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マルタのやさしい刺繍 2006年 スイス

2010-02-10 | ヒューマン・ドラマ
スイスの小さな村に住むマルタおばあちゃん。
最愛の夫を亡くして以来、喪服を着て過ごしていた。
何もする気がおこらず、牧師である息子のミサにも寝過ごす始末。

「何かを始めたらいいのよ」
友人のリージは言う。
そんなある日、彼女はマルタの家のクローゼットで、きれいな花の模様の箱を見つける。
その中には、美しい生地が・・・
「素敵じゃないの、マルタ!」
「昔、インターラーケンにいた頃、作っていたのよ・・・」
マルタは、リージの勧めもあり、かつての夢を実現させようと意気込む。

その決意とは。
保守的な村の中で、ランジェリー・ショップ(映画では、ランジェリー・ブティックといってます)を開くということは、かなりの違和感があるよう。
案の定、村の住民たちは奇異な目でマルタを見る。
「そんなことをして、恥ずかしいと思わないのか!」
他人ならともかく、息子にまで言われてしまう。
だが、マルタの気持ちは揺るがない。
おばあちゃんは強い。
だてに、年齢を重ねているわけではないのだ。

首都ベルンまで出て、生地を買う。
街で売っているランジェリーを見て、マルタは商品の粗を並べ立てる。
「縫製が悪いし、デザインもよくないわ。 昔はみんな、手縫いだったのよ」

マルタをはじめ、彼女の友人たち ― リージ、フリーダ、ハンニ、それぞれを演じた女優さんたちはみな、母国では有名らしい。
さすがに芸達者な人たちだった。
安定した演技にキャリアの技量を感じた。

店を開けたのも、友人の協力があってこそ。
“持つべきものは、〈老いても〉友”なんでしょう。
夢をかなえるのに、年齢は関係ないと奮闘するマルタおばあちゃん。
女性はいつまでも強いのです。




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