底無しの夢(麻亜子の勝手に選歌)

短歌人の皆さんの歌や、読んだ歌集を紹介しています。
「古今伝授の里フィールドミュージアム」のことなども…

短歌人3月号 同人2欄の惹かれた歌

2017年03月07日 | まあこよみ
かがり火に照らし出されてほの見えし意外に若き舞ひ人の貌  池田弓子

ひび割れし木肌りりしも吹き過ぎる風のこゑ聞き直ぐ立つ榧よ  小出千歳

紙幣三枚歌集に化けしをことほぎて残る二枚は久保田に化けぬ  斎藤 寛

見えぬ鶏を追ふ所作三度繰り返す午前三時の妖しき境内  勺 禰子

どこへでも行けるのに行かぬ子のために天球儀型の林檎を焼きぬ  春野りりん

形よきは向かう三軒へ差し上げてさしあたり食ふ小さきいびつ柿  川井怜子

余白あるひと日の明るさ焦がれつつ執するものを小径において  水原 茜

ソリティアのひとり遊びのつれづれよトランプは口をつぼませ語る  弘井文子

落葉敷く庭におりたちひひらぎの白き小花の香をききてをり  永井秀幸

隠れたるベストセラーと聞きしかば『東京防災』取り寄せてみる  長田貞子

アクアブルーのシーツのうえにほどかれる爪のさきまで上手に泳ぐ  魚住めぐむ

何がなしの希望を持たなくもないが息災ははや天のものかも  大滝世喜

細雪をアスピリンスノーなどと称ぶ札幌西区の人にあひたし  林 とく子

どこまでもやさしい夜のたたかいの最初のキズがいちばんキツい  螟虫 良

人並ぶところに並び五日程も生きられさうなパンを買ひたり  時本和子



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