新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

秋の上野は芸術の秋 (その3)

2016-10-29 16:49:01 | 美術館・博物館・アート

「秋の上野は芸術の秋 (その2)」のつづきも、東京藝術大学大学美術館で開催中(明日まで)の「驚きの明治工藝」展のお話の最終回

この展覧会のキャッチフレーズ、「すごい びっくり かわいいから「かわいい」系を中心に紹介します。

まずは、このタヌキ

着物を着たタヌキ妙なポーズをとっています。
私が想像するに、妙齢の女性に化けて人間の男性を欺そうとしていたタヌキが、いいところまで行きかけたところで正体がばれあ~れ~ となったシーンではなかろうかと…

この大島如雲「狸置物」(銅・鋳造)は、「お持ち帰りしたい」作品の一つでした。

次は、木製の「亀根付」(左一山)。

根付ですから、小さな作品で、長さ5cm、高さ2.2cmしかありませんが、リアルです。
木彫りでここまで細かな細工を施すとは…、見事

亀好きの彫刻家・左一山面目躍如といったところでしょうか。

次は、ウサギ

という素材を使いながら、ウサギ柔らかさが感じられて、ナデナデしたい気持ちになってしまいます。

この作品「兎」を造ったのは、山田宗美(1871~1916)という鍛金家で、NHK「超絶 凄ワザ!」で、その作品「ウサギ置物」再現が試みられました。

明治時代、アメリカの万国博覧会で一等賞を獲得、世界を驚嘆させた日本の芸術家がいた。鍛金家、山田宗美一枚の鉄板をたたき自在に変形させ、まるで生き物のような造形美を生み出した。しかし、その技法の詳細は今も謎で、最新技術でも再現は不可能とされる。そこで研究者と芸術家の異色タッグで幻の技法解明に挑む。美術史に残る巨人の技に挑んだ2か月間のドキュメント…再現なるか?

だったのですが、結局、再現できなかった という落ちでした。
番組では、一枚の鉄板からピンと立った耳を持つウサギを造ったという「超絶技巧」に焦点を絞っていましたが、そんな「超絶技巧」を知らなくても、山田宗美の作品は、十分に伝わってくるものをもっています。

説明パネルによれば、

山田宗美は若い頃、粘土が柔らかいうちは自由に成形できるように、鉄も熟した時は同じだとして、炭素の含有量が少ない柔らかい鉄に熱を加えた瞬間、内側から金槌で打ち出し、それを再び外側からも打って細く絞るという独自のアイデアを思いつきました。
造形のために観察する時間を惜しまず、鼠の自然の生態を探るために何日も物置で筵(むしろ)をかぶって過ごしたり、上野動物園で連日ライオンを観察し声をかけられても気づかないほど熱中したり、観察する動物で自宅の庭は動物園のようでした。

だとか。
単なる「技巧」の人じゃないんですな。
こちらの「古獣文壺」(部分)も、素材感獣の文様とがいい味をだしています

この「湯沸」(+)もいいなぁ~

この展覧会で一番の「掘り出し物」山田宗美の作品群だったかもしれません。

コレクターの宗培安さんも、相当山田宗美お好きなんだろうな…

次は、明治期の陶芸界の巨匠宮川香山「色絵金彩鴛鴦置物」(白磁・色絵)

華やか可愛らしくてハイソサエティの皆様には、結婚祝い贈りものとしてピッタリでしょうなぁ。

   

ところで、「明治工藝」といえばスルーできない七宝ですが、この展覧会の展示作品はイマイチでした。七宝界に並び立つ、並河靖之涛川惣助「Wナミカワ」の作品も展示されていたものの、これまで拝見した両氏の作品としては物足りない…。

   

最後に紹介するのは、昭和に入ってからの作品、宮本理三郎「柄杓蛙」です。

柄杓の柄にたたずむ小さなアオガエルかわいい
アップしますと、

ジャンプする寸前のようです。
緊張感がありますぞ

ところで、この作品の素材は「木」と記されています。
ということは、にしか見えない柄杓木彫りってことですか?

これまた凄いなぁ

あ~、面白かった

この記事の冒頭にも書きましたが、「驚きの明治工藝」展は明日千穐楽です。
興味をもたれた方はお見逃しなきよう

つづき:2016/10/31 秋の上野は芸術の秋 (その4)

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