底無しの夢(麻亜子の勝手に選歌)

短歌人の皆さんの歌や、読んだ歌集を紹介しています。
「古今伝授の里フィールドミュージアム」のことなども…

短歌人5月号 同人1欄の惹かれた歌

2017年05月17日 | まあこよみ
石垣のとぎれし間(くわん)にくれなゐのふいにさびしき昼の梅みゆ  青輝 翼

われは今ひとつのてがみ春あさき長谷大仏のふところにゐて  金沢早苗

咳に覚めキッチンに熱き白湯のめばつと大きなるわが影動く  小島熱子

田毎の月、酔月、月影、月宮殿、名づけしひとのそれぞれの夜  和田沙都子 

しばらくはわがひざにゐて温かな重みでありし本といふもの  阿部久美

かはづざくらの満開過ぎしが枝枝にくづれし惨も見せて留まる  藤本喜久恵

森を出てサンダーバードに座しをれば革のコートは火の匂ひする  西王 燦

生存につくづく飽いて枯草に水撒いてゐる水は美し  酒井佑子

パンよりも歌劇を選ぶなかんずくリヒャルト・ワグナーその昂揚を  藤原龍一郎

くだけちりて波やはらかな時の間の春のみぎはの幽かなる音  神代勝敏

重たかり 三食間食欠かさずに死にたる人の重さなりけり  真狩浪子

ストーブに少し炙りて食べているアイスクリームは悪魔の香りす  林 悠子

朝の顔うつりてゐたり電源を入れむとのぞくスマートフォンに  大越 泉

春の風異様に鳴りて老人の泣き声負けずにつづきてをりぬ  大和類子  

一か月前の会話の中身など覚えていない美容師や良し  谷村はるか
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