阿部ブログ

日々思うこと

吉村昭著 『大本営が震えた日』 ~陸軍特種情報部・北多摩通信所~

2012年05月29日 | 日記
今日、朝4時起床にて最後の30ページを読み吉村昭氏の『大本営が震えた日』を読了した。
『大本営の震えた日』は緊迫する開戦に向けた状況を描いており、時間させあれば一気呵成に読み切る事が出来る優れたノンフィクションだ。

同書を読む切っ掛けとなったのは鳥居秀晴氏の『日本陸軍の通信諜報戦』を読んだからだ。この本には陸軍の特種情報部の北多摩通信所を詳細にレポートしている。特種情報部については、昨年2011年のNHKスペシャル『原爆投下活かされなかった極秘情報』で報道され、ようやくその存在が一般にも知られるようになった。

この陸軍・特種情報部に関する書籍は少ない。
一般に入手できるのは、吉村氏の『大本営が震えた日』を筆頭に、元大本営情報参謀だった堀栄三氏の『大本営参謀の情報戦記~情報なき国家の悲劇~』、檜山良昭氏の『暗号を盗んだ男たち~人物・日本陸軍暗合史~』などぐらいである。

過去のブログでも書いているので参照頂きたい→『日本陸軍の通信諜報を読んで知った事など

日本の電波傍受と暗号解読は、イギリス、米国と比較すると極めて小規模な組織ながら、それ相応の成果をあげていた評価している。実力はほぼ同じ。
暗号解読で事前に情報が漏れたから、日本は戦争に負けたのだと言う誤った認識を広げ、日米間の国家間戦争だとしたい人達がいるが、ドイツの前期・後期のアルディンヌ戦やダンケルクなどをみても相互調整しながら戦闘が行われているのが明らか。
これについては、時間があれば書いてみたい。

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