーの民族浄化は止まず、10月以降2万
1000人がバングラデシュに逃れた。ミャンマー国家顧問でノーベル平和賞受賞
者のアウン・サン・スー・チーも救援に動く気配はない>

 国際移住機関(IMO)はこのほど、ミャンマーに住むイスラム教少数民族ロヒ
ンギャのうちおよそ2万1000人が、ここ2カ月ほどの間に迫害を怖れて隣国バン
グラデシュに脱出しと発表した。

 バングラデシュ南東部の都市コックスバザールにあるIMO事務所のサンジュッ
タ・サハニー所長は12月6日、ロヒンギャ族は仮設シェルターや公式の難民キャ
ンプに避難していると述べた。

 サハニー所長がAFPに話したところによれば、10月9日から12月2日にかけて、
2万人を超えるロヒンギャ族がコックスバザールに到着したという。

 ロヒンギャ族は、ミャンマーのイスラム教少数民族であり、その総数は100万
人を超える。ミャンマーでは一般的にバングラデシュからやってきた不法移住
者だとみなされており、事実上無国籍だ。選挙権はなく、子どもが生まれても
出生証明書は発行されない。バングラデシュと国境を接するミャンマー南東部
ラカイン州にまとまって暮らしている。


【参考記事】ミャンマー政府の主導で進むロヒンギャ絶滅作戦
 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/11/post-4070.php

 ミャンマーの事実上の最高指導者であり、ノーベル平和賞受賞者でもあるア
ウン・サン・スー・チーに対し、同国内で迫害を受けているロヒンギャ族を窮
状から救うようアメリカ政府は呼びかけてきたが、スー・チーはこの問題に関
する態度を留保したままだ。

【参考記事】存在さえ否定されたロヒンギャの迫害をスー・チーはなぜ黙って
見ているのか
 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/05/post-3667.php

バングラデシュでも門前払い
 バングラデシュ政府は国境警備を強化しているほか、沿岸警備艇を配置して、
ロヒンギャ族の避難民で満載の船を追い返している。ミャンマー軍がラカイン
州に住むロヒンギャ族に対して弾圧を始めて以来、バングラデシュ側が追い返
した船の数は数百隻にも上っている。

【参考記事】悪名高き軍がミャンマーで復活
 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/post-6433.php

 この弾圧は今年10月、ロヒンギャとされる武装集団による攻撃を鎮圧する目
的で始まったものだ(この攻撃では、国境を警備する警察官9名が殺害された)。
国連高官はBBCに対し、ミャンマーはロヒンギャ族の民族浄化を進めていると述
べた。人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが衛星画像を分析したところ、
ラカイン州北部では1250を超える建造物が破壊されていることが明らかになっ
た。原因はほとんどが放火だ。

 ミャンマー政府は、ロヒンギャ族を迫害しているという疑惑を否定している。


 バングラデシュの首都ダッカでは12月6日、ロヒンギャ族迫害に抗議するイス
ラム教徒たちが、ミャンマー大使館前を目指す数千人規模のデモ行進を行った
が、バングラデシュ警察はこれを阻止した。ダッカ警察のシブリー・ノマン副
本部長はAFPの取材に対し、参加者は1万人ほどだったが、「平和的な姿勢」だ
ったと話している。



■ロヒンギャ2万1000人、ミャンマーからバングラデシュへ脱出
 http://www.afpbb.com/articles/-/3110417
 (AFP通信 2016年12月06日)

 国際移住機関(IOM)は6日、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)お
よそ2万1000人が、ミャンマーでの暴力から逃れるためにここ数週間で隣国バン
グラデシュへ脱出したと発表した。

 10月初旬以降、ミャンマー軍による弾圧が続く同国西部ラカイン(Rakhine)
州から逃れるロヒンギャたちが押し寄せているバングラデシュでは、国境付近
での警備が強化されている。

 ラカイン州と国境を接するバングラデシュ南東の都市コックスバザール(Co
x's Bazar)にあるIOMコックスバザール事務所のサンジュッタ・サハニー(Sa
njukta Sahany)所長によると、バングラデシュに逃れたロヒンギャの大半は、
仮設の集落や公式の難民キャンプなどに避難しているという。2万1000人という
数字は、複数の国連組織と国際NGOが集計した10月9日から12月2日までにバング
ラデシュに到着した人数だとしている。

