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ハワイで「べーシック・インカム」の導入が本気で議論されている事情

2017-07-17 14:10:21 | 情報公開・軍産・金融経済・BI・公共経済

Ray:BIは教育・福祉・医療など地域経済が世界的に行き詰っていることを知る機会になります。世界経済の転換期ですからテストは繰り返すことになりますが、国際的な財政問題が根本的に解決しなければ決して公平に実行できません。もし根本が解決したならば逆にBIはいかに配慮が足りない計画であることが露呈します。つまり市民の意識がまだまだそこまでだということです。因みに国家予算の組み方に言及すれば殆ど見直しが必要になることがわかります。しかし市民は棚ぼた意識から抜けられないためBIが実現可能だと考えてしまいます。

転載: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52201

どうやら、本当に苦しいようです

なぜハワイで?

ハワイの州議会が2017年6月、「べーシック・インカム」を導入すべく作業部会を設立する法案を可決したというニュースをご存じだろうか。いま、このことが全米で話題になっている。

ベーシック・インカムという言葉が近年注目を集めているのはご承知の通り。すべての市民に対して、必要最低限の基本的な生活費を賄えるよう、政府が無条件で所得を給付することを言う。市民が仕事をもっていようが無職だろうが関係なく、一律に現金などを支払うという制度である。

ベーシック・インカムという言葉をよく目にするようになった理由は、著名な起業家などが次々とこのアイデアに賛同しているからだ。例えば、フェイスブックの創始者であるマーク・ザッカーバーグは、母校ハーバード大学で卒業生に向けた2017年のスピーチで「世界的なベーシック・インカム」の導入について言及している。

またテスラ・モーターズのイーロン・マスクも、2017年にドバイで開催された世界的サミットで、「何らかの形の世界的ベーシック・インカムが必要になるだろう」と語ったことでニュースになっている。

その制度が、本当にアメリカで始まるかもしれないというのだ。それも、ハワイで。

日本人にとって、ハワイは「常夏の優雅なリゾート地」というイメージが強く、そんなハワイになぜベーシック・インカムが必要なのだ、と訝しむ向きもあるかもしれない。実はハワイ州の経済については、将来の見通しに悲観的な見方が出ており、州議会などでも経済に対する不安が高まっているのだ。

ベーシック・インカムの必要性が検討されるほど、明るい将来見通しが示せないというハワイの実情に迫ってみたい。

生活コストは全米トップ

ハワイで今、最も問題視されているのは、全米トップと言われる生活コストの高さだ。例えば、ワンルームアパートの平均賃料は1800ドル、20万円近くにもなるという。その理由のひとつは、ハワイは土地の限界があるため、というシンプルなもの。どんどん建物を建てればいいというわけにはいかないのだ。

そんな高い生活費のせいもあって、ハワイは全米で最もホームレスの数が多い州とのイメージが通っている。リゾート地とはかけ離れているが、人口140万人のハワイで、ホームレスの数は7200人。比率で見ると、10万人のうち505人がホームレスという計算になるが、ホームレスが多いイメージのあるニューヨーク州では10万人のうち436人がホームレスということ計算になり、ハワイが上を行っている。

ホームレスが増えることで、畢竟、州の財政にも負担が押し寄せている。劣悪な状況での生活によって健康を害し、病院の世話になることも少なくない。大きな病院では年間1000万ドルの医療費がかかっているというが、ホームレスの人たちは医療費を支払うことができないため、結局、病院や州の財政にしわ寄せが来ているという。

そのような状況下で、ハワイ州知事は2015年、深刻なホームレスの増加に対して非常事態宣言を発動している。そしてホームレスに向けたシェルター建設など早急な対策を指示したのだが、当時のホームレスの数が10万人中465人、それが現在は10万人中505人になったことを考えると、事態は悪化していることになる。

市民団体などの精力的なボランティア活動などもあって、2017年5月には過去8年で初めてホームレスの数が減少したと報じられているが、それも若干、という程度で、ベーシック・インカムが必要になる可能性は相変わらず高い。

一方で、ベーシック・インカムの導入が議論される理由は、生活コストの高さやホームレスの問題だけではない。今後の州内のビジネス展望が明るくないという予測も大きく影響しているのだ。そもそも、ハワイはビジネスのコストや労働力、インフラといった項目は、全米で軒並み最低クラスであると評価されている。そんな状態のハワイが、さらなる不況に襲われるという見方が出ているのだ。

実験は各所で行われているが…

6月にハワイの州議会を通過したべーシック・インカム作業部会。その設立を決めた法案には、その理由がこう記されている。

「アメリカは世界でも最も裕福な国であるにもかかわらず、一部の高額所得者と中流・下流層との間にある経済的な不平等さが格差を広げるなか、ハワイ州の多くの家族、個人、そしてビジネスが、生活コストの増加に合わせていくのに、もがき苦しんでいる。しかも中流・下流層の全体的な収入もここ数十年で減少している」

 そんな状況で、さらに追い打ちをかけるように、新たなテクノロジーによる雇用破壊という要素が加わることになる。各自動車企業がしのぎを削っている自動運転テクノロジーや、スーパーマーケットなどで導入が進む自動支払いシステム、通販などのEコマース、医療検査、銀行送金や支払いなどでは、すでに人の手が必要でなくなりつつあることはご承じの通り。

特にサービス業に依存しているハワイのような州では、こうした革新的なテクノロジーの到来で、何十万人もの仕事が奪われると指摘する。しかも、「3Dプリンターの値段が過去10年で1万5000ドルから500ドル以下になった」ように、それが瞬く間に現実になると警鐘を鳴らしているのだ。ハワイ州特有の事情から、その対策として、ベーシック・インカムが必要になる、というのだ。

さて、ベーシック・インカムのアイデアは特に新しいものではなく、米国でも古くはリチャード・ニクソン大統領が68年から3年間にわたり、ニュージャージー州とペンシルベニア州の1300世帯で実施したことがある。だが結局は導入するには至らなかった。導入への慎重派は、財源もさることながら、市民が堕落することを反対理由として指摘している。

今改めて注目されているベーシック・インカムは、世界を見渡せばすでにいくつかの地域で試験的な導入が始まっている。カリフォルニア州のオークランドでは100世帯に月1500ドルを配るという実験を行なっている。

フィンランドは2016年から、ランダムに選んだフィンランド人2000人に1人につき月560ユーロ(約587ドル)を無条件で提供する2年間の実験を開始している。2017年4月には、カナダのオンタリオ州が3つの地域の4000人に、1人に月1400ドルほどのベーシック・インカムを渡す試験を実施すると発表している。

ハワイ州では、世界の実験結果なども考慮しながら、ベーシック・インカム導入に関する議論が続けられることになる。最大の課題は財源だろう。

現在ハワイ州の貧困ラインは1人の年収が1万3860ドル。仮に成人人口(18歳以上)の約105万人が全員、1万3860ドルを受け取るとすると、ベーシック・インカムの費用は年間で144億ドルほどになる。富裕層の税金を増やすという案もあるようだが、今後、それをどう賄うのか、試算などを繰り返すことになるという。

今回の法案の文言を読むと、ハワイの切迫感はどこよりもその必要性を強く感じられるものである。財源をどうするのかをはじめ、検討すべきことは山のようにあるはずだが、ハワイにとっては、「その時」が来るのはそう遠くはないのかもしれない。

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