あだち蒸気機関車館

5インチライブスチーム模型や蒸気機関車に関する資料などを保存、展示する私設博物館

どんぐりトトロ

2015年12月22日 | 館長のひとり言
日曜日はそれなりの来館者がありますが、水曜日は大人は仕事、子どもたちも学校や保育園などで来館者は少なく、まったく来ない日も結構あります。また、来館者数は、季節や天候にも左右されます。冬や雨の日は、外出そのものが少ないためか、来館者ゼロの日もあります。
こんな時は、館内の掃除や草むしりをしたり、一人カウンターに座って、資料の整理や読書、さまざまな趣味に興じています。
3年ほど前に、近所の公園でドングリ(マテバシイ)を拾ったことがきっかけで、どんぐり工作を始めました。
いろいろと作っていますが、子どもたちに一番人気があるのが、どんぐりのトトロです。せっかくなので、楽器を付けて、トトロのオーケストラを作ったところ、意外に人気で、今までに大小30個ほど製作し、知り合いに差し上げました。
喜んでくれるのは、もちろん子どもたちが多いのですが、意外に、高齢の女性に人気があります。
大きいのは作るのに時間もかかるので、最近はもっぱらこのような小さいものを作っています。



ごく最近のものは、少しバージョンアップしていて、ティンパニの陰に「まっくろくろすけ」が隠れています。



トトロのオーケストラを作ってみて、気づいたことがあります。
このトトロ、葉っぱのような尖った耳がついていません。付けるのが大変だったので付けなかっただけなのですが、あまり違和感はありません。耳がなくても誰が見てもトトロに見えます。楽器も結構いい加減な作りです。小品なので、楽器の数も少なく、とてもオーケストラとは思えません。しかし、全体をみると、楽しそうなオーケストラの雰囲気は表現できているのではないかと思います(自画自賛ですが…)。
個々のパーツにこだわらず、全体の雰囲気やバランスなどが大切だということがわかります。
美術品や工芸品などを鑑賞する場合も、おそらく同じなのでしょう。
著名な美術品の贋作は、どんなに本物に似せていて、細部を丁寧に作っていても、作品全体から得られる迫力や雰囲気が、偽物からは感じられないのだと思います。
そんなことを痛感しました。