Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

柴崎友香「春の庭」

2017-05-11 10:35:14 | 読書
文春文庫 (2017/4).

読んでいて既読感.第151回芥川賞受賞作とあるから,そのとき読んだのだろうか.「その街の今は」「きょうのできごと,十年後」は覚えているのだけれど...

帯には

*****
何かが始まる気配。見えなかったものが見えてくる。

二階のベランダから女が頭を突き出し、なにかを見ている。(「春の庭」)
通りの向こうに住む女を、男が殺しに来た。(「糸」)
アパート二階、右端の部屋の住人は、眠ることがなによりの楽しみだった。(「見えない」)
電車が鉄橋を渡るときの音が、背中から響いてきた。(「出かける準備」)
*****

この作家の本を手に取ってしまうのは,こういう宣伝文句?に弱いからだろう.
「何かが始まる気配」はあっても,結局何も始まらないところが4編に共通している.登場人物の,皆 どこかぐーたらで成り行き任せなところが,読んで心が休まる.

「春の庭」では最後の方で「わたし」という一人称で,そこまでの主人公の姉が突然登場したので,おやおやと思った.これについての堀江敏幸の解説がいかにも作家らしい.しかし残る3作は (2014/7 の単行本文「春の庭」に3作を加えたという) 1行でかたづけられていて,堀江さんはちゃんと読んだのかな と思ってしまう.

文庫書き下ろし「出かける準備」が良い.
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