 ミャンマー政府はロヒンギャに対する弾圧や虐待を否定しているが、同時に
ロヒンギャの居住地区への外国人ジャーナリストや独立調査組織の立ち入りも
禁止している。



■10月からの数週間で2万1000人のロヒンギャ族がバングラデシュに避難
 https://www.myanmar-news.asia/news_buEzOrpitC.html
 (ミャンマーニュース 2016年12月09日)

暴力を逃れ脱出 国際移住機関が発表
12月6日、国際移住機関は、この数週間で、およそ2万1000人のロヒンギャ族が、
ミャンマーからバングラデシュへ逃げ出したと発表した。

国境地域ではミャンマー軍と住民の抗争が激化し、ロヒンギャ族に対する暴力
が国際的な問題になっている。バングラデシュは国境警備を強化しているが、
暴力を逃れ、バングラデシュや中国など隣国に避難するロヒンギャ族が後を絶
たない。

国連や国際NGOの調査によれば、10月9日から12月2日の間、ミャンマー・ラカイ
ン州との接点で、バングラデシュ南東部のコックスバザールにはおよそ2万100
0人が流入しているという。

大部分のロヒンギャ族難民は、Sahany村の公的避難所に身を寄せている。

スーチー氏はロヒンギャ族について言及せず
ミャンマー軍はロヒンギャ族への虐待を否定している。しかし、国際人権団体
による衛星調査では、ロヒンギャ族の村が破壊された様子が認められている。
AFPのインタビューでは、ミャンマー軍による拷問や殺人、女性への暴力なども
証言された。

ミャンマー軍は、外国からのジャーナリストがこの地域へアクセスすることを
禁止している。

国家顧問のアウンサンスーチー氏は、「平和と国の和解」を実現するために尽
くすと宣言しているが、ロヒンギャ族への暴力については言及していない。



■少数民族ロヒンギャ問題、スー・チー政権に打撃
 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10643220U6A211C1000000/
 (日本経済新聞 2016年12月16日)

 ミャンマー西部ラカイン州でイスラム系少数民族ロヒンギャに対する人権侵
害問題が深刻さを増している。過激派掃討を口実とする国軍の軍事行動で、多
くが隣国バングラデシュに逃れ、兵士による住民の虐殺も報告されている。国
際社会の批判は、国軍を統制できないアウン・サン・スー・チー国家顧問に集
中し、その政権基盤を大きく揺るがしかねない事態に発展している。

 バングラデシュ東部のコックス・バザール。ベンガル湾岸屈指のビーチリゾ
ート周辺は、10月以降、ヘジャブ(スカーフ)やイスラム帽をかぶったロヒン
ギャ難民に埋め尽くされている。国境を接するミャンマーから逃れてきた彼ら
の大半は、家財も持たず、着のみ着のまま。その表情はいずれも、恐怖に凍り
付いている。国際移住機関(IOM)は6日、ミャンマーからバングラデシュ
に流入した難民が2万人を超えたと発表した。

◆国軍によるジェノサイドの疑い

 19世紀までにバングラデシュ周辺から移住したイスラム教徒の子孫とされる
ロヒンギャ。ラカイン州には約80万人が住む。仏教徒が圧倒的多数を占めるミャ
ンマーではイスラム教徒の増加に対する警戒感は根強いが、1982年、当時の社
会主義政権が国籍法を制定しロヒンギャの市民権を剥奪すると、不法移民と見
なされるようになったロヒンギャは激しい差別にさらされるようになる。2012
年、ラカイン州でロヒンギャによる仏教徒女性の暴行殺害事件をきっかけに大
規模衝突が発生し、200人以上が死亡すると、政府は10万人超のロヒンギャを難
民キャンプに隔離。劣悪な環境に絶えかね、小舟で周辺国に逃れるロヒンギャ
が続出した。

 だが今、ロヒンギャの人権は国籍法制定以降、最悪の状況にある。国軍によ
る「ジェノサイド(組織的虐殺)」が強く疑われているためだ。その発端とな
ったのは10月9日、ラカイン州北部の警察署を正体不明の武装集団が襲撃し、
警官9人が死亡した事件だ。ミャンマー政府は14日、イスラム過激派や反政府
勢力「ロヒンギャ団結機構(RSO)」に支援されたテロ組織による犯行と発
表。国民の不安をあおりつつ、ラカイン州の治安回復を名目とする、大規模掃
討作戦に乗り出した。

