Hippo日記

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

ユニウェーブ方式・続き

2017年02月05日 | オーディオいろいろ

 

 

※ ウェイヴレット解析の例。スピーカーシステムのタイムアライメント整合状態を視覚的に見る事が出来ます。(詳細は割愛させていただきます。)

 

さて、先日の「トゥイーターを作る」のブログで紹介した「過渡歪による音の硬質感?」の話題の続きです。

ところで、過渡応答(トランジェント)というと、ホーン形スピーカーのアタック音の立ち上がりの良し悪しといった話題を連想されるかもしれません。しかし、これとはまったく別のお話です。

例えばフェーズシフターという機材をご存じでしょうか? エレキ楽器のエフェクターとしてお馴染みの物です。この機材は周波数特性はフラットのまま、音域が上がるにつれて位相回転を生じさせる不思議な回路で出来ていて、元の音と位相の回った音をミックスする事で、独特の効果音を生じさせます。ここでは、元の音と干渉を起こさせる事で音の変化が判る訳で、ミックスしない位相回転させただけの音を聴いても、「聴感上は何も変化を感じない」とされています。

さてところが、この回路にインパルス応答など(正弦波ではない)過渡的な波形を通すと、波形が大きく乱れてしまいます。これが過渡歪の例ですが、波形が明らかに違う物になっているのに聴覚では判らないという事に違和感を感じませんか? 音楽信号は正弦波的ではなくて過渡信号的なものなのですから。

ユニウェーブ方式で指摘している具体的問題例を上げると、(多くの方が経験していると思いますが)コーラスのハーモニーにジリジリというノイズが乗る現象で、耳の疲れる硬質感のある音です。(試聴会では、この手のソースは鬼門で、まず使わないでしょう?) とくにコーラスグループに所属している方は、この歪音がすぐに分かって酷く悩まされているのではないでしょうか。

この歪音は、多くの場合はスピーカーユニットのキャラクターと理解されていると思いますが、過渡応答の問題としての認識は従来無かったと思われます。

そこで評論家の高橋和正先生の音頭取りで登場したのがユニウェーブ方式なのですが、大分以前に話題になって、その後忘れられてしまった様です。私自身も当時関心が無かったので、今更知る事になりました。それで、高橋先生にはいろいろ聞いてみたのですが、とにかく過渡応答歪の測定方法自体が確立されていないので、聴覚と手探りが必要で、f特調整の様に簡単に出来るものではない様です。

※ ユニウェーブは、正しくは別府俊幸氏が生みの親で、高橋先生は話題を広めた側になります。訂正させていただきます。

遅ればせながらの私の狭い理解ですが、要件と思われる事を順不同で上げさせていただきます。

・ 従来言われて来た「リニアフェイズ」では、正弦波応答で綺麗に繋がればOKというレベルだったが、ユニウェーブでは過渡応答波形を崩さないための「タイムアライメント管理」が重要。

従って、

① ユニットは全て正相接続

② ユニット間のタイムアライメントを合せる

③ クロスオーバーは、位相特性がフラットになる1次カーブ、次善策として1次+3次(どんな位相特性?)

④ タイムアライメントの整合状態の把握は(写真↑の様な)ウェイヴレット解析だけでは難しい。単発サイン波を色々な周波数で入力して、ネットワーク込みのWFとTWの発音タイミングのずれをオシロスコープで観測すると調整し易い。

※ フィルター回路そのものが過渡歪の発生源となりますので、次数が高い程悪くなりそうですが、③のごとく、必ずしもそうとは言えない様です。

ざっとこんな感じかと思います。④については、実演を見せていただいたものの、私には今後研究の必要な未消化事項です。

さて、ここで1次(-6dB/oct)は比較的簡単に味見出来るようで、コメントを入れて下さったひでじ様も同様の様子です。但し聴感調整が必須で、更に調整を追い込むと、異次元の世界に入れますので、是非やって見て下さい。(^^

また、次善策の1次+3次でもほぼ同じ効果が出せるそうで、実際に高橋先生の2wayのサブシステム(パッシブNW式)も1次(WF)+3次(TW)になっていて、確かに「ユニウェーブ」の音でした。実は、これについても試した事があるのですが、うまく繋がらなくてギブアップした経験があるので、再チャレンジが必要ですね。

この「次善策方式」でしたら、当社扱いのPARC Audioのユニットでもユニウェーブが実現しやすくなります。実はPARCの様な音離れ重視のユニットには、鬼に金棒の方式で、他のメーカーのユニットでは実現出来なかったレベルの高品位な音作りが出来る可能性があります。時間はかかるかも知れませんが、今後の自作ネットワーク製品の展開に取り込みたい課題です。(何れにせよ、今まで以上に聴感を研ぎ澄まさないと調整は難しいので、完成品を購入していただく方が賢いかもしれません。)

測定重視派のマニアの方が沢山いらっしゃると思いますので、是非ユニウェーブにもチャレンジしてみていただきたいと思います。上手いやり方が見つかったら、是非私にも教えて下さいまし!

