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構造~鉄骨・・軽量鉄骨

2010年11月08日 | 家の構造、断熱性能など

構造
鉄骨造
軽量鉄骨

主なメーカー
積水ハウス
ダイワハウス
パナホーム
トヨタホーム

軽量鉄骨造は日本で生まれた構造で、積水ハウス、ダイワハウスが牽引してきた構造といえるでしょう。
誕生はプレハブとして、短工期で建設できる仮設建物として生まれた建物です。
今でも現場事務所などで見かけることが多いプレハブ建物ですが、昔に比べだいぶ進化したのは事実ですが構造的な特徴がそのまま欠点となる「鉄骨を構造材とする」ところは変わっていません。
軽量鉄骨造が耐震性にも耐火性にもすぐれているというのは上記2社が作り出した幻想といってほぼ間違いありません。
木造と比較して強いのは「重量鉄骨造」であって、軽量鉄骨と重量鉄骨は別物(厚みが違うだけではありますが、構造性能などは段違いの差があります。

世界的にみても軽量鉄骨を主構造とする住宅が普及しているのは日本だけです。
これは構造材自体(軽量鉄骨)の強度が木などと比較して、大差があるほど強くないのに、熱伝導率が高すぎて夏暑く、冬寒いという事になり住宅には不向きであること、火災発生時の耐熱性能が木材よりも弱く、火災発生時に木造よりも短時間で崩壊する危険性が高いことなどが原因です。

長所:工場生産性が高く、比較的短工期で建築できる。メーカー側が大きく儲かる。ことなどがいえるとおもいます。

短所:熱伝導率が高い、熱に弱く火災時崩落時間が短い+軽量鉄骨の塗膜(塗装の膜)に傷がつくとそこから錆が発生し、軽量鉄骨程度の厚みでは強度がボロボロとなる

熱伝導率が高すぎるというのは上に書いた通り火事などの際にも影響はあるのですが、なによりも影響が大きいのは(火事はしょっちゅうはありませんので)夏暑く、冬寒い家という事です。構造としての柱が熱(外の寒さや暑さ)が柱を通して伝わってしまうことです。この対策を各鉄骨メーカーは「外断熱」や柱をコの字とし、複数本並べ、その間に断熱材を入れてみたりしていますが、根本的な対策としては「Q値」が木造の本格的な高気密高断熱住宅(11年も前に制定された次世代省エネ基準程度ではなくです)に比べ、格段に劣ることからも明らかです。

外断熱はたしかに軽量鉄骨では必要な断熱方法ですが、まだまだ寒い家なのは間違いないようです。
外張り断熱か内部充填断熱か

外張り断熱についてPart2


数十年前に木造ネガティブキャンペーンが行われ、木造の地位や性能は「日本国内だけ限定で」大きく低下しました。(このあたりの内容は東京大学名誉教授 故 杉山英男先生の「杉山英男の語り伝え」という本にいろいろと書いてありますが残念ながら非売品です)
軽量鉄骨造が木造に比べ、気密性、断熱性、耐火性、耐震性などに優れているという軽量鉄骨陣営のネガティブキャンペーンだったわけですが、その際に比較対象としていたのが、昔の隙間だらけの簡易木造住宅との比較でした。

その後、木造の進化に対して、軽量鉄骨の性能は気密性、断熱性では完全に取り残され、売りであった耐火性能(鉄は燃えない)も耐熱性能がとにかく弱く、火事には熱がかならず発生するのにそこを隠していましたが、消防士に火災の際に飛び込むのが怖いのは「軽量鉄骨の家」とまで断言され、耐震性能も木造に完全に並ばれ、免震などの進化ではコスト的に負け、残っているのはCMなどによるブランドイメージと当時用いた政治的圧力を使った保険での優遇のみという状態になってしまっています。

よく軽量鉄骨好きな人がおっしゃるセリフで「鉄は白蟻にやられない」という事をおっしゃられる方がいらっしゃいますが、軽量鉄骨の家でも床下や天井下地など木材は沢山使われています。防腐防蟻処理をしっかりとやらないと軽量鉄骨造の定番クレームの床抜けが発生します。5年ごとなどの定期メンテナンスの際にもご注意ください。

