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ブーリン家の姉妹 2008年 イギリス・アメリカ

2012-04-02 | ドラマ
16世紀、チューダー朝のイギリス王ヘンリー8世が、最初の妻であるキャサリン妃以降、離婚、再婚をなぜ幾度もくり返したのか、そのきっかけとなったのが、アン・ブーリンという一人の女性であった。

「わたくしが男児を産みます。 必ず産んでみせますわ。 ですから、国王はお妃さまと離別なさって、わたくしを妻の座に。 王妃として認めてくださるのであれば、わたくしは・・・」

アンの、この恐るべき積極性と王の誤算が、これまでのイギリスという国を変えてしまったことは事実である。
国王の離婚は絶対に認められるものではなく、ローマ教皇だってカンカンだったわけだ。
しかしヘンリー王はそんなことにも屈せず、アン・ブーリンと結婚してしまう。
これにより、カトリック教会とは決別し、王は独自にイギリス国教会を設立し、その後、宗教改革を断行したのであった。

本作品は、フィリッパ・グレゴリー著の小説を映画化したもので、妹のメアリーの目を通して描かれたドラマである。
確かに、ドラマチックに練り上げられていると思う。
メアリーという架空の妹を出すだけで、これほどに盛り上がるのだから面白い。

実際のアン・ブーリンは、それほど魅力があったわけではないらしい。
だが、王はとことん彼女に惹かれ、最後はその彼女を処刑したのだからわからないものだ。
その後、男児を産んでもらうべく、次から次へと妻をとっかえひっかえしていくのだが、最後まで男の子には恵まれなかった。
さぞかし心残りだったであろうが、でも、王様、あなたには素晴らしいお世継ぎがいらしたんですよ、と言いたい。
女の子ではありますが、後に、エリザベス一世として、この国を統治なさるのですよ。
その偉大なお世継ぎを残されたのは、あなたが処刑したアン・ブーリンなのです。