新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

わたし的に今年は「ポスター展」の当たり年かも (前編)

2017-06-18 22:25:37 | 美術館・博物館・アート

かつて、今の季節になると、ビーチ生ビールジョッキを持って微笑む水着美女のポスターが居酒屋の店内を飾ったものでした。(右の井川遥さんが持っているのはグラスですが…)
ところが、広告の世界では水着キャンギャル離れ「ギャル」の響きが古くさい)が著しいそうで(こちらのサイトをご参照方)、ビール業界も例外ではないそうな。

「不景気で企業はまず広告宣伝費を削った。ビールの愛飲者に女性が増えたこともあるし、水着自体が目新しいものでなくなった点も大きい」(マーケティングコンサルタントの西川りゅうじん氏)

だそうです。

きょう、「サカツ・コレクション 日本のポスター芸術:明治・大正・昭和の彩り」展@うらわ美術館を観てきました。

本展では、散逸した飲料メーカーのポスターの収集・保存に努めるサカツ・コレクションより、美人画ポスターを中心に、選りすぐりの約85点を展覧します。明治の引札から昭和戦前期まで、懐かしくも新しい貴重なポスターの数々をご覧いただきます。

というこの展覧会、楽しかったぁ~

図録が用意されていなかったこともあって、ポスターに見入ってはメモ、メモ、メモ…でした。
図録代わりというか、サカツ・コレクション立派単行本が出版されていますが(会場で現物を拝見)、6,000円超というお値段では、ちょっと手が出ません

明治・大正・昭和 お酒の広告グラフィティ―
サカツ・コレクションの世界
サカツコーポレーション
国書刊行会

そんなわけで、ネットで探し出したを交えながら、私のメモからこの展覧会をふり返りましょう。

   

まず、冒頭から、ポスターに先立つ宣材引札(ひきふだ)コレクションにあれまぁ
長坂商店という味噌・醤油の醸造元の引札なんですが、

合資会社長坂商店
羽後増田町

ですって
去年の夏休みに内蔵を楽しんできた横手市増田(記事はこちら。最近、JR「大人の休日倶楽部」CM/ポスターにも登場)のお店引札とは
「長坂商店」の今はどうなっているのだろうか? と帰宅してから、ググると、、

㈱長坂商店/破産開始決定

あれぇ~6年前つぶれてた
でも、創業時(1903年・明治36年)からの味噌製品室と土蔵(国登録有形文化財)は、今も公開されているようです。

「長坂商店引札」の近くに展示されていた「ヱビスビール宣伝掛札」(1894-1905年)興味深いものでした。
えびすさんがビアジョッキを掲げている図案もさることながら、書かれている社名&所在地に注目

日本麦酒株式会社
大日本東京荏原郡 目黒村三田

「三田」と聞くと、慶應義塾大学のある「港区三田」を連想しますが、現在、恵比寿ガーデンプレイスのある地域(ヱビスビールの工場跡)「三田」であることは、丸谷才一さんのエッセイを読んで知っていました。
豆腐好き丸谷さんは、ビールの工場があるくらいだから良い水が出て、したがって美味しい豆腐を食べられるだろうと考えて、目黒区の三田に引っ越したのだそうな。
こんな話を思い出しました

   

美人画ポスターを中心に、選りすぐりの約85点を展覧するというこの展覧会ですが、ここから出てきますよ、美人画ポスター

現在、日本のビール会社は、アサヒキリンサッポロサントリー、そして実質アサヒ傘下オリオンと、4.5社による寡占状態ですが、かつては他にもビール会社があったようで、例えば、北九州にあったサクラビール(昭和恐慌の立役者の一つ? 鈴木商店による経営)のポスターが粒ぞろいでした。

 左から順に、

1) Koembangビール 1912-16年
2) 「桜ビール」文字入りの和服を着て給仕する女性 1916年
3) 菖蒲を背にした和服の女性 by 北野恒富 1913年
4) 桜の旗を背にビールを掲げる女性 by 樋口富磨呂 1928-31年

ドレスのヒダやタイポグラフィーがアール・ヌーヴォー風の1)太い輪郭線とタッチがフォト・コラージュっぽい2)菖蒲金屏風の背景が冴える3)、どことなく「民衆を導く自由の女神」を思わせる4)と、それぞれいい感じです。

ところで、1)「Koembang」って何でしょうか?
このポスター輸出用に作られたものだそうですが、もしかして思いっきり日本的「検番」のことか?

それはともかく、サクラビール以外にも、今はなきブランドビールのポスターも展示されていました。

カブトビールテーブルの上の薔薇と二人の女性1915年)は、名古屋駅前にあったらしい広告が映画「風立ちぬ」に何度か登場してリバイバルしましたが、

ユニオンビールレストランの女性 by 町田隆要1926-33年)は初耳のブランドです (モデルさんのお顔が宮崎美子さんっぽい)

こうして姿を消したブランド数知れず、なんですが、逆に長い間、生き続けているブランドも数多いことを知ったのも収穫でした。

その辺のお話はまた後日

つづき:2017/06/19 わたし的に今年は「ポスター展」の当たり年かも (後編)

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 6年ぶりの鹿児島旅行記 #2-4 | トップ | わたし的に今年は「ポスター... »

コメントを投稿

美術館・博物館・アート」カテゴリの最新記事