新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

わたし的に今年は「ポスター展」の当たり年かも (後編)

2017-06-19 22:36:54 | 美術館・博物館・アート

「わたし的に今年は『ポスター展』の当たり年かも (前編)」のつづきです。

「前編」では、サクラビール、カブトビール、ユニオンビールと、今はなきブランドのポスターの話を書いたのですが、当然ながらキリン・アサヒ・サッポロ御三家のポスターもたっぷりと展示されていました。
さすがに1963年にビール業界に本格参入したサントリービールのポスターはありませんでしたが…
でも、サントリーの前身・壽屋あのポスターは当然のように展示されていました

「グラスを持つ半裸の女性」1922年片岡敏郎井上木它による赤玉ポートワインのポスター「グラスを持つ半裸の女性」(1922年)です。

「日本初のヌードポスター」と言われている割にはおとなしいのですが、このポスターが掲出された大正時代にはセンセーショナルだったようです。

今観ると、ほぼモノトーンの中に、ポートワインのが印象的で、、、、いや、それもあるけれど、それ以上に、モデルさんの微笑が素晴らしい

このポスターの宣伝効果たるや、メディアの限られた当時は絶大なものがあったことでしょう。

さて、話をビールに戻しますと、御三家のポスターは、この赤玉ポートワインはもとより、サクラビールのポスターに比べても、きれいにまとまってはいるものの、インパクト乏しい気がしました。

そんな中で印象的だったのが、キリンビールのこちらのポスター

「グラスを持つドレスの女性」1922年「グラスを持つドレスの女性」(1922年)です。

なぁ~んともエロっぽい

この官能的な女性の表情、どこかで観たことがある気がして、ちょっとググった 結果、これはクリムト「ユディトⅠ」(1901年)そっくりではなかろうか

グスタフ・クリムト「ユディトⅠ」

 

それはともかく、このキリンビールのポスターは、それまでのビール御三家のポスターとは一線を画している気がしました。

そういえば、「グラスを持つ半裸の女性」「グラスを持つドレスの女性」1922年(大正11)の作品です。
大正デモクラシーつかの間の自由な雰囲気が生みだしたポスターたちなのかもしれませんな

   

さて、ビール御三家だけでなく、今もお馴染みブランド飲料のポスターが展示されていて、こんなに歴史のある飲み物だったのかぁ驚きがありました。

伊原宇三郎「カルピスを持つ赤い洋服の女性」(1928)例えば、カルピスの発売は1919年(大正8)ですし、(リボン)シトロン三ツ矢サイダー1909年(明治42)、後発のキリンレモンでも1928年(昭和5)ですから、この息の長さにはビックリ

健康被害なんてもってのほかで、時代に合わせるべく、細かなレシピの変更や、大胆なボトルの変更を繰り返しながら、ブランドを維持してきたメーカーの皆さんのご努力に感服するしだいです。

ここまで来れば、もう「日本の宝ですぞ

で、「宝」といえば、宝焼酎・宝味醂のポスターもかなりのものでした。

画像が見つからなかったのですが、「瓶を持つ青い和服の女性」(1928年)のキャッチコピーは、

お台所の両大関

ですよ。
宝焼酎と宝味醂が両大関なら、横綱は何なんだ と突っ込みたくなったりして…
また、「割烹着姿の女性」(1927-35年)に描かれた、味醂5合瓶2本入る、恐らく紙製メッシュの手提げ箱斬新で、今でも絶対にウケると思いました。

こうして、私をメチャクチャ楽しませてくれたこの「サカツ・コレクション」これって何? と思うわけですが、名古屋を地盤とする業務用酒類販売会社「サカツ・コーポレーション」のコレクションでした。

HPによれば、

弊社は明治29年山田屋酒店として名古屋市に創業、昭和4年に屋号を「酒津屋」と改名しその頃から酒類に加え輸入洋酒、柑橘類の取り扱いも始め、戦時中は食料品配給事業に精力し、戦後は飲食店事業や舶来洋酒店の開設など図り、名古屋「洋酒の酒津屋」と親しまれ、おかげ様で現在では中部・北陸における業務用酒販店として、また小売部門「銘酒の森アルコ」の多角化展開をみるに至りました。
6代目社長、故・牧野純三はこうした展開を支え、また社長業の傍ら戦争によって散逸してしまった酒類関係の文化資料の収集に努め、なかでも広告ポスターの収集にはその文化的、芸術的価値の高さからも力を入れておりました。コレクションの中でも中核を占める五百点以上に及ぶポスター類には、先代のこうした酒販業に賭ける思いが投影しているものです。

だそうです。
創業以来のコレクション(だけ)ではなく、戦後に蒐集したものだったんですねぇ。
こういうお金の使い方って素晴らしいと思います。

埼玉県立近代美術館での「カッサンドル展」(来週末まで八王子夢美術館巡回展を開催中)で盛り上がった私(記事はこちら)、今度は日本の飲料系のポスター展でも盛り上がるとは…。
私にとって、今年は「ポスター展」の当たり年かもしれません。

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