新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

「人間国宝展」@東博は凄い

2014-02-02 10:52:37 | ニュース

きのう、東京国立博物館(東博)に出かけ、特別展2本、「クリーブランド美術館展-名画でたどる日本の美」「人間国宝展―生み出された美、伝えゆくわざ―」を観てきました。

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きょう2月2日のNHK日曜美術館アートシーンで、この二つの展覧会が紹介されるようなので、混む前に観てこようという次第です。
通常、平成館を会場に開催される特別展では、左側のエスカレーター前にモギリが置かれて、右側のエスカレーターは下りに使われるのですが、今回は、モギリがそれぞれの展覧会場入口に置かれて、エレベーターは右が昇りで、左が下りでした。

ところで、1月12日の記事「今年も“美術館に初もうで”(後編)」に書いたように、「日本美術家の祭典」と題して、この東博の特別展2東京都美術館で開催中の「世紀の日本画」展コラボしています。

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お得なセット入場券が発売されたり(販売終了)、相互割引スタンプラリーが行われたりしています。

  • 展をめぐって、スタンプをすべて集めたら、展覧会会場の特設ショップレジ係員にお見せ下さい。
  • 各展のポストカードのうち指定された2種類の絵柄(3展あるので合計6種類)から、お好きなポストカードを1枚さし上げます。どの絵柄から選べるかはお楽しみ。

というスタンプラリー、東博では、「クリーブランド美術館展」の出口「人間国宝展」の入口の間にある「特設ショップ」の前に台紙スタンプ(エンボッサー)が置かれていました。

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私、既に「世紀の日本画」展前後期セット前売り券販売終了)を購入しておりますデス

   

さて、2つの展覧会、私としては「人間国宝展」の方に圧倒されました

「クリーブランド美術館展」も、宗達工房の作品と思われる「雷神図屏風」雷神のポーズはおなじみ宗達の雷神図と同じだけど顔つきが全然違う)とか、雪舟等楊筆と伝えられる「花鳥図」(柔らかい筆致)とか、大胆極まりない「薄図屏風」「青天七十二芙蓉図」(上半分が金地で下半分が銀地)とか惹かれる作品もありましたが、特別出品のアンリ・ルソートラとバッファローの戦い」、ベルト・モリゾ「読書」パブロ・ピカソ「画家の妹ローラ」(ピカソ18歳の頃の作品の方にうぉぉとなってしまったのは、う~む…でした。

一方の「人間国宝展」は、お持ち帰りしたい作品てんこ盛り
染織、陶芸、金工、漆芸、木工、竹工、日本刀、戴金、そして人形、、、、と、広い分野にわたって最高峰の工芸品が、目が眩むほど展示されていました

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なんと精緻で、完璧な仕事

ス・ゴ・イ…としか言えない、いや、口がぽかんと開いたままになってしまうような作品群を眺めながら思ったのは、こうした超一流の工人たちを支えるには何が必要なのだろうかということ。

チャップリンの「ライムライト」にこんな名セリフがあります。

Yes, life can be wonderful, if you're not afraid of it.
All it needs is courage,imagination, and a little dough.

人生は素晴らしいものになる。人生を怖がっちゃいけない。
必要なものは、勇気と想像力と、そして、ちょっとしたお金…。

人間国宝ほどの人でも、高い志センス、そして技能を持っているだけではダメ
生きて、作品を制作し続けるためには「お金が必要です。
それに加えて、良き理解者も必要なのだろうなと思います。
つまり、アーティストを物心両面でサポートする人が必要です。

これは、サポーター(パトロン)は権力者・富豪・一般大衆とさまざまでしょうけれど、古今東西・分野を問いません
お金持ちの方々には、是非、がんばっていただきたいものです

こんなことを考えたのは、最近、エキセントリックな某市長非文化政策に関するニュースを耳にしたからかもしれません。

それはさておき、ホント、この展覧会は来ました

実は、一番気に入った作品は、「人間国宝展」会場外にありました。

平成館1階の企画展示室総合文化展=平常展の入場券で観覧可能)で特集陳列「人間国宝の現在(いま)」が開催されていまして、そこで観たこちらの香炉

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桂盛仁さんの打ち出し香爐「森閑」です。
図録から引用しますと、

丸い赤銅製の爐を鍛金で打ち出し、大胆な曲線で縁取りされた中に霞の立ち込めた森林を金銀の銷象嵌(けしぞうがん)で表わす。蓋は四分一製で、摘みの木菟(みみずく)は高肉打ち出しによる。

とあります(専門用語が多すぎてよく判らなかったりして…)。

東山魁夷の作品を彷彿とさせる木々の佇まい、それを囲む漆黒、木々のシルエットに切り込まれた蓋、そしてモダンなミミズク

森の静寂を破って、ひやぁ~ と、叫びたくなるほど素晴らしい作品でした。

「人間国宝展」へお出かけの際には、特集陳列「人間国宝の現在(いま)」お忘れなく

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3 コメント

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1日は私の両親が上京したので、午後に3人で人間国... (たら)
2014-02-03 10:08:59
1日は私の両親が上京したので、午後に3人で人間国宝展を見に行ったんですよ~。
偶然同じ日でしたね。
スタンプも2つ押しましたよ。
エンボスのスタンプって初めて見たんですけど、
美術展ではよくある物なんですか?


ただ、2時間程展示を見て疲れてしまったので、
1階の展示は見なかったんです。
そんなにいい物があったのなら、見に行けばよかった…。
返信する
たらさん、コメントをありがとうございます。 (徒然煙草)
2014-02-03 20:53:04
たらさん、コメントをありがとうございます。


そうですかぁ、東博に行ってきましたかぁ。


平成館1階の企画展示室は東博の中でも一二を争う「地味な展示室」ですから、見逃すのも仕方ないかもしれません。


>エンボスのスタンプって初めて見たんですけど、
>美術展ではよくある物なんですか?


毎年恒例の東博の「博物館でお花見を」でもスタンプラリーをやっていまして、こちらもエンボスです。
でも、東博以外では見たことがないかも…[E:think]


一昨年の「博物館でお花見を」のスタンプラリーの記事はこちらです。
http://tabacco.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/04/post_0fc7.html


なかなかカワイイ缶バッジをもらえましたョ[E:good]
ただ、4年で2種類の缶バッジしかいただけていませんけど[E:coldsweats01]


ちなみに、現在の本館の展示は「梅満開[E:annoy]」です。
あっ[E:flair]、そうだ[E:annoy]
犬筥(いぬばこ)[E:dog]もいます[E:sign01]
返信する
やっぱりエンボスのスタンプって珍しいんですね。 (たら)
2014-02-04 07:52:51
やっぱりエンボスのスタンプって珍しいんですね。
桜のスタンプも素敵です。


もし行けるタイミングがあったら、
お花見の時期のスタンプラリーもやってみたいです~。
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