おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

毒虫って

2017-05-16 11:37:36 | 里山探検隊

 テレビで、殺虫剤のコマーシャルが流れていた。ダニやシラミなどを退治しますとやっていたが、その触れ込みが「毒虫退治には」とたいそうだ。確かにダニやシラミにいられては困るが、毒虫扱いではなんだかSF映画かパニック映画にでも登場しそうだ。地球を侵略に来た毒虫だから、地球の平和を守るためには皆殺ししなければならないくらいの勢いなのだ。

 と、そこまでコマーシャルを見て感じるのは僕くらいだろうが、最近の虫嫌いの人の多さには閉口するところがある。ムカデやハチなら「誰か退治して」と黄色い声をあげるのは良しとしても、チョウチョウやトンボを見ても「キャー、怖い。どこか行って」と大騒ぎされるとゲンナリする。特に、近頃は虫嫌いの親を持つ子供も決まって虫は怖い存在と刷り込まれているらしく、バッタやカブトムシでさえ触れないというんだから、隔世の感がする。僕の子供の頃なんか、夏休の宿題で立派な昆虫の標本を作ったやつを見ると、それこそお金持ちのお坊ちゃんとしか思えず、羨望の眼差しで眺めたものだ。

 虫がいなければ植物の受粉もできないし、食物連鎖のピラミッドは崩壊する。身の回りのことだけではない。人間の体には数え切れないくらいの虫が共存し、まるで共同体として人体を作り上げているとも言えるのである。人間は人間だけでは1秒たりとも生きることはできない。

 そんなことを考えていると、コマーシャルで「毒虫」とひと言で表現してしまうのは、むやみに視聴者を不安に陥れる誇大広告なんじゃないかとも思う。JAROはそういうところは気にならないのかな。

 昆虫の中で、唯一感情をはっきりと表現するのはカマキリと言われている。カマキリばかりを追う写真家もいるほどだ。今回の里山探検隊の絵は、カマキリを怪獣に見たてて描いてみた。

コメント (1)
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