また木造の弱点が腐りの危険性だとすると、軽量鉄骨(重量鉄骨やRC造もそうですが)の最大の危険性は「錆」です。

工事の際に構造の軽量鉄骨になにかが接触したりして塗膜が一部でもはがれると危険です。はがれたところに作業する方の手汗でもついたら危険度一気に上昇です。

また軽量鉄骨造の場合、構造の欠点(熱伝導率)を補う為に外断熱を必要としますが、断熱材が薄い為、軽量鉄骨柱の接点で内部結露が発生する事が多いので、作業中の傷→塗膜がはがれる→結露の水滴から錆発生→強度ぼろぼろという最悪の循環に注意が必要です。

ところで私が知っている限り、軽量鉄骨の家に住んでいるいる方が、また軽量鉄骨に建替える方はいらっしゃらないのですがこのあたりの統計的なデータが見つからないのがなぜでしょう・・・


各メーカー特徴
積水ハウス
日本を代表する住宅メーカーなのは間違いありません。
純粋な注文住宅ももちろんありますが、着工棟数を稼いでいるのは、分譲住宅とアパートなのは建築業界の常識です。
注文住宅の坪単価は80万円以上と工場生産率が高く、原価率などから考えてもぼろもうけをしている会社ですが、社員の給料も他の住宅メーカーなどに比べて高い為、会社の利益としては赤字が続いていました。
基本的に工事は積水の子会社や別会社へのまる投げ方式です。
現在も続くCMでのブランド戦略が中心の会社ですので、ブランド好きな人にはお薦めできる会社かとおもいます。
なお、高級住宅メーカーだけあってアフターサービスの対応速度はよいようです。


ダイワハウス
ダイワマンのCMでおなじみの住宅メーカーです。
こちらの着工棟数を稼いでいるのはアパートです。
積水ハウスと同様にCMに依存していますが、性能、品質は積水ハウスよりもかなり劣ります。しかしながら金額もその分安くなっていますので値段並みといえるのかもしれません。
突拍子もない事をやりだすこともあり、意味不明な会社ですが、軽量鉄骨メーカーの中で外断熱を売りにしたのもダイワハウスですのでまともなのかまともじゃないのか、判断に悩む会社です。
しかしながらクレーム率もかなり高いようで、アフターメンテナンス人員を増員しないため、つねにアフターサービスはパンク状態でなかなかきてくれないという話をよくうかがいます。

パナホーム
パナソニック(ナショナル)ブランドで大きく成長した会社で、売りはパナソニック電化製品と外壁材です。
つい最近、とある性能偽装問題で国土交通省から大手住宅メーカーとして初ともいえる大規模処分を受け、設計士の大量処分や設計オフィスなどの閉鎖処分などを受けました。
詳しく知りたいかたはパナホーム 処分 で検索をしてみてください。また工事についてもかなり危険な工事やまる投げに近いことをやっているようでよくネットでも話題にあがる会社です。

トヨタホーム
日本を代表するトヨタグループの住宅メーカーです。
トヨタ自動車の塗装技術などを導入し、性能向上を図り、デザイン的にもお金を投入し、以前のトラックに積んできてドーンと置くだけの住宅から大幅に進化してきています。
営業は自動車ディーラー出身者とトヨタホーム入社組みとがおり、レベルはかなり差があるようです。
しかしながら最近の軽量鉄骨メーカーの中では一番勢いと、資力があるのは間違いなく、性能面でも木造に取り残されないように軽量鉄骨メーカーの中では一番努力している会社だとおもいます。

価格を安い順で並べると
ダイワ<トヨタ<パナ<積水

構造強度で並べると
ダイワ<パナ<トヨタ≦積水

高気密、高断熱の性能で並べると(右にいくほど性能がよい)
パナ≦ダイワ=積水<トヨタ<<木造の高気密高断熱

いつもいつもですいませんが間違ってたらごめんなさい



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