株式会社アセラ 食品理化センター

【業務内容】
委託分析(アミノ酸分析・糖分析・有機酸分析、その他分析)、商品試作、機能性食品素材開発、その他 

こく味にんにく紹介

2017-04-17 12:57:46 | 開発商品

ニンニクの臭いについて】

 ニンニクの強烈な臭いは、ニンニクが多量に蓄積しているアリインというイオウを含むアミノ酸が酵素アリイナーゼによってアリシンという成分に変化し、その後自然に二硫化アリルという揮発性の物質になります。この二硫化アリルがニンニクの臭いです。

ニンニクを低臭化するには・・・

(1)生成した二硫化アリルを除去する

(2)アリインまたはアリシンを二硫化アリルに変化させない

 の2通りの方法が考えられますが、(1)の場合、ニンニクに含まれる、二硫化アリル以外の成分も除去されてしまう可能性があります。また、二硫化アリルは、臭いは強いものの体にとても良い成分のため、除去すると勿体無いということもあります。そこで、(2)の方法を検討することにしました。 

【アリイナーゼの失活による低臭化】

 アリシンの基の物質(前駆体)であるアリインは無臭で、体内に入ると肝臓でアリシンに変換されます。つまり、アリインを摂取しても二硫化アリルの持つ生理効果が発揮されることになります。しかも摂取時は低臭のため、ニンニクの臭いをほとんど気にする必要がないというメリットがあります。 

当センターでは、アリインがアリシンに変換される前に酵素アリイナーゼを失活させることで二硫化アリルの生成を抑え、同時に前駆体であるアリインを高濃度に含む生ニンニクペースト(商品名:こく味にんにく)を開発しました。

アミノ酸分析機で分析すると、市販のおろしニンニクにはほとんど残っていないアリインが多量に含まれていることが解ります。


  図2 上:市販おろしニンニク 下:こく味にんにく 

図2で解るように、普通のおろしニンニクにはアンモニアも多く含まれています。このアンモニアはアリインがアリシンに変わるときに生成したもので、ニンニクの臭いに一役買っています。こく味にんにくは、アリインがアリシンに変わるのを抑えることによりアンモニアの生成も抑えているため、アンモニアの含有量が非常に少なくなっています。

蛇足ですが、ニンニクはアルギニンが非常に多く、アリインと同程度(生ニンニクに1%以上)含まれています。アルギニンは非常に有用なアミノ酸で生理効果が高く、多量に含まれていることがニンニクの滋養強壮効果の根拠の一つになっています。更に、ニンニクの貯蔵澱粉はイヌリンで、腸内環境改善作用を持っています。この様に、ニンニクは有用な生理活性物質の塊なのです。

 

 【アリイン高含有量のメリットとデメリット】

(1)   アリインは、旨み成分であるグルタミン酸やイノシン酸と出会うと、旨みの持続性と厚みを付与することがわかっています(Agric. Biol. Chem., 54, 163-169, 1990)

実際、市販のおろしニンニクとこく味にんにくをコンソメスープなどに少量加えて味を比較すると、こく味にんにくを入れたスープのほうが強い後味を感じることが確認できます。つまり、こく味にんにくには旨み増強効果が期待できるのです。反面、ニンニクの風味が弱いので、餃子やキムチに使用しているおろしニンニクを全てこく味にんにくに代えてしまうと、従来品とは印象が大きく異なるものになってしまう可能性があります。

(2)   突出した風味を弱め、全体的に味をまとめる効果があります。

 例えば、辛味や酸味の強い調味に少量加えると、風味を弱めて全体的に円やかな味になります。しかしながら、特徴を強調したい調味に添加すると特徴を殺しかねません。当センターでの実験では、大人用のスパイシーなカレーにこく味にんにくを加えたところ、お子様用の甘口カレーのようになりました。本効果によりご使用いただいているお客様もおりますが、デメリットにもなりうると思います。

(3)   鳥獣肉、魚肉に対するマスキング効果があります。

  肉や魚の生臭さをマスキングする効果が認められました。特に魚との相性が良く、干物用の漬け汁に添加したところ生臭さがかなり軽減されました。試薬のアリインをイカの塩辛に添加したところマスキング効果を発揮したため、マスキング効果の主成分はアリインだと思われます

 


レシピ例

以上のように、こく味にんにくは従来のおろしニンニクとは異なる面白い特徴を持っています。添加してみないとわからない点も多いので、お試しいただければ幸いです。お問い合わせをお待ちしております。

 

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