新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

埼玉県立近代美術館の椅子

2017-07-23 21:43:06 | 美術館・博物館・アート

久しぶりにMISIAから離れた今週末、きのう埼玉県立近代美術館(MOMAS)に出かけて「遠藤利克展 -聖性の考古学ー」を観

きょうは東京国立博物館(トーハク)に出かけて、「親と子のギャラリー びょうぶとあそぶ 高精細複製によるあたらしい日本美術体験」ほか、

本館平成館常設展(総合文化展)を楽しんできました。

何度出かけても、そのたびに新発見があり、まいどまいど楽しんでいるMOMASトーハクですが、今回も、ホント、楽しかった

でも、MOMAS「遠藤利克展 -聖性の考古学ー」衝撃的ともいえる展覧会)とトーハクのことは後日に廻しまして、きょうは、MOMAS開館35周年記念企画として実施中の「ベストデザインの椅子グランプリ」のことを書くことにします。

 この企画は、

「椅子の美術館」でもある当館。所蔵のグッドデザインの椅子から人気No.1を選ぶグランプリを開催します。エントリーは16脚。見た目、座り心地、椅子にまつわるエピソードなどにおいて、いずれ劣らぬ愛され椅子たちです。対象の椅子は投票期間中館内に設置され、自由にお座りいただけますし、写真撮影もOK。予選は館内投票ボード、または公式twitterアカウントにて行うアンケート(期間中不定期開催)にて投票いただき、あなたのベスト椅子を応援してください! 4部門の予選の後、各部門で勝ち抜いた上位2脚、計8脚を対象に館内に設置した投票ボックスで決勝投票を行い、栄えあるグランプリを決定します。

というもので、既に予選1組(王様気分の椅子部門)の選考が終了していまして(私も清き1票を投じました)、現在、予選2組(個性派ぞろいの椅子部門)の投票が実施中です。

で、予選2組椅子4、だけじゃなく、エントリーされている16脚すべてに座ってきました

どれも「個性派ぞろいの椅子部門」の名にそぐわない個性派ぞろいで、しかも、驚いたことに、見た目凄いだけでなく、座り心地良い(=良くできた椅子)

「館内投票ボード」ではダントツの人気を集めていた「マリリン/ポッカ(スタジオ65)」は、

見たまんま、ふんわりした座り心地でしたし、古代中国の青銅器の文様をぬいぐるみにしてしまったような「エクストレム(テルイェ・エクストレム)」もまた、見たまんまでゴニョゴニョした座り心地でした(でも、悪くない)。

こんな「個性派ぞろいの椅子部門」で一番の問題作品「XL (プラクトン1.8) (グラフ)」でしょう

写真で観る限りでは、学校とかに普通にありそうな椅子なのですが、問題はそのデカさ
その名のとおり、「XL」サイズなのですよ
「個性派ぞろいの椅子部門」にエントリーされているライバルと一緒に写真に撮ると(マリリンはカメラアングルの都合上省略、一番手前は「パントン(ヴァルナー・パントン)」)、

遠近法に逆らうように、一番遠くにあるのにデカい

座ろうとすると、「椅子に座る」というより「椅子によじ登る感じです。
そして、背もたれに背中をつけて座ると、座面の奥行きがありすぎて、誰もがパンダ座りになってしまい、それはそれで、脚を伸ばすことになって、心地良いのですよ
眺めもいいし…

降りるのも大変なので、このままずっと座っていたい気分になったりして…

「個性派ぞろいの椅子部門」からは「マリリン/ポッカ(スタジオ65)」「XL (プラクトン1.8) (グラフ)」決勝進出するんだろな、と予想いたしました。

   

今後予選が行われる「モクメ部門」と、

「The 椅子? 部門」のエントリーも

眺めたり 座ったりしましたけれど、前記のとおり、どの椅子も、デザインはもちろん、座った感じイイ
岡本太郎の作品に「坐ることを拒否する椅子」という、とてつもなく座り心地の悪い椅子もありますが、MOMAS椅子コレクションは、普段、来館者の休憩にも利用されている実用的な椅子ですから、当然といえば当然…

ただ、激しく驚いたのは、一部の椅子の製作年でした。

映画「2001年宇宙の旅」(1968年公開)宇宙ステーションを思い出した「ジン(オリヴィエ・ムルグ)」「The 椅子? 部門」の一番奥の赤い椅子)は1964年の製作だそうで、それ相応なんですが、こちらの斬新な形かつカラフル「レッド・アンド・ブルー(ヘリット・トーマス・リートフェルト)」製作年はいつ頃だと思われます?

直面直線だけで構成され、座るとゴツゴツしそうに見えますが、実際に座ってみると、ギシギシいいながら、座る人の体型に合わせてくれる律儀者のこの椅子の製作年は、なんと「1918年」

日本の元号でいえば、大正7年ですゾ

また、「モクメ部門」にエントリーされている、

これまた直面と直線だけで構成されている「ジグザグ(ヘリット・トーマス・リートフェルト)」の製作年は1932-33年昭和7-8年です。
座ると、これまた予想に反して座り心地が良いのですよ。

材料のの弾力性が、この椅子の単純な構造ともあいまってカンチレバー的にユラユラしてくれて、心地いい~

「レッド・アンド・ブルー」にしても「ジグザグ」にしても、発表当時はぶっ飛んでいたんだろうな…と思います。

ほんと、この2脚には驚きました。

   

ところで、既に結果が出ている「王様気分の椅子部門」ですけど、私が投票した「トーテム(トールスタイン・ニールセン)」は、

3位にとどまり、あっけなく予選敗退
色合いも、そして、座った感じもいいと思うんだけどなぁ…

で、「王様気分の椅子部門」からの予選通過は、1は、椅子の傑作として名高いチャールズ・レイ・マッキントッシュ「ヒルハウス1 / ヒルハウスのベッドルームのためのハイバック・チェア」(1903年)

ではなくてルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ「バルセロナ・チェア」(1929年)でした

観た感じ、「ヒルハウス1 / ヒルハウスのベッドルームのためのハイバック・チェア」の個性が圧倒的光るのですが、実際に座ると、「バルセロナ・チェア」心地よさときたら、立ち上がりたくないこのままずっと座っていたい と思うほど。

背もたれが、人体無視するように垂直に立つヒルハウス1 / ヒルハウスのベッドルームのためのハイバック・チェア」は、見かけとは反して悪くない座り心地なのですが、単純に「椅子」の機能としてはどちらが優れているのかと考えれば、圧倒的に「バルセロナ・チェア」を揚げますな、私は…

それにしても、「バルセロナ・チェア」の製作年は1929年(昭和4年)「ヒルハウス1 / ヒルハウスのベッドルームのためのハイバック・チェア」に至っては1903年明治36年ですぞ 
信じられますか?

ちょっと大げさかもしれないけれど、人類は進歩しているのだろうか?… と考え込んでしまったのでありました。

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