何も問わない【1】

目にとまる

HAKUTO

2017-01-03 21:03:43 | 日記
 人類初の月面着陸から半世紀近く。今年は再び月に注目が集まりそうだ。地球から送り込んだ探査車を月面で走らせる国際レースが佳境を迎え、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の着陸機開発も本格化。資源獲得の思惑を背景に、国内外の動きが増している。

 月面の国際レースに、日本から参加を目指すチームがある。宇宙事業ベンチャーの「ispace(アイスペース)」(東京都港区)が中心となって運営するチーム「HAKUTO」。全長約60センチで重さ約4キロのローバーと呼ばれる四輪探査車を開発し、鳥取砂丘を月面に見立てた走行実験やロケットの振動に耐えるための設計などに取り組んでいる。
 レースは米グーグルが出資し、民間の「Xプライズ財団」が主催する。地球から探査車を動かし、クレーターや岩石を避けて500メートル以上を走らせる。慎重に進むため、500メートルの走行に1日かかる見込み。最終的には月面の動画などを最も早く地球に送れば優勝。賞金は2千万ドル(約24億円)だ。
 HAKUTOの探査車は、3月以降に完成し、夏ごろに打ち上げ予定のインドに送られる。12月28日に打ち上げられ、約38万キロ先の月を目指す。レースに参加するインドチームと着陸機に相乗りし、無事に着陸すれば、史上初めて日本製の探査車が月面に降り立つことになる。
 昨年12月上旬の時点で、レースへの参加表明をしているのは、米や欧州、イスラエルなどの16チーム。アイスペースの袴田武史・代表取締役は「月面は真空や強い放射線など地球上とは違う環境。困難な挑戦だが優勝する自信はある」と話す。

 米航空宇宙局(NASA)によると、月には鉱物だけでなく約6億トンの水が眠っていると推定される。欧米では、この豊富な資源を得ようとする民間企業の動きが活発だ。
 例えば、米企業「ムーンエクスプレス」は昨年、月面への飛行を実現するために必要な承認を米政府から得た。着陸船の開発も行っている。
 Xプライズ財団が今年、月面レースを主催するのも、この動きを加速させるためだ。今回のレースで得られる月面で撮影された映像は、今後、月面開発や宇宙産業が活発になる中でメリットになるとみられている。
 HAKUTOのアイスペース社も同様だ。同社は月面レースの成果を足がかりに、資源探査を続ける計画を立てている。2030年ごろまでに、水などが多く埋蔵されている場所を特定し、燃料を作って輸送する仕組みを作る構想を描く。
 アイスペースの秋元衆平さんは話す。「水から水素や酸素を生み出せれば、宇宙船などの燃料に変えられる。月を火星探査などの中継拠点にもできる」

 これまで月面に探査機を送り込んだ実績があるのは米国、旧ソ連、中国。インドも17年中には、探査機を送り込む計画があるという。JAXAは07年に打ち上げた「かぐや」で科学的な成果をあげたが、あくまで月を周回する探査機によるものだった。
 そこで今、JAXAが手がけるのが月面着陸機「SLIM(スリム)」だ。16年度中に基本設計を終え、17年度は詳細設計が進む。
 SLIMが目指す着陸の精度は世界最高レベルの誤差100メートル。「従来の探査機は、平らで降りやすく地球から見やすい場所を着陸地点に選ぶ必要があった」と開発に携わるJAXAの大竹真紀子助教は話す。精度が高まれば、凹凸がある場所にも着陸することができ、水などがあると想定される場所の近くで探査を始めることが可能になる。
 打ち上げ予定は19年度。大竹助教は「世界中が目指している精度で、挑戦的なミッション。成功させ、月などから資源を地球に持ち帰る計画にもつなげたい」と話す。
 一方、宇宙資源の所有権をどう扱っていくか、という点も国際的な課題になりつつある。宇宙資源の法整備について研究する西村高等法務研究所によると、所有を禁ずる国際法上の規則はないが、欧米では制度整備を進める国が出始めている。
 日本では今年度、宇宙開発の道筋を決める宇宙基本計画の工程表に、資源についての国際動向を研究する項目を新たに盛り込んだ。だが、資源獲得に向けた道筋や、所有権をどのように扱うべきかなどの具体案は見いだせていない。同研究所の根本拓弁護士は「国際的な仕組みができるのを待っていては遅い。国内企業の参入を促すために、政府は宇宙資源の所有などの国内ルールを明確化する姿勢を示すべきだ」とする。(山崎啓介)朝日新聞デジタル版より

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