ご注意! 理屈は大事ですが、まずは音の違いを理解して下さい。決して微妙な違いなどではなく、今まで気にしていなかっただけなのです。

 

 

 

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8 コメント

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Unknown (ケン)
2017-02-06 08:59:23
 ユニウェーブ懐かしいですね。高橋さんもお元気で何よりです。
 その後の進展も色々ある様ですから、久しぶりに伺いたいですね。
Unknown (Mr. Hippo)
2017-02-06 10:02:37
ケンさんお早うございます。

今はお元気にされていますが、早いうちに行かれる事をお勧めします。一聴の価値はあるかと思います。

私は一年ほど前から時々お邪魔していますが、それでも大分進展しています。80歳越えでの熱心なご活動には頭が下がります。
インピーダンス補正も×? (ひでじ)
2017-02-07 20:29:24
こんばんは!
このユニウェーブ方式
ウーファーとツイーターをタイムアライメントを合わせたうえで、
ウーファーを1次フィルターのみ
ツイーターは1次か3次フィルターとのことですが
もしかして、
ウーファーはインピーダンス補正も×
なんですか?
補正したとたん、あのウーファー2次フィルターを入れた時同様、女性ヴォーカルがきつく成ってしまって.....
Unknown (Mr. Hippo)
2017-02-07 22:03:31
今晩は、ひでじさん。

>ウーファーはインピーダンス補正も×・・・

当方では補正していますが問題ありませんでした。肩特性がうまく行っていないのかもしれませんね。バッフルステップ補正回路を使っていないのでしたら、インピーダンス補正抜きで、結果オーライでも良いと思います。それから、タイムアライメントはどうやって合せていますか? 最低限ウェイヴレット解析等の測定器が要ります。トゥイーターの位置はホントかよ?というくらい奥になります。13cmユニットでもオフセットは8cm位になっています。
Unknown (ひでじ)
2017-02-07 22:15:49
Hippoさん
アドバイスありがとうございます!
タイムアライメント調整甘すぎたんですね
最低限ウェイヴレット解析???
要勉強です
17cmケプラーでとりあえず8cmツイーターさげてみます
Unknown (Mr. Hippo)
2017-02-07 23:48:09
ひでじさん、私を追い越さないで下さいね。(笑)

追伸です。

まず初めにタイムアライメントを合せるところから始まるのが、通常のNW調整と大きく違う訳です。

今思い出しましたが、インパルス応答の波形を見ながら調整しているという話もありました。そういえば自分もやった事があります。ウェイヴレット解析はカラフルでいかにも分かり易そうですが、f特のうねりも加わって、案外分かり難いです。

慣れれば、こちら(パルス波形)の方が直接的で分かり易いと思います。TWを前後させながら波形を見ると、WFのパルスとTWのパルスの位置関係が変化するので、何となく分かる様になります。単発サイン波が良いというのは、たぶん余計なギザギザ波形が少なくて見やすいのでしょう。

測定器は、例えばデイトン社のオムニマイク(USBマイクと解析ソフト、信号CDのセット)という製品が安くて便利です。ベイサイドさんで廉価に売っています。

アライメントがキモなので、きちんと合せてから、以降の作業をやった方が良いと思います。

Unknown (ケン)
2017-02-08 08:17:40
 Mr.Hippoさん、ひでじさん

 タイムアライメントと位相整合の世界へようこそ。ネットワークだと物理調整が主になりますが、又違った世界が見えてきますよ。

 とりあえずOmniMICがお勧めです。インパルスや単発サインでも可能かもしれませんが、中々難しいです。
 Waveletはフリーソフトもありますが、ちょっと怪しい。
ひでじさんもそろそろ測定と解析を始めてはいかがですか。
Unknown (Mr. Hippo)
2017-02-08 09:24:59
ケンさん、お早うございます。

タイムアライメントは測定器でやる以外にないと思いますが、私の場合は位相整合は必ず聴感で詰めています。ですが、特に6dB/octの場合は、リバースヌルを出すといった誰でも分かり易い方法は使えませんね。ケンさんは何か秘策がありますか? この辺の奥深い話は各人独自にやっていると思われるので興味深いです。

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