 その攻撃は熾烈(しれつ)を極め、パチンコしか持たないロヒンギャに重火
器が使用され、空爆が行われたとの報道もある。犯行グループとの関係を名指
しされた「RSO」なども、沿革は不明な点が多く、差別に不満を募らせたロ
ヒンギャによる突発的暴動との見方の方が強い。いずれにしても国軍の掃討作
戦の過程で70人以上が死亡。巻き添えを恐れる一般住民も国境に殺到した。

 その後、バングラデシュに逃れたロヒンギャが国際非政府組織(NGO)な
どに、国軍兵士による組織的殺害や集団レイプを証言するようになる。国連難
民高等弁務官事務所(UNHCR)の現地担当者はラカイン州の現状を「民族
浄化」と指摘。国連も「ミャンマー政府にこれ以上任せることはできない」(
パワー米国連大使)として、第三者機関による調査を要求した。

◆周囲のイスラム諸国は激憤

 だがミャンマー政府は疑惑を真っ向から否定する。その先頭に立ったのはス
ー・チー氏だ。国連による批判の直後、欧米諸国の外交団を首都ネピドーに呼
び、「虚偽の情報に基づく不当な批判」に強く抗議。2日には、訪問先のシン
ガポールで地元メディアに「報道は誇張されており、実態をより悪く伝えてい
る」と発言した。

 野党党首時代から、多数派仏教徒の反発が強いロヒンギャ問題に対する言及
を避けてきたスー・チー氏だが、3月末、自身が主導する政権が発足して以後、
長く敵対してきた国軍との協調を進める「国民和解」を掲げたこともあって、
ロヒンギャ問題では国軍の主張を全面的に支持。大量の難民の発生には沈黙を
保つ。新政権が発足して間もない今、内政の安定を重視しようとする現実主義
的な判断が根底にあるが、「譲歩を重ねつづけた結果、完全に国軍に取り込ま
れた」(地元メディア)との評価につながっている。

 このようなスー・チー氏の対応は周囲のイスラム諸国の憤激を呼び起こして
いる。マレーシア・クアラルンプールでは4日、ナジブ首相も参加してミャン
マー政府の対応に抗議する集会が開かれ、参加者は「ミャンマーを東南アジア
諸国連合(ASEAN)から追放しろ」、「スー・チーはノーベル平和賞を返
上しろ」とシュプレヒコールを挙げた。世界最大のイスラム人口を抱えるイン
ドネシアでも大規模抗議集会が発生。イスラム国(IS)を支持するグループ
による、ミャンマー大使館の攻撃計画も明らかになり、スー・チー氏は当初、
12月に予定していたインドネシア訪問を中止せざるをえなくなった。

◆ロヒンギャ問題、避けてきたスーチー氏

 高まる批判をかわすため、スー・チー氏は2~4日、アナン国連前事務総長
をトップとする政府の特別諮問委員会のメンバーをラカイン州に派遣し、現地
調査を依頼。6日、ヤンゴンで記者会見したアナン氏は「現在衝突はなく、放
火なども確認されない」と述べ、ジェノサイドに対する疑惑についても「法的
評価が必要だ」と政府よりの発言を繰り返した。諮問委は2カ月以内に報告書
をまとめる予定だが、情報収集にミャンマー政府が全面協力した調査は中立性
に疑問ももたれる。

 国際社会とのあつれきはスー・チー氏の政権運営にとって大きな打撃だ。軍
事政権時代、スー・チー氏はノーベル平和賞受賞者としての知名度を生かし、
主要国に軍政への経済制裁を呼びかけ、そのことが11年の民政移管と、自身が
主導する国民民主党(NLD)政権の発足に結びついた。その国際社会を動員
する影響力は、国軍をけん制し、国内の政治基盤を固めるテコとなっていた。
だが国際社会での評価が損なわれつつある今、スー・チー氏の求心力は国内で
も低下し、国軍に対する統制をますます失わせる悪循環に陥りつつある。ロヒ
ンギャの悲劇から距離を置き、自身に火の粉がふりかかることを避けてきたス
ー・チー氏。だがその「現実路線」は今、限界に直面している。
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