「華やぐ上野に行ってきた(前編)」の後編です。
先週金曜日の朝日新聞デジタルに、「ソメイヨシノ元祖『上野に』 千葉大、遺伝子解析し推定」という記事が載っていました。
記事をところどころ抜粋しますと、
ソメイヨシノは東京・上野公園にある1本が原木となり、全国に広まったと考えられる、とする遺伝子解析などによる研究成果を千葉大のチームがまとめた。
原木の候補は、上野動物園の表門に近い「小松宮親王像」の北側にある。一帯は江戸時代から桜の名所で知られ、親王像の場所は寛永寺の鐘楼だった。
中村教授らは今回、親王像を囲むソメイヨシノとコマツオトメ各1本、エドヒガン系5本の計7本の遺伝子の型を調査。7本は同じ親木から生まれた「きょうだい」だと判明した。
「きょうだい」が一定の間隔で並び植えられていることから、中村教授らは「品種改良で人為的な交配で生まれたソメイヨシノや他の桜を並べて植樹した可能性が高い」とみている。
という次第。
ちょっと判りづらい記事ですが、現場に行ってみました。
「小松宮彰仁親王銅像」の説明板裏のカンザクラは既に満開
一方、ソメイヨシノよりも遅く咲くカンザンはもちろん、
そして、朝日新聞の記事にあったコマツオトメは、まだまだの状態でした。
ソメイヨシノ(これが「ソメイヨシノの元祖」の木かも・・・)ゴツゴツした幹を見ていると、もしかしてゴジラのイメージはコレなのかもしれないと思ったりして・・・
ところで、小松宮像の裏側に、気になる木が立っていました。
「枯れ木」と言われたら納得してしまうような寂しい樹勢です。
「ろうそんひのき」という名札がつけられたこの木、1879年に来日したグラント将軍(第18代米国大統領)が植樹したものだそうですが、近くにあった説明板によれば、
グラントヒノキ(ローソンヒノキ)、グラント玉蘭(タイサンボク)は植えてから126年になります
この数年樹勢の衰えが著しいので、樹木の健康診断と治療を行います
とかで、療養中の由。
この説明板は「平成17年3月」に立てられたものですから、もう10年間も療養の身なんですな。
一方のグラント夫人お手植えのタイサンボクは、葉っぱがちょいとよれていますが、まだまだ元気なご様子。
梅雨時になったら、タイサンボクの花を拝見しに来ましょう。
ところで、きのうの上野訪問の一番の目的だった「UENO WELCOME PASSPORT」、無事に購入できました。
冷静に考えれば、東京国立博物館(トーハク)のパスポートを持っている私、国立科学博物館(科博)と国立西洋美術館(NMWA)と合わせた3館の常設展を観ようとすると、科博とNMWAの合計1,050円で足りるわけで、「UENO WELCOME PASSPORT」を購入しても50円の得にしかなりません。
でもまぁ、縁起物(?)だし と購入いたしました。
すると、ありゃま、かなり手の込んだパスポートではありませんか
対象3館以外の「おすすめスポット」の紹介も、いかにもパスポートの風情
さらに、オマケの「上野双六名所図会(うえのすごろくおすすめマップ)」もExcellent
やはり、こりゃお買い得です
但し、NMWAの常設展は、
と3月16日まで閉室中ですし、トーハク恒例の「博物館でお花見を」と「春の庭園公開」は3月17日(火)からと、「UENO WELCOME PASSPORT」が活躍できるのは今度の火曜日からです。
また、科博の常設展示のうち地球館の一部では大改修工事(今年7月頃まで)が行われているとかで、観られない展示があるそうです。詳しくは科博のお知らせをご参照くださいませ。
「UENO WELCOME PASSPORT」の有効期限は5月31日ですから、科博の常設展示を全制覇するのは不可能ながら、のんびりと楽しむのがよろしいでしょ。
ただ、
パスポートのデザインにあわせて、3館の敷地内には、入国審査をイメージしたスタンプを設けました。3つのスタンプを集めると先着1万名様にオリジナルグッズをプレゼント。スタンプラリーを完成させて、ここでしか手に入らないグッズを手に入れてください。
だそうですから、オリジナルグッズの入手を目指す方はお早めに
「華やぐ上野に行ってきた」全2編の締めくくりはこちらの1枚
【追記】この記事を読み返していると、あることに気づきました。
記事に載せた「UENO WELCOME PASSPORT」の写真のこの部分にご注目
拡大しましょう。
「上野の森美術館」の紹介なんですが、同館の英文呼称が「The Ueno Royal Museum」とは知りませんでした
どこから出た「Royal」なんでしょうか?
同館の運営団体の公益財団法人日本美術協会が、
公益財団法人日本美術協会は、明治12年に設立された龍池会を前身とする美術団体で、1883年(明治16)有栖川宮熾仁親王殿下が龍池会総裁に就任され、現在は常陸宮正仁親王殿下が総裁をつとめられています。
とあるように、皇族とちょっとしたつながりがあるということくらいしか「Royal」を名乗る理屈が見つかりません。
ちなみに、私は「上野の森美術館」で展覧会を観たのは10年以上前のMOMA展の一度きり。
もうずいぶん昔のことになってしまいましたが、MOMA展で観たベン・シャーンの「Silent Music」のことは一生の思い出です
この辺りのことは、このブログで一番のデキだと自負する(一方で最近のデキに忸怩たるものを感じる)こちらの記事をお読みくださいませ。 (2015/03/15 20:31)
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