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論点 尖閣諸島問題 「棚上げ」合意存在せず 読売新聞 2013年10月5日ー

2013-10-05 09:44:41 | 意見発表

論点 読売新聞 2013年10月5日 

池田 維(いけだ  ただし)氏

立命館大客員教授。外務省アジア局長、官房長などを経て2005年から08年まで(財)交流協会台北事務所代表。74歳。

 尖閣諸島問題 「棚上げ」合意存在せず

  中国の公船が尖閣諸島沖の領海内に頻繁に侵入し、日中間の緊張が高まっている。かつ外務省で日中実務関係に長年携わってきたひとりとして、尖閣の領有権について事実関係を明確にしておきたい。

 日本政府が約10年間にわたる現地調査を経て、国際法にかなった方法で同諸島を日本領に編入したのは1895年1月である。それ以来、1971年までの76年間にわたり、中国も台湾も日本の領土であることに異議を唱えたことはない。

領有権の主張を始めたのは、この海域の石油資源埋蔵の可能性を国連機関の調査が明らかにしてからだ。

尖閣は沖縄の一部として米国の占領下、および施政権下に置かれた一時期(1945〜72)を除き、一貫して日本の有効な支配下に置かれている。戦前の一時期には200人以上の日本人が居住していた。

 いわゆる「棚上げ」論については、日中双方が何らかの問題の存在を共に認め、その解決を先送りするということに合意したことはない。近年公開された外交文書の中の72年の国交正常化交渉の際の田中首相・周恩来首相の会話、78年の福田首相‘郵小平副首相の会談のいずれにも「棚上げ」の合意は存在しない。

 前者においては、田中首相が「尖閣のことをどう思うか」と水を向けたら、周首相は「石油が出るから問題になった。今は話したくない」という短い会話に終わっている。後者では、副首相から「自分たちの世代には知恵がないから次の世代に任せたい」との趣旨

の発言があったが、福田首相は一切応答していない。

郵副首相は後の記者会見で「こういう問題は一時的に、または10年間棚上げしても構わない」と発言している。

巧みな言い回しだが、あくまでも一方的な発言だ。 この記者会見の14年後の92年に中国は国内法「領海及び隣接区域法」を突如制定し、尖閣諸島を自国の領土に編入した。日本は直ちに抗議したが、これは「棚上げ」論と重大な矛盾をはらむ。中国が「棚上げ」論

を言うなら、まず国内法を改正ないし廃棄してからにすべきだ。

 中国は「日本が戦争で尖閣諸島(中国名・釣魚島)を盗んだ」と主張すること

もある。だが、日清戦争終結後の下関条約(1895年4月)で、日本が割譲を受けたのは台湾と膨湖諸島のみで、尖閣諸島は交渉の対象とはなっていない。

 さらに、中国は最近、「カイロ宣言,ポツダム宣言」を引用し、日本が両宣言を

受け入れた結果、第2次大戦後、尖閣は「台湾の付属島嶼」として、台湾、澎湖諸

島とともに中国(中華民国)に返還された、という言い方もしている。しかし、もし

仮に当時、尖閣が「台湾の付属島嶼」と国際的に認識されていたならば、米国がこ

れを沖縄の一部として自らの施政権下に置くことはありえなかったはずである。

 日中双方が利益を得ることが出来る「戦略的互恵関係」が発展すること自体は

歓迎されるべきだ。ただ、その場合にも、領土・主権を犠牲にしてまで安易な妥

協をし、後日に禍根を残してはならないだろう。

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